遺伝子編集について―遺伝情報を人の手で書き換える!!その1では、

遺伝子編集とは、A(アデニン) T (チミン)C (シトシン)G(グアニン)という4種類の文字で書かれた情報を削除したり、追加したり、入れ替えたりして情報を変化させることですと紹介しましたね。

では、「遺伝子編集」でどのようなことが起こるのでしょう

 

 


 

生物が何億年もかけて蓄積してきたDNAの配列(ATCGの順序)に人が直接手を加えることは、数年前までは思いもよらないことでした。

植物や家畜の品種改良は何世代も交配を重ねて行うものでした。

自然に起こる偶然の遺伝子変異が、望ましい形質をもたらしてくれるのを待つしかありませんでした。

ところが、遺伝子編集はこれをいとも簡単に行うことができるのです。(Doudna, J. A et al.; Science 2012, 337, 816.)

この技術をたとえば、家畜や魚に応用した場合、一匹で可食部分の多い食品を作ることも可能になり、経済効率をアップできるかもしれません。肉やさかなの値段が安くなるのはありがたいことです。

野菜に応用すれば腐りにくい野菜、害虫や除草剤に抵抗力のある野菜、特殊な栄養成分を強化した野菜などを作り出すこともできるかもしれませんね。

従来の方法では想像もできなかった飛躍的な品種改良が可能になるのです

人は自然を自由に操る「神の領域」に踏み込んでしまったのでしょうか。
 

次回は遺伝子組み換えと遺伝子編集の違いについてお話をしたいと思います。

 

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(文責:[研究開発部門] 長谷川 昭子 [理事長] 塩谷 雅英)

 

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