活版印刷三日月堂 海からの手紙
ほしおさなえ ポプラ文庫 2017年2月
小さな活版印刷所「三日月堂」には、今日も悩みを抱えたお客がやってくる。店主の弓子が活字を拾い、丁寧に刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった想い…。活字と言葉の温かみに、優しい涙が流れる、大好評シリーズ第二弾!
「ちょうちょうの朗読会」「あわゆきのあと」「海からの手紙」「我らの西部劇」からなる短編集。
一つの話が終わるのでなく、次へとつながっていく。人のつながりを感じた作品でもある。
「ちょうちょうの朗読会」
図書館司書をしている小穂は人と接するのが苦手で、朗読の講座に参加していた。
行使の提案で、同じ口座を受講していた三咲、遥海、愛菜と一緒に4人で朗読会を行うことになる。朗読会を開くにあたり、4人で話し合い、練習し・・・・・・・
小穂たちは一つひとつ問題を解決していくうちに、次第に自信を取り戻していく。
朗読することになった作品「車のいろは空のいろ」が気になった。
読んでみたい。
「あわゆきのあと」
涙が止まらなかった。
どうしても忘れられない思いというものはある。
忘れてしまうのではなく、その思いを抱いたまま、それでも人生を生きていくしかない。
ファースト名刺を作ろうと思った広太。広太にいいことしたね。と言ってあげたい。
「海からの手紙」
今泉さんにしても、昌代にしても、過去にいろいろあった。
それでも、一歩、前に進もうとしているところがよかった。
版画作家の昌代と活版印刷の弓子のコラボ。
素敵な豆本だろうな、
「我らの西部劇」
何年も眠っていたものが動き出す。
ずっと、残っていたなんて、すごいなあ。
言葉の持つ優しさが浮き上がってくる感じがする。
どれも優しい気持ちになる素敵な話だった。
お気に入り度★★★★★