今まで行った豪邸の中で一番時代が古いのはリーさんとこ。独立戦争以前、植民地時代から貿易で財を成し、初代大統領ジョージワシントンの支援者になったリーさん。
その次に古いのがセブンゲイブルズ。日本だと江戸時代に世界を股に掛けた貿易商たちが建てて住んだ豪邸。
発明家ハモンドさんのお城と、ここクレーンさんのお城はどちらも20世紀初頭に建てられています。(調べたらちょうど鬼滅の刃の時代!でした。)
その頃お城を建てるのが大富豪の間で流行ってたのかもしれませんね。
その流行がこうやって後世に偉大な文化遺産を残してくれたんだからよかったよかった。
クレーン家はシカゴの実業家。
階段の踊り場の先代が金属業で成功し、この城を建てた二代目がバスルームのパイプ、配管業で大企業に成長したのだそうです。
(アメリカはトイレ、洗面所、お風呂は一つの部屋。)
先に書いたようにクレーン家本邸はシカゴ。ここは避暑用の別荘。…なんて規模じゃないんですけどね!
しかしこの城部分は1924年完成なのに、1929年の世界大恐慌のあおりをもろに受けて手放されたのだそうです。たった5年で!?
その後家具や調度品は売り払われたけれど、20世紀の末に財団が設立され、コツコツと買い戻されて今半分くらい戻ってきたって言うてはったかな。
また見学に行って協力しないといけませんね。
で、二階の主家住居及び客室部分ですが。
とにかく部屋数が多すぎて、どれが何だったか分かりません。本当にホテルみたい。
しかもバスルームの配管会社の社主なので、全部屋凝ったバスルーム完備!
でもホテルと違うのは、各部屋の装飾が全部違って全部いい!なんです。
ほらね。三か所しか写真はないけど、床が全部違うでしょう?
イタリアから取り寄せた大理石を使ったっていうのはどれだったかな。
メイドコスプレのガイドさんの足が見えるでしょう?
トイレの横の足踏みボタンは水を流すためのもの。100年前の初期の水洗トイレはこうだったんですね。
だからこのお城にはオマルは皆無です。暗くて遠いトイレに行く不便さも皆無!
トイレの壁の絵は、ガラス板の裏に描かれたのが透けて見えるもの。この部屋に泊まるお客だけしか見ない個室に、これほど凝った高価な装飾をほどこすなんて、どれだけ贅沢なんでしょうねえ~。
これがホントの湯水のような贅沢?他人事ながら気持ちいいわ~。
100年前のお城ですが、既に電気は通ってました!電話も!
小さなハンディボタンは見えにくいですが、メイドとか執事とか書いてありました。
…発電ってどうしてたんやろ?(またいらんこと考えだしたら止まらない…!)
置時計。レリーフはクレーンさん。壁にかかっているのは時計ではなく、ヨット遊びが趣味のクレーンさんが風向きを知るための風向計。そんなものがあることすら知りませんでした。
ベッドカバーが赤いから、電話と風向計のある部屋の暖炉かな。
これはチャイナがテーマの部屋。…どこがやねん?って思うでしょ?壁紙の模様がそれっぽいんです。ま、100年前ですからねえ。
売却されたという昔のデザインの家具。よくこんなきれいに保存されてましたね。
使用人の人たちが出入りするからかな。ベッドには天蓋とカーテンがついてます。が、ついてない部屋もありました。
こことか。でも柱はあるから買い戻せてないってことかな?そこだけポカンと空虚ですもんね。(あ、最初の赤いベッドは柱も天蓋もないわ!)
ね?全部屋暖房完備。夏の別荘なのに。
これでも全部屋ではないんです。ガイドさんに置いてかれるので写真撮れなかったり、PCに取り込めなかったり。
左の写真は右の写真中央のフェンスのところで撮ったのですが。
この先画面左、樹木下らへんにフラワーガーデンというのがありました。
バーネットの「秘密の花園」みたいじゃありません?
後ろの地形で分かる通り、低い位置+木の陰にあるのでお城からは見えず、離れているので少し歩かないといけない距離です。知らなければ行けない見れない「秘密の花園」でしょ?
これは帰り道、車の中から撮影しました。
この先丘のふもとで、歩いている野生の七面鳥に出会いました。
これも車の中から。
「お見送りありがとう~。また来るわね~。」
この広大な敷地内、大体がきれいに修復保存されていましたが、崩れて立ち入り禁止になってる小さな野外ステージみたいなものもありました。
日本は古い文化財などは、大切に残されていてそれはすごいこと、重要なことだと思います。しかもそんなに高くない入場料で広く一般に公開されていたりしますよね。
だけどアメリカだと寄付を募ったり会員やボランティアを募集したり、どこもとても苦労してるようです。
そっか…、そうですよね。高い知識と技術で作られた昔の物を、修復保存するって大変なことだったんだわ。
「だからアメリカは壊して新しく建て直してしまう。古い文化財が残らないのよ~。」ってどこのガイドさんも言ってました。
大事に残していかないといけませんね。と思いました。