虹の約束♪ -25ページ目

虹の約束♪

「いつも喜んでいなさい・・・」

 

誰からも必要とされず、何も求められない人生は二度と生きたくない。

確かにここでの生活は決して楽ではない。

 

生と死が常に隣り合わせに存在している。

娯楽もなければおしゃれもできない。

 

生きたいのか訊かれれば、正直今でも、「別に」と答えるだろう。

では何が変わったのかと訊かれれば、それにも「別に」と答えるだろう・

 

でもそんな自分を変えたいと思い始めてはいた。

 

やはりそれはラーモセが自分を必要としてくれているからだった。

それにエセやサブ、みんな同年代だというのに独りで逞しく生きていた。

 

あまりにも甘ったれてわがままな自分が恥ずかしい。

弱い自分は嫌だった。

 

とにかくもっと強くなりたい、そう自分に念じ言い聞かせた。

 

 

 

「パピルスの詩」より

 

 

 

 

 

 

 

※画像おかりしてますm(__)m

 

 

 

 

 

 

 

アルは今まで誰ともきちんと向き合って付き合ったことがなかった。

 

学校でも親しい友人はいなかった。

 

小学校の頃はよくいじめられた。

 

芸能人の子供ということで妬まれた。

 

中学、高校に入っても有名人の子であることに変わりなく、

教師さえどこかよそよそしく、周りもまるで腫れ物に触るような扱いだ。

 

媚びを売る者や陰口を叩く者はいても、本当の自分を見てくれる者はいなかった。

 

家庭はとうに崩壊しているにもかかわらず、仲の良い幸せな家庭を人前で演じなくてはならず、

毎日息が詰まりそうだった。

 

ラーモセは少し変わってはいたけど自分を必要としてくれた。

 

理由はわからないが、それだけでアルは嬉しかった。

 

 

 

「パピルスの詩」より

 

 

 

 

 

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「俺が負担か?」ラーモセが言った。「何度も言っただろう、お前は何もしなくていい。俺が面倒を見る」

 

「そんなの嫌だよ。生きている意味がない。それじゃ何もできない役立たずじゃない」

 

そんなつもりはなかったのに涙が止まらない。

 

ラーモセは優しくアルの涙を拭う。

 

「お前は役立たずじゃない。うん?

俺はこんなふうにしかできないんだ。他の方法がわからない。

でもお前は大事なんだ。だからどこにも行くな。

もう死ぬなんて言うな。わかった?俺が絶対守ってやる」

 

アルは気持ちがラーモセに寄りかかりたくなるのを必死に堪えた。

 

他人に頼るばかりの、こんな弱いままでは嫌だった。

 

ここで、新しく生まれ変わりたかったのかもしれない。

 

「守られるんじゃなくて、一緒に頑張りたい。私だってラーモセの役に立ちたい」

 

 

 

 

「パピルスの詩」より

 

 

 

 

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「ラーモセは他人に関心がないのではなく、人を傷付けたくないって思っているのよ。

 

本人が気付いているかはわからないけど。本当は優しいの。

 

でも自分の感情を上手に表に出すことができない。

 

九歳の頃から一緒にいる私たちでさえそうなの。

 

小さい頃なんかもっとひどく一言も口を利かなかったわ」

 

 

 

 

「パピルスの詩」より

 

 

 

 

 

※画像おかりしてますm(__)m

 

 

 

 

 

 

 

 

エセは気の利く優しい子らしい。

 

ナイル川は今日も雄大だ。

 

何があっても動じることなく慌てない。

 

想像を超えて偉大だった。

 

相変わらず川下から風が吹いていた。

 

ここでは緩やかに時が流れているようだった。

 

 

「パピルスの詩」より

 

 

 

 

 

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