九十歳。何がめでたい

 

佐藤愛子 2016年8月

 

全国書店でベストセラーランキング1位続出の2016年最大の話題作!
各界の著名人も笑って泣いて大絶賛!
清々しい読後感に、心がスカッと晴れて元気が出ます!

 

 

 

自分の体の次々に起こる故障や失敗談を面白おかしく書かれていて、大いに笑った。

 

 

そして、世の中で起きている出来事について、語っている。怒っている。

 

これだけ、はっきりと、ものが言えたら、気持ちいい。

 

特に心に残ったのは、”子供のキモチは”

その通りだと思う。今の世の中、どこか、ずれている。

<損得より寛容な心を持つ人間が増えさえすれば起る問題ではない>

 

 

若い世代に活をいれているようで、元気の出る本だ。

 

 

 

お気に入り度★★★★★

 

dele ディーリー

 

本多孝好 角川書店 2017年6月

 

 

 

dele ディーリー dele ディーリー
1,728円
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dele (角川文庫) dele (角川文庫)
691円
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『dele.LIFE』の仕事は、誰かが死んだときに始まる。死後、誰にも見られたくないデータを、その人に代わってデジタルデバイスから削除する―それが、この会社の仕事だ。新入りの真柴祐太郎が足を使って裏を取り、所長の坂上圭司がデータを削除する。淡々と依頼を遂行する圭司のスタンスに対し、祐太郎はどこか疑問を感じていた。詐欺の証拠、異性の写真、隠し金―。依頼人の秘密のファイルを覗いてしまった二人は、次々と事件に巻き込まれる。この世を去る者が消したかった“記録”と、遺された者が抱く“記憶”。秘められた謎と真相、そして込められた想いとは。“生”と“死”、“記憶”と“記録”をめぐる連作ミステリ。

 

 

 

 

死後、依頼に従って、データを消す仕事。

 

依頼にも、いろいろな事情があり、そのわけが、徐々に明らかになっていく様を読んでいくのは、おもしろい。

 

所長の坂上圭司は、依頼を受けた限り、実行しようとする。

新入りの真柴祐太郎は、なぜ、データを削除する必要があるのかとそのわけを知りたがる。

 

相反しているようで、お互いを認めているような二人の関係がよい。

 

 

遺された者への思いが胸を打つ。

子どもを思う母親の気持ちが切なかった。

 

 

お気に入り度★★★★★

ホワイトラビット

 

伊坂幸太郎 新潮社 2017年9月

 

 

ホワイトラビット ホワイトラビット
1,512円
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楽しさを追求したら、こういう小説になりました。最新書き下ろし長編は、予測不能の籠城ミステリーです! 仙台の住宅街で発生した人質立てこもり事件。SITが出動するも、逃亡不可能な状況下、予想外の要求が炸裂する。息子への、妻への、娘への、オリオン座への(?)愛が交錯し、事態は思わぬ方向に転がっていく――。

 

 

 

伊坂ワールド全開?!

 

黒澤の登場もあり、わくわく!

 

誘拐事件で、緊迫しているのに、語り口が軽快で、笑ってしまいそうになる。

 

場所や時間が、入り混じって、どうなっているのか、把握するのが大変だったが、それだけに面白かった。

 

お気に入り度★★★★★

ままならないから私とあなた

 

朝井リョウ 文芸春秋2016年4月

 

友人の結婚式で出会った彼女は、他の場所では全く違うプロフィールを名乗っていた―「レンタル世界」。高校時代から発明家として脚光を浴びてきた薫。しかし、薫をずっと近くで見ていた雪子は、彼女があまりに効率を重んじることに疑問を感じる―「ままならないから私とあなた」

 

 

 

 

「レンタル世界」

結婚式の列席者をレンタル?

そんなことまでして、式を挙げなくてもいいのにと思うけど、体裁を気にしなければならない事情もある?

 

なにもかもわかっている学生時代からの友人。

それでも、言えないことはある。

いや、昔を知っているからこそ、見栄を張りたいことがあるのだろう?

 

レンタルも、ここまできたか!

思わぬ話の展開があった。

 

 

 

「ままならないから私とあなた」

成長するに従って、無駄なことを次々と切り捨ててく薫。
無駄なものにこそ、人のあたたかみが宿ると考える雪子。

 

効率よくすることが重要で、無駄なことは、重要ではないのか?

