少女七竈と七人の可愛そうな大人
桜庭一樹 角川書店 2006年6月
- 少女七竈と七人の可愛そうな大人/桜庭 一樹
- ¥1,470
- Amazon.co.jp
- 少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)/桜庭 一樹
- ¥540
- Amazon.co.jp
辻斬りのように男遊びをしたいと、7人の男と関係を持った川村優奈。そして生まれた川村七竈。美しく生まれた七竈は、17歳となる。旭川のこの地方では、いんらんの娘のため、肩身が狭く、その美しさゆえに、男たちは、じろじろと眺めまわす。七竈は、鉄道が好きで、幼なじみの美少年桂雪風と鉄道模型で遊んだ・・・・・
桜庭一樹の赤朽葉家の伝説 が、おもしろかったので、さかのぼって読んでみた。これも、インパクトのあるお話だ。七竈という名前からして変わっているが、七竈の木からつけられた名前の由来もすごい。
美しすぎるというのも、一種の障害。美しすぎるゆえの苦痛がある。それに、いんらんの母から生まれたための苦痛。母親から見放されているからの苦痛等、七竈には、いろんな悩みがあったようだ。
そんな七竈は、雪風と過ごしている時間が心休まる。鉄道模型で遊んでいる時「七竈」「雪風」「七竈」雪風」って何度も呼び合っているのが、一番気持ちが和らいだんだろうな。
また、緒方みすずという後輩。最初は、雪風が好きで仲のよい七竈に声をかけたわけだが、この後輩とのかかわりがいい。それにしても、「先輩」は普通としても、「後輩」って呼ぶ、呼び方がおかしかった。
七竈だけでなく、雪風の母親の視点や、犬のビショップの視点でも書かれていて、まわりの人たちの感じ方や生き方がわかる。最初、優奈という、とんでもない親がでてきて、どんな話なのかと思ったけれど、優奈自身にも深い悲しみがあったことを知った。これは、青春時代を経て大人になる過程や、大人になってからの痛みを描いた純粋な小説だと思う。
七竈は、親を許せるのかな?
古風な文体で言い回しが変わっていて、独特の世界。この世界に酔いしれた。
お気に入り度★★★★