今年(2018年)2月に承認された、新しいインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」についてのお話し、第3回目です。
今回は、インフルエンザ治療薬で問題となっている異常行動について少しお話ししましょう。
もしかしたらお聞きになったことがある方もおられるかもしれませんね。
異常行動とは、インフルエンザの治療にタミフルを使用していた10代の患者さんが、突然走り出して家から飛び出したり、ベランダから飛び降りたりといったことが何例か報告されたことで、注意喚起が行われたものです。
このような現象はインフルエンザに罹ってしまうことでも同じようなことが起こりうるため、治療薬との因果関係ははっきりと証明されたわけではありませんが、この異常行動に関してはゾフルーザでも同様の注意が必要になります。
このような経緯から以前は10代以上の未成年には投与を差し控えることと記載がありましたが、今年の夏からは異常行動による事故防止に注意を払うことで10代の患者さんにも投与できるような記載に変更されました。
これからインフルエンザが流行する季節になっていきますので、もう間もなく、10月下旬くらいからはワクチン接種が始まります。
まずはワクチンによる予防が大切ですが、もしかかってしまったらこれらの薬を適切に使用して、ご自身の治療や周りへの拡大の防止に役立つことでしょう。
次回は妊娠とインフルエンザについてお話ししたいと思います。
以前の記事もご参照ください
インフルエンザの画期的な治療薬、どこが画期的!?
新薬ってどのように開発されるの その1
(文責:[生殖医療薬剤部門] 山本 健児 [理事長] 塩谷 雅英)
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