 

 

 

ある器具を使って、みんながみんな、同じように演奏できたとしたら・・・・・・

それは、素晴らしいことに違いないが、

個性がなくなってしまって、味気ない世界に感じる。

 

 

 

薫の考えは極端論で、私は雪子の考えに同調するけれど、

技術の進歩は必要なことであり、それをどのように活用するのかが問題なのでは?

どのように折り合いをつけていくのかが、課題なのだろう。

 

雪子は、薫に自分の気持ちをぶつけることができてよかったと思うが・・・・・・・

ここで終わり???

 

お気に入り度★★★★

さらさら流る

 

 柚木麻子 双葉社 2017年8月

 

さらさら流る さらさら流る
1,512円
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あの人の内部には、淀んだ流れがあった―。28歳の井出菫は、かつて恋人に撮影を許したヌード写真が、ネットにアップされていることを偶然発見する。その恋人、垂井光成は菫の家族や仲間の前では見せないが、どこか不安定な危うさを秘めており、ついていけなくなった菫から別れを告げた。しかし、なぜ6年も前の写真が出回るのか。苦しみの中、菫は光晴との付き合いを思い起こす。初めて意識したのは、二人して渋谷から暗渠を辿って帰った夜だった…。菫の懊悩と不安をすくいとりながら、逆境に立ち向かうしなやかな姿に眼差しを注ぐ、清々しい余韻の会心作。

 

 

<かつて恋人に撮影を許したヌード写真が、ネットにアップ>・・・・・・

男性の嗜好のための商品のように扱う・・・・許せない行為。

こういうことをされた女性の気持ちなんて考えたことがないのだろうか?

 

菫と光晴、それぞれの立場で描かれているので、それぞれの気持ちがわかる。

 

家庭環境の違いによる恋人同士の心のすれ違い・・・・

 

 

光晴は、菫のことが忘れられなくて、菫の写真を残しているが、他の人に見せるのは、もってのほか。

酒を飲むと、自分の行為を覚えていない。そこまで飲むな と言いたい。

 

菫は、友達の百合に相談できたこと。よかったと思う。

百合は親身になってくれた。行動力がありいいアドバイスをしてくれた。

いい友達だ。

 

暖かい家族にも恵まれ、菫が、前向きに生きていこうとする姿を応援したい気持ちになった。

 

 

 

 

お気に入り度★★★★

本「望み」

テーマ:

 望み

 

雫井脩介 角川書店 2016年9月

 

 

望み 望み
1,528円
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東京のベッドタウンに住み、建築デザインの仕事をしている石川一登と校正者の妻・貴代美。二人は、高一の息子・規士と中三の娘・雅と共に、家族四人平和に暮らしていた。規士が高校生になって初めての夏休み。友人も増え、無断外泊も度々するようになったが、二人は特別な注意を払っていなかった。そんな夏休みが明けた9月のある週末。規士が2日経っても家に帰ってこず、連絡する途絶えてしまった。心配していた矢先、息子の友人が複数人に殺害されたニュースを見て、二人は胸騒ぎを覚える。行方不明は三人。そのうち犯人だと見られる逃走中の少年は二人。息子は犯人なのか、それとも…。息子の無実を望む一登と、犯人であっても生きていて欲しいと望む貴代美。揺れ動く父と母の思い―。

 

 

息子の安否も、犯人なのかもわからない。

これから先、どうなるのか?

仕事への影響は?娘の進路は?

この状況の中にいる両親の思いが、詳細に描かれ、手に取るようにわかった。

わあ、親として、つらい・・・・・

わからない状態というのは不安だらけだろう。

これから、どんな覚悟が必要なのか?

 

 

私には、母の貴代美の加害者であっても、生きていてほしいという願いは、身勝手な気がした・・・・・

 

かといって、父の一登が、全面で、規士を信じているわけでもなさそうで・・・・・

 

私としては、誰が何と言おうと、自分の子どものことを信じている親でありたいと思うのだが・・・・・

 

どちらにせよ、加害者であれ、被害者であれ、事件に巻き込まれた家族は不幸だということは確かだ。

 

お気に入り度★★★★

本「銀河鉄道の父」

テーマ:

銀河鉄道の父

 

門井慶喜 講談社 2017年9

 

 

明治29年(1896年)、岩手県花巻に生まれた宮沢賢治は、昭和8年(1933年)に亡くなるまで、主に東京と花巻を行き来しながら多数の詩や童話を創作した。
賢治の生家は祖父の代から富裕な質屋であり、長男である彼は本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は学問の道を進み、後には教師や技師として地元に貢献しながら、創作に情熱を注ぎ続けた。
地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、このユニークな息子をいかに育て上げたのか。
父の信念とは異なる信仰への目覚めや最愛の妹トシとの死別など、決して長くはないが紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の視点から描く、気鋭作家の意欲作。

