お父さんの仕事はかっこいい

 

先週末、お寺が主催のロックフェスにスタッフとして参加した。参加者の多くを占める檀家さんの平均年齢はまあまあ高く、悪天候の場合が心配される野外の会場だったが、イベントは大盛り上がり。天候も良く、大成功だった。

 

出演は、妻の追悼コンサート「いのちのうた」のレギュラー陣であるロックミュージシャンたち。アンコールでは、会場の全員が拳を突き上げジャンプした。

 

 

いつものことだが、プロフェッショナルたちの演奏、振る舞いに終始、感動させられっぱなしだった。加えて、打ち上げ会場でも筋書きのないドラマに出くわした。

 

主催は、北九州市若松区の浄土宗「常福寺」。住職堀田顕英さんの次男で、中学2年の瑛空(えいく)は、父親に買ってもらったアコースティックギターを打ち上げ会場に持ち込んだ。ロック歌手の三宅伸治さんをはじめ、出演者の皆さんが、瑛空にコードの押さえ方を教え、ギターにサインをしてくれた。最後は、三宅さんのギター演奏で「デイ・ドリーム・ビリーバー」を全員で大合唱。瑛空は三宅さんの隣で正座をしたまま、一緒に歌った。

 

コンサートの趣旨は「この世を生きる私たちが全力で日常を楽しむ。それが亡くなった身近な人たちへの供養になる」(住職)。今回は、檀家さんや地域の子どもたちに向けて開催された音楽イベントだったが、僕には瑛空の幸せそうな笑顔が一番印象に残った。

 

「お父さん(住職)の仕事はかっこいい」。きっと、瑛空は、そう思ったに違いない。本来の開催趣旨と多少違う反応があったとしても、それは、それでいいと思う。子どもの幸せは、地域の幸せ。僕もスタッフの1人として、コンサートにかかわることができて幸せである。