世田谷の蘆花恒春園に行ってまいりました。
徳富蘆花の邸だったところです。
明治時代独特の茅葺屋根の家、趣がありました。
五右衛門風呂 板敷きの廊下・・・
冬紅葉が鮮やかでした。
徳富蘆花の「不如帰」から
さと顔打ちあかめて、ランプの光まぶしげに、目をそらしたる、帯には蒼きまで白き顔色の、今ぼうっと桜色ににおいて、艶々とした丸髷さながら鏡と照りつ。浪に千鳥の裾模様、黒襲に白茶七糸の丸帯、碧玉を刻みし勿忘草の襟どめ、(このたび武男が米国より持て来たりしなり)四分の羞六分の笑を含みて、嫣然として燈光のうちに立つ姿を、わが妻ながらいみじと武男は思えるなり。
美しき文章でありますね。