漢方薬について⑬ 生薬って身近にある!? リンドウにもある利胆作用や抗炎症作用について
お久しぶりです前回から少し間が開いてしまったので、お時間があれば前回の熊胆シリーズもお読みいただければと思います。みなさん、このお花を見たことありますか秋に咲くお花 "リンドウ" です。ハイキングに出かけた時に、見られるとラッキーですね漢字では、"竜胆"と書きます。生薬的には竜胆を、リュウタンと読みます花言葉は、勝利や正義感など。なんだか心強い感じです竜胆は、昔ながらの胃薬に、"苦味健胃薬"として入っています。にがみは、以前お話した"熊胆"にも負けてはいません。飲むのが大変なときは、工夫してみるのも良いですね。"熊胆"と比べてみると、熊胆は、胆汁そのもので、利胆作用があり、肝臓を元気にしますが、"竜胆"にも、利胆作用があります。植物性なのにふしぎですそれでは"竜胆"の働きを見てみます。清熱燥湿 (せいねつそうしつ)(熱をさまし、湿を乾かす)瀉肝降火 (しゃかんこうか)(肝の火を消しなだめ、炎症を鎮める)五味四気は、苦・寒です。使う部分は、根および根茎で、成分は、セコイリドイド配糖体のゲンチオピクロシドなどで、抗炎症の働きがあるようです。それでは、この抗炎症作用に、注目してみます。ここで、竜胆の入った漢方の登場です。それが、「竜胆瀉肝湯」です。ツムラさんの添付文書によると、竜胆瀉肝湯の保険適用名には、比較的体力があり、下腹部筋肉が緊張する傾向があるものの次の諸症:排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけとあります。解説には、比較的体力のある人で、泌尿器、生殖器等の炎症に伴って排尿痛、頻尿、帯下などのある場合に用いるとなっています。また、1)急性あるいは慢性の泌尿器・生殖器の炎症性疾患。2)陰部瘙痒感を伴う場合。ということです。この"こしけ"とは、いつもの"おりもの"とそうではない"おりもの"のことを言います。おりものは、いつもは少量で無色透明、無臭ですが、ストレスを感じたり、いつもと違う食べ物を食べた時などに、変化しますね。排卵前と排卵後で、粘稠度や、量、色なども変わることも分かっています。最近では、排卵日を予測できる"おりものシート"もあるようです。おりものから、LHを測定するという仕組みです。また、感染症も知らせてくれるなど、実はすごいんですねでも、調べてみても、何もないのに、不快さを感じることもあるというわけです。ここで一度、東洋医学のベーシックな感覚で、おりものを見てみます。おりものは、冷えていると透明で、熱を帯びると、黄色になると考えらており、帯下の量が多く、水っぽいものは、痰湿や、陽虚によるものが多い。(陽虚とは、代謝が低く、からだが冷えて浮腫みやすい状態。)("痰湿"とは、ストレスからくる消化不良や冷えなどにより滞ってできた体液の余りもの。)帯下が白く、粘稠なものは、痰湿によるものが多い。帯下が黄色っぽく、粘稠で、臭いのあるものは、湿熱によるものが多い。("湿熱"とは、からだに溜まった"痰湿"が熱を帯びて、炎症につながりやすいとき。)また、おりものに色がつく時は、舌の苔の色も変化していることがあります。例えば、湿熱のときは、舌の苔も黄色いというわけです。こんな時は、からだに合った食べ物や量を見つけて、あとはリラックスしてみたり、竜胆瀉肝湯を飲んでみるのも良いですね竜胆瀉肝湯は、女性にはもちろん、男性にも良いです。あと、肝が乱れやすい春先の膀胱炎にもおすすめです。(発熱を伴うときなど、緊急を要することもあるので、症状には十分注意してください。)それでは少しだけ、竜胆瀉肝湯の他の使い方をみてみます。東洋医学的には、体には"経絡(けいらく)"というものがあると考えられており、("経絡"とは、からだを流れるエネルギーのライン)"肝"にも、経絡があるとされています。"肝"の経絡は、脚の内側を登って陰部に入り、生殖器をめぐります。そして、横隔膜を通り、一部は眼球のあたりに達し、頭頂に出ると言われています。「肝は、目に開竅する」(竅とは、人間のからだにある穴のこと)感情にスイッチが入った時など、"目の色を変えて〜"なんて表現をしますね。竜胆瀉肝湯は、目の赤みや、ズキンズキンと感じる頭痛にも、良いとされています。竜胆の他にも、竜胆瀉肝湯には、冷やす生薬が入っているので、症状がある時だけ飲むというのが良いです。竜胆は以上です。熊胆や竜胆など、苦い生薬が続きましたので、次回は、あの"ラテ"にも入っている、シナモンを特集します。お楽しみに以前の記事もご参照ください。漢方薬について① 不妊治療でも使われることのある漢方薬のこと知ってみませんか。漢方薬について② 生薬って身近にある!? ハッカ(ミント)のいい働きについて漢方薬について③ 生薬って身近にある!? 続・ハッカ(ミント)のいい働きについて漢方薬について④ 生薬って身近にある!? 生薬のしょうがには2種類ある!?漢方薬について⑤ 生薬って身近にある!? しょうが(生姜)のいい働きについて漢方薬について⑥ 生薬って身近にある!? しょうが「乾姜」のいい働きと処方について漢方薬について⑦ 生薬って身近にある!? 山芋編 精がつくの”精”ってなんだろう!?漢方薬について⑧ 生薬って身近にある!? ナツメのいい働きについて漢方薬について⑨ 生薬って身近にある!? 人参(ニンジン)のいい働きについて漢方薬について⑩ 生薬って身近にある!? 同物同治(どうぶつどうち)熊胆(ゆうたん)について漢方薬について⑪ 生薬って身近にある!? 熊胆(ゆうたん)はどのように効くの?漢方薬について⑫(番外編)漢方薬って飲みにくい!? 漢方薬の剤型と飲み方を特集しました!漢方薬について⑬ 生薬って身近にある!? リンドウにもある利胆作用や抗炎症作用について文責:[生殖医療薬剤部門] 吉田 知世 山本 健児 [理事長] 塩谷 雅英英ウィメンズクリニックの公式LINEアカウントができました英ウィメンズクリニックのインスタグラム公式アカウントはこちらからアメンバー募集中です。アメンバーの申請はこちらから メッセージはこちらからお送りいただけます。ご質問等もお待ちしております