初めての作家さんですが、おすすめされていたので読んでみました。

デビューは2018年なので若い作家さんですね。

 

読み進めていってまずは、率直な感想を。

 

※少々辛辣化もしれませんが、期待しているのでご容赦ください。

最初の50ページ程度を読んでみて、ちょっと失敗したかな。と最初は思いました。

作中作が登場し、多重の解決があるミステリというのは、読む前からわかっていたのです。

しかしそれでも退屈というか、キャラが出ていないし、登場人物に感情移入できない。それに名探偵らしい子も登場するけれども、知念実希人さんの「天久鷹央シリーズ」の天久先生のような傲慢っぽいし、どこかに出てくるキャラを模倣しているようだし、作中作はもっとひどいというか、ただの作文のようだし。。。

 

とここまででは、読まないほうがいいのでは、思ってしまいますが、徐々に人間関係が明かされ、作中作が終わり、補足で資料が提出された段階でだいたい半分。


このあとの解決編からが圧巻です。

ここまで、退屈な(失礼)描写を我慢してきて、それぞれの伏線をどう解釈するかの解決がパズルを解いているようで、断然面白くなってきます。

 

(以降、ネタバレ気味になりますのでご容赦ください)

何が面白いかといえば、ミステリ愛を感じますね。

私が読みながら思ったのが、作中でも触れられていますが、

・黒後家蜘蛛の会

・毒入りチョコレート事件

この2作品を読んでいるかどうかで、楽しさ倍増でしょう。

そう考えると、この作品は、新本格ミステリを今まで楽しんできた人たち、いわゆる中級者に向けた挑戦状のような意気込みを感じてしまいました。

それから、叙述トリックとフェアの精神等々、作中作もミステリの”お約束”をきちんと守るという姿勢もあり。

そして、想像を超える解釈と、最初の読み始めの印象と180度変わってしまった読後感でした。

 

作中でも触れていますが、結局ミステリでの解決は、名探偵が示した解決が、正解ということになりますが、実際は、納得できる解釈というだけであって、実は、別の解決も十分にあるという、ある意味アンチミステリ的要素も含んでいますね。

 

ということで、ミステリとして充分に楽しませてもらいました。