【バンコク・チャイナタウン】ついに!鉄格子の扉の中へ潜入 | wai blog~日々是安泰~

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【4歳息子と二人旅】
タイ・バンコク5泊6日間の旅

 2017年4月。息子4歳の初海外旅行。昔から憧れていたソンクラーン(水掛け祭り)を体験する旅。
バンコク在住のお友達のエスコートで今までと違うバンコクを楽しむことができてラッキー!

【日程】
1日目 羽田⇒バンコク (ミンブリー泊)
2日目 ミンブリー市場、ルーフトップバー『moon bar』(バンヤンツリー泊)
3日目 ソンクラーン、ルーフトップバー『オクターブ』(センターポイントシーロム泊)
4日目 チャイナタウンお宅訪問、アジアティーク (センターポイントシーロム泊)
5日目 ワット・ポー、水上レストラン(ミンブリー泊)
6日目 バンコク⇒羽田⇒能登

 


この記事の続き

 



東南アジアを旅した人ならわかるだろう。

日本で見かけることのない、

玄関前の鉄格子の横開きのシャッター。

 

 

防犯のためなんだろう。

その隙間から見えるのは、リアルすぎる日常生活である。

 

日本なら、玄関ドアが開いていても

せいぜい玄関の靴や置物が見える程度で

家人が何をしているかは、見えない。

 

しかし、タイでは、鉄格子はしまっていても、

中は見え放題のことが多い。

 

実際は内側にも扉があるが、留守でもない限り開けっ放しである。

 

半裸のお腹でっぷりのおじさんが座椅子に転がってテレビを見ている。

その奥には祭壇(日本でいう仏壇)があって、暗い家の中でテレビと祭壇が煌々と輝く。

 

そういう風景を何度も見てきた。

 

 

家の覗き見。

 

長屋が続く裏路地を歩く時にしてしまう

罪悪感を伴う行為。

 

家人と目があったら最悪だ。

何を見てる?と怒られたらどうしよう。

でも、気になる。

 

相手がテレビに夢中になっているのをいいことに、そっと気づかれないように覗いてみたり。

 

時には小型犬が寄ってくることもある。

家人と目が合ったこともあるが、ニコリとするわけでもなく、彼らはいつもの暮らしを続けていた。

 

この鉄格子の扉の先で

すぐにリビングのような作りの家の中で

どうやって暮らしているの?

床はコンクリートなの?

 

私と家人を遮っているのは

スカスカの、でも頑丈な鉄格子だけ。

 

近いのに、とても遠い。

入り込めそうで入り込めない。

不思議な世界なのだ。

 

観光客が見ることのできない

魅惑の日常がそこにある。

 

その魅力にどっぷりとはまり込んでしまった。

 

いつか、この中を見ることができるんだろうか?


どう考えても難しい気がした。

ここは、観光客の力が及ばない世界。

ツアーガイドさんにお願いしても連れていってはくれないだろう。

 

お店じゃダメなのだ。


普通の暮らし。

地元の人の家が見たいんだから。

 

 

そんな話をしたのか、単にチャイナタウンが好きでね、って話をしたのか忘れたけれど


えみちゃんが

「義父のお家がまさに、そういう家だから、

連れてってあげるよ。」

と言ってくれた。

 

なんですって!?

 

唯一のタイ在住友達の義父の住む家が

ずっと見たかったあの家だった、という奇跡。

 

この衝撃は、すさまじかった。

なんてラッキーなのだろう。

 

20歳の頃から気になっていた秘密の扉の先を

40歳の今、見ることができるのだ。

長いとお思いだろうか?

