寄せられた300通のメッセージ

 

朝から、東京で撮影した写真を見ながら、うるうるしている。

はなとねすた、僕の3人が「雷門」の前で笑っている写真だ。

 

 

幸せを感じる時間。

ずっと、写真を見ていられる。

 

ここは、23年前、亡き妻千恵と2人で立っていた場所。

 

 

まさか、娘と娘の彼氏と3人で「雷門」を訪れることになろうとは。

人生、山あり谷あり。

なんとかここまで生きてきた。

奇跡としか言いようがない。

 

 

 

 

ただ、ひとつ残念なのは、写真に千恵の姿がないこと。

4人一緒だったら、どんなに楽しかっただろうか。

うれしさ半分、寂しさ半分。

 

あかん。考えたら、あかん。

それを考えると、涙の質が変わってしまう。

 

今度ばかりは、泣かんどこう。

そう誓っていたのだが、やっぱり、両国国技館でも泣いてしまった。

もうだめだ。還暦間近になって、涙腺が緩みすぎている。

 

ねすたにも、感謝しなければならない。

アルバイトを中断して、東京までついてきてくれた。

現場は、懐かしい人や先日のロケで会った俳優、スタッフたちなので、僕と娘は緊張感ゼロ。だが、ねすたにとっては、まさに“アウェー”。若いとはいえ、肉体的、精神的にも疲れたに違いない。

 

それでも、文句ひとつ言わず、荷物を持って、ずっと、ニコニコしながら僕と娘をサポートしてくれた。ねすたは、中断していたアルバイトを今週から再開。落ち着いたら、とっておきの肉をごちそうしてあげようと思う。

 

 

 

この2日間、僕と娘、亡き妻に約300通のメッセージが寄せられた。

昨晩、ようやく、全員に返信した。

 

ある女性のメッセージが印象に残った。

「安武ファミリーが大好きです」

 

僕は「ファミリー」というワードに元気をもらえる。

「ファミリー」は直訳すると「家族」。

それ以外に「仲間」という意味が込められているようにも感じるからだ。

 

これまで、僕と娘は「仲間」たちに何度も救ってもらった。

妻を亡くし、喪失感に苦しんでいたとき、ネット上で中傷を受けていたとき。

娘が中学校で「いじめ」を受けていたとき。

 

メッセージを寄せてくれた人は、みんな「ファミリー」だ。

僕は勝手にそう考えている。

 

「パパと大倉くんは似ていますね」

すごくうれしいけど、そのコメントはまずい(笑)

「関ジャニ∞」のファンに怒られる。

 

泣いたり、笑ったり、しみじみとした思いに浸ったり。

人との接触を避けたい時期もあったが、

今は人とのふれあいが楽しい。

ようやく、そう思えるようになった。

 

幸せな時間をありがとう。