【当事者の求める面会交流の内容】
ア 父
年4回、日帰りの案
詳細については省略
間接交流についても定めることを希望
イ 母
直接交流は認めないことを希望
子らはそれぞれ、広汎性発達障害、自閉症スペクトラムと診断を受けているため、交流の実施に当たっては、子らの心理面、体調面に十分な配慮が必要であり、当日も柔軟な対応をとる必要がある
また、母は父と接触することにより精神的に不安定になる傾向がある
面会交流を実施すると、母の心身の状態の悪化は避けられず、子らの生活や体調に影響を与えることも看過できない
子らがジュニアパイロットを利用するなどして、子どもだけで面会交流に出かけられるようになれば父の居住地における面会交流を実施することが考えられる
長男には新幹線や電車に乗る際、一人で改札を抜ける練習をさせるなどしているが、それでもこの方法での面会交流の実施には年単位の時間がかかると思われる
私が話したことがそのまま書かれています↑
母はスマホを利用した間接交流を任意に行わせており、今後もこれを制限する意向はないため、父子交流の機会は確保されている
別居当時からの交流の頻度を提出していました
通話とメッセージ、子どもからの発信だけでも平均すると月の半数以上あります
子どもに喪失感を与えないようにと私が積極的に「お父さんに電話しようか」「写真を送ろうか」と声をかけていました
最初から高頻度で連絡を取らせていたことに一貫性があり、私が交流を阻む意思がないことを証明できたのだと思います
ちなみに、親権争いをしていた頃は「面会交流を拒むと親権が相手にいく可能性もある」と弁護士さんから言われていました
【面会交流の内容】
面会交流の可否を検討するにあたっては、別居親と子の関係や交流の状況、子の心身の状況、子の心情、同居親と別居親の関係や面会交流についての考え方、面会交流の実施が同居親に与える影響その他子をめぐる一切の事情を総合的に勘案し、子の利益を最優先に考慮しなければならない
【面会交流実施の可否】
当事者間において、子らと父の関係が良好であることは共通認識がある
父子関係のみを見ると、長男にとって父は貴重な対人資源であり、直接交流が実施されることは、子の心身の安定に寄与することが期待できる
母としても、面会交流の必要性を理解しているからこそ、当初は定期的な面会交流の実施に応じてきた
しかし、任意の面会交流を続ける中で体調を崩したり、宿泊付きの交流を提案したはいいが、前後数週間にわたり、体調を崩したり、父がこちらを訪れると想像すると震えが止まらなくなるなど、面会交流を通じて父との関係を維持し、相手が近くにいると想起することは、母の心身に相当程度の負荷をかけるものと認められる
翻って子らの状況を見ると、長男は広汎性発達障害、長女は自閉症スペクトラムの診断を受けており、特に長男はふとしたきっかけでパニックを起こし、奇声を上げて寝転がり、周囲の声が耳に入らなくなったり、長女に当たることがあるなど、日常から離れた場面に身を置く際には、特別の配慮が必要な状況にある
以上の事情を整理すると、本件は、受け渡し方法を定めて同居親は受け渡しの場面だけ対応すれば足りる事案とは異なる
子らが安心して面会交流に臨むためには、予め当事者間で子らの状況や特性を共有したうえ交流中に子らのパニック等の突発的な出来事があった場合に備え、双方が連携して対応する必要がある
しかしながら、父は審問において、子らが受けた診断につき、母が付き添ったためにこのような診断を受けたのではないかという旨を述べており、かつ、子らに対して面会交流時に誰と住みたいかを尋ねるつもりであると述べ、当裁判所から、そのような質問をすることが子らに対し、今の環境を変えて父のところに住むことになるかもしれないという先の見通しに関する不安を与えることになるのではないかと指摘されても理解を示すことはなかった
このような審問結果を踏まえると、父において、子らの置かれた状況や発達特性を理解したうえで、子らにとって安心できる方法で面会交流を実施し継続するための配慮を期待することは難しい
また、母の心身の状況に鑑みると、父の配慮も期待できない中できめ細やかな対応を父に求めることは困難である
無理にこれを命じても過度な心身への負担を招き、場合によっては母、ひいては未成年者らの生活基盤を脅かしかねない
これらの事情に照らすと、父子関係に問題がないとはいえ、子らの発達特性等に対する格別な配慮が必要な本件において、子の状況に配慮した交流の実施が難しい
直接の面会交流の実施は子の利益に反する恐れがあると認められ、現時点においては、直接の面会交流を実施することが相当とはいえない
しかしながら、子らにとって父は貴重な対人資源であるから、できる限り間接交流を実施し父子交流を保持する必要がある
現在行っている間接交流を継続すべきことを明確にする趣旨で主文の通り定めることとする
なお、母はジュニアパイロットを利用するなどして子らが自ら父を訪れることができるようになれば直接の交流が実施できると述べていおり
他の方法を含む何らかの方法により面会交流が早期に実現することは子らも望んでおり、基本的に子の利益に適うものである
性質上主文に掲げることはしないが、母は直接交流実現に向け、子らの成長に合わせて、引き続き公共交通機関への慣れの醸成に努めるべきである
父も子ら及び母の置かれた状況に理解を示し、良好な父子関係を維持し発展させていくことを通じて面会交流が可能となる時機を把握することが望まれる
以上
青字にしたのは、相手の落ち度だと感じたところです
もしも相手が発達特性に理解を示し、
それが「妻のせい」だなんて言わず協力態勢を築くことを表明していたら
この結果にならなかったかもしれません
それができる相手ならそもそもこんな泥仕合になっていないと思いますが…
裁判官が現状をよく理解してくださったことに心から感謝します