「殺し屋」シリーズの第三弾です。

 

「殺し屋」と言葉だけ聞くと、猟奇的だったり、ハードボイルド系を想像してしまうでしょうが、石持浅海さんの「殺し屋」シリーズは、少々趣が異なります。読んだ印象としては、なぜか日常の謎系なのです。

というのは、確かにターゲットとなる人を、確実に殺します。

ここで登場する殺し屋2人(お互いに面識なし)は、仲介者から依頼を受けて、独自に調査をして、いけそうであれば殺人を請け負います。殺す対象者に感情移入しすぎると情が移ってしまい、殺せなくなるので、あまりそういった部分には干渉しません。。。が、なぜこの人を殺すのか、依頼の意図は、等々いろいろ気になってこの殺し屋の人たちはついつい推理をしてしまうのです。

どうして、この日までに殺さなければならないのかや、どうしてこの場所でなければいけないのか。

それを論理的に探る過程が、日常の謎系なわけです。

あくまでもエンタメ小説なので、殺される人が悲しいとかを思ってはいけません。

ミステリとして、この不可解な謎を推理するのが、また楽しいわけです。

中短編集ですが、サクサク読み進めます。

 

ところで、本筋とは関係ないところで気になったのがいくつか。

登場人物の殺し屋は、男女それぞれなのですが、男性の殺し屋は1件650万円。女性は550万円となっており、少々男女格差を感じてしまいました。

また、仲介者の取り分もあるでしょうから、本文に「650万円払ってこれをするかなあ」

という記述がありますが、実は、仲介者の取り分も含めて依頼者はもう少し高額な費用負担をしているのに、と思ってしまいました。


まあ、そんな細かいことは、別にしても充分に楽しめる作品です。

 

ちなみに本作は上記の通り第三弾ですが、ここまでは特に前作までの作品の続きというよりも、独立した話ばかりなので、本作を最初に読んでも全く問題ないかと思います。