ALSの医師 太田守武先生の 赤裸々なるお話です。 | 花やっこ

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ALSの医師 太田守武先生の 赤裸々なるお話です。
胸震える 想いをいたしました。
車椅子で 全国を講演して動いておられます
支援するヘルパーさんたちにも 頭が下がります
美しく いい世界です
命の世界です
拡散をご希望です

 

 

太田 守武

 

ALSなどの神経難病や治療困難な病気の皆様へ

皆様、いつもご支援ありがとうございます。
術後の経過も経口摂取も順調です。つるっと入るもの探しを楽しんでます。

さて、今日は重要な話をさせて頂きます。

私はよく、この体で活動するのはすごいとか精神的に強いとコメントを頂きますが、決してそんなことはありません。弱き人間です。

心のケアシンポジウムと東北被災地ボランティアツアーの2ヶ月ほど前より、責任感から企画作りにのめり込み、夜中もパソコンに向かうなど、無理をするようになりました。
周囲の方々の心配の声やNPOの仲間の助言に耳を傾けることなく、突っ走りました。
私の言うことに不服申し立てをしようものなら、ついてきたくないならついてこなくていい、と突っぱね、みんなで話し合おうと言われれば、貝のごとく口を閉ざしました。
そういった状況が続くにつれて、どんどん孤立していき、自分の作ったサークルかぼすの会からの離脱、NPOの解散宣言へと暴走し続けました。
にもかかわらず、NPOの仲間たちは仕事で疲れていても毎晩遅くまでシンポジウムや東北被災地ボランティアツアーの準備に尽力してくれました。
ツアーが始まると、仲間たちは笑顔で各役割を果たしてくれました。
彼らが文句一つ言わずに全力投球で頑張る姿を目の当たりにして、私は恥ずかしさと悔しさで打ちのめされました。
本気で笑うことすら出来ず、申し訳ない気持ちを抱えたままのスタートとなりました。

実はその数日前、夜勤のヘルパーさんから「太田宅に来ると胃が痛くなる。出来れば来たくない」と言われ、絶望のどん底にいました。私が夜中までパソコン作業をしていたため、仮眠も取れず体調管理ができないとのことでした。本当に申し訳ないことをしてしまいました。
同時期、大分のかぼすの会OGから励ましのLINEをもらっていましたが、人のために頑張っても身近なヘルパーさんにすら迷惑にしか思われないことから「死にたい」としか答えられませんでした。正直手術を受けるかすら迷うほど追い込まれていました。

私はそんな迷走状態の中、東北へと向かいました。例え私に何かあったとしても、被災地支援として心のケアを主とするボランティアを確立しておきたい一念からでした。
しかしながら現地では、毎日新聞社の記者さんや南三陸ホテル観洋の女将阿部憲子さん、伊藤さんが歓迎して下さり、心がスッと軽くなりました。

ツアー初日の夜、私は居ても立っても居られずNPOメンバーを集め、それまでの悪態を謝りました。
すると、皆ベッドサイドで泣き崩れました。
「太田さんが本気で言っているとは思えなかった」「病気がそうさせていると分かっていても辛かった」「でも何としても東北に連れて行かなければならないと思った」
皆思い思いに涙しながら語ってくれました。
ALSの孤立感、疎外感も理解してくれていました。
朝日が上るまでいっぱい泣いたり笑ったりしながら話し合えました。チーム太田が復活した瞬間でした。
私はこの時初めて「死にたい」と思った理由が分かりました。
生きるために喉頭全摘術を選んだけれど、声帯を失うことで二度と声を出せなくなること。人のためにと頑張っていても、ヘルパーさんに来たくないと言われてしまったこと。
これらを受け入れられず、不安や怒りにより、生きる意味を見失っていたからでした。
しかし私には妻や仲間がいてくれました。そして、支援してくれるたくさんの方々がいて下さいます。
おかげさまでツアーのボランティアでは完全復活でき、全力投球できましたし、手術も自ら進んで受けることができました。
今は感謝の気持ちでいっぱいです。

ALSなどの神経難病や治療困難な病気の皆様、ご家族の皆様、私同様に絶望に打ちひしがれることがあると思います。
当事者でなければ、病気の不安や恐怖、怒りの気持ちは分からないでしょう。
しかしそういった絶望感や孤独感から、周囲の方々との繋がりを断ち切らないでください。
何でもぶつけられる信頼できる人に助けを求められる体制を作ってください。
傍にそういった方がいなければ、私にご相談下さい。必ずお力になります。

ご家族や医療福祉従事者の皆さん、どうか当事者の方々の心の内をしっかりと受け止めてください。
言動がすべてではありません。自暴自棄になって意に反する言葉を発することもあるはずです。
安易に、本人がそう言うなら、と決めつけないで下さい。

また、ALSなどの神経難病や治療困難な病気の皆様は、とかくわがままで気難しいと評されがちです。
ご家族や医療福祉従事者の皆さん、どうかそう取るのではなく、当事者の心の苦悩に目を向けて下さい。
ご本人は苦しんでいることが多いです。でもそれを表せないのが日本人の特性でもあります。
それをご理解の上、ご本人様に寄り添う方法を諦めることなく模索し続けて下さい。
私たちが開発した「Wアイクロストーク」も、コミュニケーションを図る上で大いに役に立ちます。

私は弱き人間ですが、手助けして下さる皆様への感謝を忘れることなく活動し続けていきます。

共に前を向いて歩んでいきましょう。

この記事を読んで下さった皆様、拡散のご協力をお願い致します。

太田守武