◆精神的ストレスと体のストレス
「あなたの病気の原因はストレスです」
病院で医者から言われがちなセリフです。
実際、多くの病気や、病気まではいかなくても、
体調不良にはストレスが関与しているでしょう。
そのストレスとは、「精神的ストレス」ではなく「体のストレス」が大半です。
「体のストレス」とは、睡眠不足、働きすぎ、スマホやゲームのし過ぎなどによる脳疲労です。
脳には大脳と脳幹があります。
大脳は、物事を考えたり、手足を動かしたり、五感など感覚を支配しています。
脳幹は、呼吸や体温調節、免疫、など、
「生きる」ことに必要な機能をコントロールしています。
「精神的ストレス」は大脳のストレスです。
大脳にストレスがかかっても、「生きる」ことにはあまり影響ありません。
「体のストレス」とは、脳幹のストレスであり、脳幹が疲れると生命力が低下します。
つまり、「精神的ストレス」よりも、「体のストレス」の方が怖いと言えます。
◆脳が疲れると脳脊髄液の流れが悪くなる
脳室で作られた脳脊髄液は、脳呼吸によって全身に運ばれています。
これを「脳呼吸」と言います。
睡眠不足、働きすぎ、スマホやゲームのし過ぎなどによって脳が疲れると、
脳脊髄液の流れが悪くなります。
それにより、頭痛、肩こり、めまい、頭が重い、なんとなく体調が悪い
などの症状が現れると言われています。
どうすれば、脳脊髄液の流れが良くなるのでしょうか。
◆かかと上げ法
今回は、「かかと上げ法」を紹介いたします。
・イスに座って行います。
・ゆっくりと右足のかかとを1cmほど上げて15秒間維持します。
・右のかかとを下ろして15秒ほど休みます。
・これを10回繰り返します。
・左足はやる必要はありません。
1cm以上上げると、効果がありません。
全身の力を抜いて行うのがコツです。
なぜ、これだけのことで、脳脊髄液の流れが良くなるのでしょうか。
右のかかとを上げると、重心がわずかに左のお尻にかかります。
その影響が左の頭の骨にかかり、左の頭がわずかに大きくなります。
生まれつき左の頭が小さい人がほとんどですから、
左の頭が膨らみ、脳脊髄液の流れが良くなるという仕組みです。
「論より証拠」で、やってみましょう。
「脳呼吸」は、わずかな力による呼吸です。
かかとを上げるときのわずかな力が、頭に伝わるのです。
そのためには、脱力してリラックスして行う必要があります。
参考文献
1)宮野博隆:『「脳の呼吸」を整えればあなたの全身はよみがえる!』,現代書林,2016
2)宮野博隆:『「脳呼吸」が整えばうつは改善する』,幻冬舎,2021