もしかして、とウキウキして運転席を見たら
別人だった。
そんなことはよくあること。
しかーし、そこに乗っていたのは
麻生さんもびっくりな
への字口をした女性だった。
そのへの字具合がすごくて
何か仕事で嫌なことでもあったんですか？
あったんですよね？
そうであってくれ！
と願ってしまうほど。
悪い気みたいなのをもらった気分になった。
見なきゃよかった！
早く青信号になってちょうだい！。
あの顔、見ちゃいけないやつやん。
世の中には見てはいけないものがある。
人は誰しも、無意識では、ものすごい顔をしていたりする。
不意に撮られた写真を破棄したい衝動に駆られることは誰しも経験あるだろう。
もしかして私も、あんなへの字口になってるのかしら？
思わず鏡で確認してしまった。
せいぜい、このレベルだった。
口角を下げるのもなかなか大変だと知った。
あの女性レベルのへの字口は、
ものすごく意識して口角を引き下げても届かないほどの下がり具合だった。
私はあの女性を知らない。
あの表情は、もしかしたら、時々嫌なことがあった時しかしないのかもしれない。
それでも、あれだけ下げれるのなら、普通の時もなかなかの不機嫌顔だと思うのだ。
そして、前に書いた見た人の体調を悪くする顔がある、という話を思い出した。
日頃、一般人でそういう顔に会うことは少ないし、マスクのおかげで免れている面があるかもしれない。
この女性に何があったかわからない。
ものすごい苦労や不幸があの顔を作ったのかもしれない。
本人はそう主張するかもしれない。
しかし、幸せそうなあの人も、ニコニコしてるこの人も、それぞれが様々なものを抱えている。
私だけが不幸。
私だけが不運。
なんてないのだ。
その体験をした中で、どういう顔をするのか？
辛いからこそ、笑って生きよう。
辛いからこそ、辛い顔をしよう。
選ぶのは自由なんだから。
wai