脳呼吸を整える:手上げ法 | 健康は みんなのもの ~皮膚科医のブログ~

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◆第3の医学

医学を学び始めてうん十年が経ちましたが、その多くは現代医学です。
現代医学とは、ヨーロッパを発祥とし、

アメリカを中心にけん引されてきた医学です。

その後、「漢方」をかじるようになりました。
「漢方」とは、中国が発祥ですが、日本に伝来し、独自の発展を遂げてきました。
漢方薬を中心とした健康に対するあり方の医学です。

それで病気という苦しみが解決したかと言えば、とてもとても。
「四方八方眺むれど、ただ愁嘆の声のみぞ聞く」です。

それらを解決すべく、いろんな医学を学びたいと思っています。
今回は宮野博隆氏の提唱する「脳呼吸」を取り上げます。


◆脳呼吸とは

脳の奥の脳室で作られた脳脊髄液は、脊髄を通って、全身の神経に流れています。
頭がわずかにふくらんだり縮んだりすることによって、脳脊髄液は全身に運ばれます。
これが「脳呼吸」です。

測定器を使うと、頭が大きくなったり、小さくなったりが計測されますが、

敏感な人は、両手で頭をかかえているだけで分かるそうです。

脳脊髄液の流れが悪くなると、うつ病などの精神の病をはじめ、

頭痛、肩こりなど、体の体調不良が現れます。
どうすれば、脳脊髄液の流れが良くなるのでしょうか。

◆手上げ法

脳脊髄液の流れをスムーズにする「手上げ法」を紹介します。

・仰向けに寝て行います
・左腕を上げて耳につけて15秒保持します
・このとき、肘が曲がってもいいですが、耳から離さないようにします
・右腕も同様にします
・左右10回ずつやりましょう

 



これによって生命力が瞬時にアップすると言われています。
なぜ、手を上げることによって脳脊髄液の流れが良くなるのでしょうか。


◆脳脊髄液が流れるメカニズム

体はいつくかの膜によって覆われています。
内臓は一つ一つが膜によって包まれています。
いくつかの内臓をまとめて包む大きな膜があります。
そして、最後、体全体を覆う深筋膜という膜があります。

腕を上げることによって深筋膜が引っ張られ、頭も引っ張られます。
それにより、左手を上げたとき、左の頭が大きくなり、右の頭は小さくなります。
大きくなった頭は血液を呼び込んで、脳に栄養と酸素を与え、脳脊髄液を作ります。
小さくなった頭は脳脊髄液を体に流します。

99%の人は左の頭が小さいため、

左手を上げるだけでも効果があると言われています。

一度試してみてはどうでしょうか。

参考文献
1)宮野博隆:『「脳の呼吸」を整えればあなたの全身はよみがえる!』,現代書林,2016
2)宮野博隆:『「脳呼吸」が整えばうつは改善する』,幻冬舎,2021