 

しかし、一生無理だろうと思っていたことを考えると、20年で叶ったというのは、なかなかの強運だ。

 

私にとって、このことが、この旅で一番の楽しみだったと思う。

 


オクターブで夜景を楽しんだ翌朝。

 

身支度を整えてチャイナタウンに向かった。

 

チャイナタウンと言っても、

ヤワラーなどのメイン通りとは少しずれていて

ファランポーン駅界隈。

 

何か目印を覚えておこうと思ったが、

ランドマーク的なものが見つからない。


ガイドブックに道が載っていない地域である。

 

 

大通りから住宅がひしめく路地に入る。

夜に備えての屋台がいくつも休息していた。

 

多分、普通の観光客だったら、これ以上は入り込まない路地だろう。


細くて、長屋が続いていて、どこへ繋がっているのかわからない。

更に、細い道をバイクが通っていくこともある。

 

ピーカンの空なのに、ポタっと何か水が垂れてきた。

見上げると3階の植木の水だった。

 

 

そういう場所である。

 

迷路のような路地の先で、辿り着いた義父の家。

やはり鉄格子はしまっていて、内扉が少し空いているだけだった。

もしかして留守?

 

隙間から声をかけるえみちゃん。

 

出てきたのは親戚のおばさんだった。

えみちゃんの義父は留守だった。

 

内扉が開かれ、ついに鉄格子のシャッターが開かれた。

 

入ってすぐに玄関マットがあり、そこで靴を脱ぐ。

それが内と外との境目だったようだ。

日本のような玄関は、ない。

 

ひんやりと暗い室内。

体感温度が5度くらい下がった。

エアコンは使っていなかったが、十分に涼しい。

 

天井が高く、床がコンクリートだったからだろうか?


裸足で歩くとひんやりと心地よい、つるんとしたコンクリートの床。

好きだな、この感触。


 

えみちゃんの子供たちは慣れた場所なので、

各々好きな椅子に腰かけ、くつろぎ始めた。


おばさんが扇風機をつけてくれた。

 

おばさんは、私の顔を珍しそうに眺め、

えみちゃんに何か聞いていた。

 

奥には小さなキッチンと浴室、トイレがあった。

 

「上を見てみる?」

 

行きたい!

 

ドキドキするような狭い階段を上がる。

2階は寝室だという。

そして3階へ。

 

どんどん室温が上がっていく。

 

3階には大きな祭壇があった。

お供えものが新しい。

毎日ここにお供えを持ってくるのは大変だろう。

 

ベランダに出て路地を見下ろした。

 

 

ここは長屋になっていて、きっとどの家も作りは同じだと思う。

 

間口は狭いが、奥行きのある作り。

そして3階建て。

 


路地で覗き見していた時と反対の世界にいる。


私は今、内側から外を見ている。

 

 

私は家人しか知らない場所にいるという特別感と、ずっと解けなかった謎が解けた気持ち良さを感じていた。

 

家を見てキャーキャー喜んでいる私を

おばさんは不思議そうに見ていた。

 

義父さんによろしくと伝え、私たちは再び鉄格子を開けて外に出た。

 

そして、おばさんはすぐに、サッと内扉を閉じてしまった。

少しだけ隙間をあけて。

 

今思うと現実味のない不思議な体験だった。

再び、あの扉の先に行ける日が来ることはあるのだろうか?

 

タイのいつもの暑さの中を、元来た大通りを目指して歩き出した。

 

途中で見かけた消火器。

タイの商品って開発者なのか代表なのかわからないけど、人の写真がパッケージになってるものが多いよね。

 

路地の風景が面白い。


鉄格子の中は、やっぱり覗いてみたい。

この趣味はこれからも続きそうだ。

 

 

大通りに出て、今来た道を振り返った。

竜宮城から戻った浦島太郎の気分。

 

ここはどこだったんだろう?

地図にないから、一人では二度と辿りつくことはないだろう。

 

現実だったけど、夢のような、最高の時間だった。

 

 

えみちゃんとおばさんに感謝を。

 

エアコンの写真以外の家の中の写真はプライバシーに配慮して掲載していません。

 

大通りのセブンイレブンで英気を養い

次はサンペン市場に向かった。

 

つづく


wai