 

 

 

宮沢賢治を父・政次郎の視点で描くというのが、新しいと思う。

 

 

病気の息子を自分が病気をうつることもいとわず、寝る間も惜しんで看病する。

質屋という稼業も継がせたいが、息子の行きたい道にも進ませたいと思う父。

 

息子に対する父親の行き過ぎともいえる愛情。

そんな愛情を受けて、賢治はどのような道に進んだのか。

 

いろいろな岐路に立った時の様子が、よくわかる。

賢治の意外な一面を知ることができたように思う。

 

政次郎は、賢治だけでなく、他の子どもや妻に対しても、よても愛情深い人だと思った。

 

 

 

 

お気に入り度★★★★★

キラキラ共和国

小川糸 幻冬舎  2016年4月 

 

 

 

キラキラ共和国 キラキラ共和国
1,200円
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ツバキ文具店は、今日も大繁盛です。夫からの詫び状、憧れの文豪からの葉書、大切な人への最後の手紙…。伝えたい思い、聞きたかった言葉、承ります。『ツバキ文具店』待望の続編。

 

 

ツバキ文具店 の続編。

ツバキ文具店 での登場人物たちのその後が知ることができて、うれしくなった。

 

 

 

ポッポちゃんって、家族や人とのつながりを大切にする人。

彼女の一喜一憂をほほえましく思う。

悩むことはあっても、今幸せなんだな。この幸せがずっと続くといいなと思った。

 

そして、仕事の代筆業。

ポッポちゃんが、どんな手紙を書くのか、とても楽しみ。

文字にすぅること、書くということが、大きな意味を持っていると感じた。

 

悲しいことや不安なこともあるけれど、

暖かくて、キラキラした気持ちで読み終わった。

 

鎌倉を散策してみたくなったな。

 

お気に入り度★★★★★

アキラとあきら

 

池井戸潤 徳間文庫 2017年7月

 

 

 

 

零細工場の息子・山崎瑛と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬。生まれも育ちも違うふたりは、互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きてきた。やがてふたりが出会い、それぞれの人生が交差したとき、かつてない過酷な試練が降りかかる。逆境に立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まった―。感動の青春巨篇。


 

 

 

零細工場の息子で思うような進路に行けない瑛。

一方、裕福な家庭の育ったら、幸せなように思うが、その境遇に甘えることなく、自分の道を歩こうとする彬。

 

読み方は同じだけど、字も境遇も違う2人のあきら。

生い立ちから始まり、それぞれが通った道が描かれている。

 

2人が、同じ銀行で、対決する場面に、ドキドキした。

 

境遇は違うけれど、2人とも、自分の境遇に負けずに、自らの道を切り開こうとしているところは、同じ。

 

あきらめずに進んでいく姿に、好感が持てた。

 

 

 

お気に入り度★★★★★

本「つぼみ」

テーマ:

つぼみ

 

宮下奈都 光文社 2017年8月

 

つぼみ つぼみ
 
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話題作『スコーレ№4』の主人公麻子の妹・紗英、叔母・和歌子、父の元恋人・美奈子。それぞれがひたむきに花と向き合い葛藤するスピンオフ三編。(「手を挙げて」「まだまだ、」「あのひとの娘」)弟の晴彦は、高校を中退し勤めた会社もすぐに辞めて、アルバイトを転々とした後大検を受け、やっぱり働くと宣言して、いつもふらふらひらひらしている。不器用な弟と振り回される姉。そんな二人には、離婚した両親がまったく違って見えていた。(「晴れた日に生まれたこども」)どこかへ向かおうともがいている若き主人公たちの、みずみずしい世界のはじまり。凜としてたおやかに、6つのこれからの物語。

 

 

「スコーレNO.4は、とても好きな作品。

麻子が主人公で、少女が大人へと成長していく様子が描かれていた。

 

その麻子のことは、よく覚えているが、

紗英や和歌子のことは、印象に残っていないなあ。

 

 

それぞれが、違った人が主人公。

華道に関する話が多かった。

 

どこかなつかしいような、やさしい気持になる作品。

人が開花する前の瞬間、つぼみの状態が描かれている。

 

作者このような雰囲気の作品、好きだ。

 

お気に入り度★★★★★