バリ島グルメツアー特集の番組をオババと見た。義兄がジャカルタに住んでいるので、数年前オババは娘と孫に連れられて、バリへ海外旅行に行った。後にも先にも、初めての海外旅行。帰ってからしばらくは、何かにつけてバリ、バリ、バリ....。

オババ「おお、そうや、そうや、バリは直行便ができたんや。前はな、乗り換えなあかんかったし、不便やったんや。直通やから、楽なんやで~。」
私「へっ、おっかあ、1回行っただけやんか、便利もくそも....」
オババ「......」
うちには5匹の猫がいる。
オババには3人の孫がいる。
猫のハナを呼ぶ時、

「トモ君~(甥っ子その1)、ちゃうちゃう、
えりちゃ~ん!(姪っ子)、ちゃうわ、
えーっと、べーちゃん!、
ちごた...ハナちゃん!!!」

絶対に1回で正解を出すことは、出来ない。
向かいは、定年退職された高校の先生ご夫婦。昨日から旅行に出掛けているらしい。その話を朝していたら、突然オババが言い出した。

オババ「向かいな、車で旅行に行ったはんねんで。でもなあ、向かいの先生、カービナの使い方忘れてしもうたんやて。年やなあ、あの先生も。」
私「えっ?なんやて?」
オババ「ほれ、カービナやんか、カービナ!!
私「......」
帰宅が遅いので、夕食はいつも10時過ぎになる。と言っても、家で夕食を取るのは平日は2日だけ。あとはカンファレンスやら会議やらで遅くなるので、気を遣ってパスしてる。これでも親孝行娘なのだ、わたし。

晩ご飯の時においしそうな料理とか、目が飛び出るくらい高い料理とかが出てくると、
「おいしそうやなあ。一度でええから、食べてみたいなあ。おいしいもん、食べてへんもんなあ....(チラッ...横目で見てるw)」

仕事も忙しいけれど、なにせ私は食にはまるで欲がない。お腹がふくれればいい方だ。量も少ない。グリコのように燃費が良いのだ。なので、オババとご飯を食べにいこうとか、おいしいものを食べにわざわざ出掛けようなんて、微塵にも思ったことがない。なので、料理番組のたびに、上記のような嫌味を垂れてくださる。

ミニオフ会を近所でやることになり、グルメ通のサチヨさんがインド料理屋さんを選んでくれた。外食などしたことがない私は、どこにあるやらまるでわからない。

オババ「どこで食べるん?」
私「ん? ○×駅の近くやて。インド料理らしいで。」
オババ「ああ、駅から下って行ったらすぐわかるわ。あんまり、たいしたことないわ」

オババ、私が汗水たらして働いている間、何をしてるんすか....


で、オフ会から帰ってきたら

オババ「どやった?」
私「うん、まあまあ。カレーがおいしかったわ。」
オババ「あれ?日本料理ちゃうん?」
私「ちゃうで。どこそこの横にあるインド料理屋。」
オババ「ああ、そっちの方か。そうか、そうか、そっちはまあまあやったな。私はてっきり、そのはす向かいの日本料理やとおもたわ。そこはたいしたことないで。」

日本料理も食べたのね....私が働いてる間に....
九州から台風が北上しているが、どういうわけか、昨日は東京で豪雨になったらしい。ニュースを見て、たまげた。世田谷とか中野とか、道路が川に。もっとおったまげたのは、溢れた池から逃げ出した鯉が悠然と川と化した道路を泳いでいく映像。

