美談は心臓に良い | 健康は みんなのもの ~皮膚科医のブログ~

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◆ハラハラ派? ほっこり派?

テレビで、「世界の驚き映像」なる番組が定期的に放映されています。

 かわいい動物のお茶目な映像
 思わぬ事故で、危機一髪で命拾いした映像
 コンビニ強盗を、女性店員が捕まえた映像


どんな映像が好みですか。
大きく分けると、「ハラハラドキドキ映像」と、

「ほっこり映像」に分けられるのではないでしょうか。

健康で長生きを目指すには、「ハラハラドキドキ」のショッキングな映像は早送りして、

「ほっこり映像」だけ見ることをお勧めします。

◆オキシトシンは心臓を守る

脳下垂体から分泌されるオキシトシンというホルモンには、

動脈の内壁にある細胞を柔らかくする働きがあります。
その結果、動脈の弾力性は増し、血流が良くなり、血圧も下がります。
心筋梗塞など心臓病の予防になります。

オキシトシンを増やす方法の一つが、

「親切など、道徳的に美しい行為を見て感動する」ことです。

 かわいい動物の動画
 人が助け合っている映像


これらを見ることによって、オキシトシンが分泌されます。

過激な映像は「心臓に悪い」と言いますが、逆も成り立ちます。

人間的に立派な映像は「心臓に良い」のです。

◆感動するニュースを見よう

社会的心理学者のジョナサン・ハイトの研究があります。
授乳中の女性を2つのグループに分け、

一方には親切の場面があり感動するビデオを見せ、

もう一方には楽しいコメディ映像を見せました。


結果、道徳的で感動するビデオを見せたグループでは、

子どもに授乳したり抱きしめたりする割合が高いことが分かりました。
そのようになさしめたのがオキシトシンです。

世の中、暗いニュースばかりです。

 火事で何人が亡くなった。
 特殊詐欺の被害が増えた。
 子どもが親を殺した。


目を覆いたくなるようなニュースは見ない方が健康的です。

美談、心温まるニュース、道徳的で感動する話を聞いて、

オキシトシンを増やしましょう。

参考文献
1)デイビッド・ハミルトン:『親切は脳に効く』,サンマーク出版,2018