上下巻読了です。

長かった!

カンボジアの革命と虐殺が繰り返される中、そこで生まれ育った天才少年ムイタックと少女ソリヤの視点を中心に壮大なスケールで描かれています。

一応、ちょっと不思議な能力を発揮する人たちもいて、SF的なところもありますが、どちらかというと、カンボジアの混乱の歴史に主眼をおいた、重い内容となっています。

虐殺があり、身近な人も魔女狩りのように次々に拷問され殺されていく描写は、読んでいて胸が苦しくなってしまいます。

そんな中、上記のムイタックとソリヤが出合い、それぞれの立場から国を変えようと模索していきます。

 

という大雑把なあらすじですが、私の感想として。。。

まずは、上巻での虐殺シーンは、もう読んでいて、どうしようもできない落胆を味わわされます。選挙をしようにも賄賂が当たり前で、有権者もどのように投票したらいいかもわからない。この混乱ぶりにもどかしさを感じました。

下巻では、ムイタックが教授となり、ソリヤは政治家となります。

とここまではいいのです。

上巻のどうしようもない状況から、どうやってこの国を良くしていくかを楽しみにしていたのですが、下巻では、大きく舵を切り、誤解を恐れずにいえば、少々息切れ感を感じてしまいました。決して面白くなかったというわけではありません。

ただ、国という大きな舞台を変えようとしている中で、いつのまにか個人の闘いになってしまっている印象になっていました。

ラストは、途中からある程度想像できた通りで、感動というよりもこれしか落としどころがないだろうなという着地でした。

あと、日本人のボランティアが登場し、若いソリアと仕事を一緒にするというエピソードがあります。

これが、もう少し、物語の最後の方で、重要なことにつながるかと期待したのですが、それっきりとなりちょっと残念でした。

せっかく日本人が関わってきたので、もう少しいい場面で再登場して欲しかったです。

 

上記の通り、私としては失速感も感じる下巻でしたが、それでもカンボジアの歴史を改めて学ぶことができましたし、濃密な読書体験でした。