谷瑞恵 KADOKAWA 2019年3月

 

 





靭公園にある『ピクニック・バスケット』は、開店して三年を迎える手作りサンドイッチの専門店。蕗子が、姉の笹子―笹ちゃんのこの店を手伝いはじめて、半年になる。笹ちゃんは店を訪れた人たちの、具材への思いや記憶、そして物語をやさしくパンにはさんで、誰が食べてもなつかしいような新しいような、そんなサンドイッチをつくっているのだ…。おっとりした姉としっかり者の妹、店を訪れる個性的な人々―常連客の小野寺さんやパン職人の川端さん―が織りなす、優しくも愛おしい物語。


「語らいサンドイッチ」

の方を先に読んでしまったが、この作品が最初。

タマゴサンドが大きらい
タマゴサンドが捨てられていた。

タマゴは、日常的に食べるものだから、家の味がある。
女性ふたり、中学の時のわだかまりが解けてよかった。


ハムキャベツの隠し味
女子高生は、亡くなった母が作るハムキャベツの味が忘れられない。
父の交際相手が作った料理を受け入れられない。


待ち人来たりて
川端くんの大叔母の徹子さんは、タバコ屋をしていたが、そこを笹ちゃんに貸し、
笹ちゃんは、サンドイッチの店を開いた。
その徹子さんは、今、入院中だが、
入院することを、クイーンエリザベス号に乗ると言う。

お見舞いに行くのも、クイーンエリザベス号に乗っているという設定で話をする。
その心遣いが、素敵だ。

はんぶんこ
いつもコロッケサンドを頼む小野寺さん。
彼は、コロッケが好きというより、復讐で食べているという。

小野寺さんと父親。以前何があったのか?

おそろいの黄色いリボン
蕗子は、笹子が昔作ってくれた黄色いカレーが食べたいと言うと、
笹子は、おそろいの黄色いリボンのことを思い出したら作ってくれると言う。

血のつながりはないが、笹子と蕗子は、いい姉妹だと思う。


サンドイッチは、ふだんの味が、ちょっとよそ行きになる。>
笹子が作る、人に寄り添っているサンドイッチがすばらしい。

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