私「あら~、どうするやろ。雨が上がったらあの鯉....」
オババ「ちゃんと帰るやろ」

帰れるかいっ!
月曜日は洗濯屋さんが集配に来る。いつものおっちゃんだ。そのやりとりを2階から聞いていた。

おっちゃん「奥さん、この猫、大人しいなあ」
オババ「誰でもええねん、犬みたいやろ、人が好きやねん」
おっちゃん「珍しい色の猫どすな。なんかの血統ですか?洋猫ですかいな?何ちゅう種類だす??」
オババ(たいそう気をよくして声がうわずる)「ちゃうちゃう。そう見えるか? 捨てられてたんや、こーんなに小さい時、拾たんや。(オババ!拾ったのは私ですわな) もう死にかけてな、そりゃ、大変やったんやで。寝んと一生懸命看病してな(看病したのは、私なんだけどねえ)、こんなに大きいなったんや、うっふっふ。そうか、そんなに珍しい猫か?」

階下に降りていったら、満面の笑みを浮かべたオババがいた。。。。
今日オババは親戚に招待されて、とあるバレエの発表会を見に行った。バレエといってもクラッシックじゃないようで、なんだか、変わったもんだったよ、とオババ。それはいいんだけど、招待してくれた親戚っていうのが、私と同い年(40代後半、ほぼ50才、ワッハッハ!)なんだって。

「やっぱり、あの子(親戚の人)と比べたら、周りの若い人は張りがちゃうでー。やっぱり年には勝てへんな。そーや。あんた(私のこと)と同い年や言うてたけど、あんたの方がわこう見えるわ(へ、おおきに、おおきに)。そうやな、私とそんなに変わらんよ~。」

79才のオババと一緒かいっ!
孫、そう、私にとっては甥っ子がやっと結婚することになった。お相手は、長年アメリカで生活されていた帰国子女。もち、英語ぺらぺら。ご両親は今も米国に。で、どこで式をするかで、揉めていた。和式でしたいとか、オーストラリアがいいとか、いや、義兄(甥っ子の父さん)のいるインドネシアはバリでするとか、、、。

結局、あいだをとってハワイですることに決定。なんだか、安直な決定ではありますが。

式は来春だけれど、二人とも仕事も忙しい身だし、お互いの親もアメリカやら日本やらインドネシアやら、そして親戚も関東と関西にと、てんでバラバラ。

それを案じたオババ。
「準備も何も、できひんやんなあ。なにも相談にものってやれへんしなあ。もう、できあたりばったりしかないなあ。」

母さん、それは「いきあたりばったり」ということですか....
海外ニュース - 8月30日(火)20時45分

世界最高齢の女性死去 115歳のオランダ人
 【ロンドン30日共同】ロイター通信によると、ギネスブックで世界最高齢と認定されたオランダ人女性、ヘンドリキエ・ファンアンデルシッペルさんが30日、同国北部ホーヘフェーンの施設で死去した。115歳だった。
 AP通信はギネスブック広報担当者の話として、ファンアンデルシッペルさんの死去に伴い、世界最高齢は、同じく115歳の米国人女性、エリザベス・ボールデンさんになったと報じた。
 ファンアンデルシッペルさんは1890年生まれ。生前は裁縫を教えていた。健康のため、ニシンを食べることを日課にしていたという。
 ギネスブックのウェブサイトによると、男性の世界最高齢は114歳のプエルトリコ人。日本人の最高齢は、福岡県に住む112歳の皆川ヨ子さん。
(共同通信) - 8月30日20時45分更新

オババは毎日牛乳1本とニンジンジュースを飲んでいる。食後にはビタミン剤もかかさない。本来薬嫌いな癖に、骨粗鬆症の薬だけはしっかりと服用している。

オババとニュースを見ていたら、この訃報が報道された。
「ほらな。やっぱり。ニンジンは身体にええんよ。あんなに長生きできるんやでぇ。」と大変満足顔。

おかん、それは魚のニシンです。ま、納得されてるようですから、いいですけど。
オババと夕食をとりながテレビを見てた。バブル全盛期から崩壊、不景気時代への突入をつづったドキュメンタリーだ。

「うちの父さんもなあ、生きてはったら(早くに他界している)株で儲けたはったか、それとも、バルブがはじけて夜逃げしてたかやな。ぎゃはは.....」

かあさん、バルブがはじけたら、大変です。