ご質問

高AMHについて、お聞きしたいです。39歳4ヶ月、妊活歴1年のものです。
AMHが、10以上あります。自然妊娠できると思いますか?
低いと妊娠しづらいと聞きますが高すぎてもダメと最近知りました。
IVFの際は、低くないので大丈夫と言われましたが、陰性でした。
自分で調べたところ、ビタミンD不足だと高AMHになるような事を見かけました。
多嚢胞性卵巣症候群ではなさそうです。IVFの時も採卵はアンタゴニストで10個でした。
AIHは4回も行いすべて陰性化学流産もしていません。
色々とあり、ステップダウンでタイミング法で妊娠を望んでいますが、難しいでしょうか?

 

 

回答

こんにちは ご質問ありがとうございます

まずはAMHが10以上とのことなのですが、AMHの単位には二種類あり、pM(ピコモル) ng/ml(ナノグラムミリリットル)どちらの単位で表示されているか確認してください。pMの方の単位でしたら全く高すぎるということはなく年齢相当に近く、ng/mlと表示されていれば書いていただいている通りかなり高めということになります。

AMHが高い、低いということで直接妊娠力が変わるわけではありません

AMHは現在卵巣に残されている卵子の数を反映している参考値なので妊娠するかしないかということの判断材料にはなりません。

0に近くても自然妊娠されることもありますし、ちょうど良くても体外受精が必要になることもあります。

ただ、高い場合には排卵障害がある可能性があるので通院しながら排卵を確認してもらいながらタイミングを合わせたり、もし精子にも異常が見つかるようなら人工授精に進まれると良いと思われます。

低い場合は活用できる残っている卵子が少ない可能性があるのでできるだけ早く治療をステップアップするように、、、といったように治療の方向性を決めるためにAMHは測定されているとお考えください。

確かにビタミンDの不足は 多嚢胞性卵巣(AMHは高くなる傾向にあります)や、卵巣機能低下(AMHは年齢相当より低くなります)にも関わりがある可能性があります。また、ビタミンDは着床や流産にも関連する可能性が考えられており、必要量は担当の先生と相談して補充しておかれると良いでしょう。

体外受精でたくさん卵が取れておられますね。胚の移植は何回できたのでしょうか。良好な胚を2回以上戻しても着床されておられないようであれば、採卵を続けながら良い受精卵、胚に巡りあえるまで継続されてみることも検討されても良いかと思われます。

当院のブログにもある着床の窓検査(ERA)、慢性内膜炎、免疫の検査、ビタミンD、亜鉛、銅などのミネラル検査、子宮内フローラといった着床の検査をしてみると打開策となる可能性があると思われます。
お時間がありましたらぜひ下記に挙げました以前の記事もご参照ください。


また、ステップダウンされるにしても、男性外来での精子からのアプローチ、サプリメント等のご使用と、ご本人様は子宮鏡、卵管造影で異常があるようであればFT(卵管の閉塞や狭窄を改善する手術)を併用してみると妊娠率が高くなることを期待できるかと思います。

39歳40歳の貴重な時間をどのように使っていくか、ご夫婦と担当の医師と良く相談し、前向きに方向性を決めていかれますよう願っています。
 

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(文責:[医師部門] 十倉 陽子 [理事長] 塩谷 雅英)

 

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