第15回北海道農業高校生ガーデニングコンテスト通称ガーデニング甲子園を振り返って
すっかり時がたってしまったが、春に札幌の大通公園で開催された花フェスタイベント、第15回北海道農業高校生ガーデニングコンテスト通称ガーデニング甲子園を振り返ってみようと思う。なぜこのブログを書くかと言いうと、今年はじめてガーデニング甲子園の審査員をさせて頂く機会を得たのだが、どの作品も本当に素晴らしく、多くの方に知って頂きたかったのと、私なりに感じたことが有ったので自分への記録の為にも と思って投稿することにした。ではご覧頂きたい。 6月22日土曜日 午前9時15分に札幌大通公園西6丁目の特設事務所に集合。メンバーは某有名会社の社長や芸術家、団体の名誉会長や財団の常務理事といった凄い方たち。完全に私は場違いなうえにアウェイ感もあった。 そんな方たちとこれから何をするかといえば、第15回北海道農業高校生ガーデニングコンテスト、通称 『ガーデニング甲子園』の審査である。フラワーデザインの審査には諸々携わってきた経験はあるが、ガーデニングの審査は今回が初めて。しかも全道の高校生が一生懸命時間をかけて作り上げてきた作品の審査となると、さすがにこちらも少なからず緊張するのである。さらにこの審査員の顔ぶれだ。何とも言えない空気間の中、担当のスタッフが現れ本日のタイムスケジュールと審査についてのレクチャーが始まった。 審査内容についての詳細は伏せるが、大きく分けると5項目100点満点の審査となる。まずは生徒から作品制作についてのプレゼンを聞く。プレゼンはテーマについて、製作意図、見てほしいポイントや苦労した点など1チーム3分以内で作品への思いをスピーチしてもらう。 作品は、スタンダード型とコンパクト型があり、スタンダード型はかなり大きくて横幅6メートル、奥行き2メートル、高さ3メートルとなっており参加チームは7チームだった。コンパクト型は横幅2,5メートル、奥行き2メートル、高さ2,4メートルで、参加チームは11チームだ。 そうそう書き忘れていたが、このガーデニング甲子園は毎年開催されている札幌の初夏を代表する『花フェスタ』のイベントの一つだ。花フェスタ自体は今年で31回目を迎え毎年多くの市民が訪れる。昨年は19万人の来場があったそうだ。 これだけ来場する花のイベントは札幌市として唯一無二である。正直な思いとしては、花の業界としてこの場を利用しない手はないとずっと考えている。それゆえに、わたし個人としても当初からこのイベントには何らかのお手伝いをさせて頂いてきた経緯がある。横道にそれたが本題に戻ろう。 9時30分にメインステージにてガーデニング甲子園のオープンセレモニーがあり、審査員もステージに登壇した。恥ずかしかった。笑 その後、作品スタンダード型が展示されている4丁目へと移動し、最初の作品である静内農業高校のプレゼンを聞いた。 最初に言ってしまうが、実はこの学校が今回の優勝校となる。 あくまでも一般論であるが、こうしたデザイン審査の場合、最初の作品が全体の基準となる。つまり最初の作品を見て、それよりも優れているかどうかを判断して点数を付けるケースが多い。そう考えると最初の作品が優勝するケースは意外と難しい。ところが今回のコンテストでは、この最初の作品が優勝した。その要因はいくつかある。その辺も解説しながら書いていこう。 まずこの学校のプレゼンが良かった。私の評価では満点だった。作品は地元で生産されているデルフィニュームをメインに青で統一されており、デザインはブライダルのドレスをイメージした作品だ。左から作品の中に入れるアプローチがあり、そのルートが右にカールしていて円の中心には入れる。そこがフォトスポットとなっていて、来場者は素敵なブルードレスの中心で写真が撮影できるようになっている。 そう、この作品のテーマは Something Blue ~幸せを呼ぶ青い庭~ ブルードレスガーデンと呼ばれる作品となっていた。 デルフィニュームを使用した理由は、この学校がある新ひだか町がデルフィニュームの生産量北海道1位だからとの事。今回参加したすべての作品の中でも、この作品がインパクトは1位だったと思う。もちろんデザインやコンセプト、そしてプレゼンも含め私の審査表でも1位だった。 ただ残念な点もいくつかあった。指摘はさせて頂いたが、次回の作品でその辺が生かされるのかどうかは私個人的な楽しみでもある。 さて2作品目に移る。ちなみに作品についてのお話はこの2作品目で終わるのでご安心を。下手な文章にお付き合いさせてしまうのは申し訳ないので・・・。笑 というか、私の審査表では2位だった作品で、今回のコンテストの合計でもスタンダード型2位になったのがこの作品だったので、ここまでは書かせて頂きたい。 この作品は新十津川農業高校Åチームの力作で、テーマは『農村地帯に花』をだった。実はこの作品、私の中ではデザイン、技術、トータルバランス、そして提案という部分ではトップだった。特に花のレイアウトがとてもステキで、しかも非常に丁寧に飾花されていた。さらに後方左にレイアウトしたモニュメントがとても作品の印象を良くしていて、完全にプロのレベルである。正直、審査時間ギリギリまでどちらを1位にするか本当に悩んだ作品だった。ちなみに私の審査シートでは1位と2位の差は1点。そのくらいこの2つの作品は素晴らしかった。 そうそう、このガーデニング甲子園の審査はスタンダード型もコンパクト型もどちらも同じ採点シートで、しかも優勝は全作品から選ばれる。通年はスタンダード型が圧倒的に点数が高く上位になるそうだが、今回はコンパクト型の3作品が素晴らしかったので、そちらにもちょっと触れておこう。 その一つは剣淵高校の 絵本の世界を飛び出した「おむすびころりん」である。この作品はガーデニングの中に遊びを組み込んだユニークなもので、右上におむすびを置く場所があり、そこに置くと転がり始め、作品の中を転げまわりながら途中でぶつかったり落ちたりして様々な音が鳴る。この音にもこだわりがあるそうで、なるほど色んな音が楽しめる。もちろんお花のレイアウトや装飾も上手で、今回の花フェスタのテーマであるフラワーワンダーランドにぴったりの作品だった。 次にコンパクト型で私の得点ではトップだったのが、新十津川農業高校Bチームの ほっと一息つきましょう だ。この作品は完全に和に特化したもので、基本的に花は全く使わずグリーンのみで構成されていた。そのレイアウトが非常にレベルが高く、オブジェとして制作していた格子も見事にマッチしていた。全体としても私の中ではこの作品はとても印象深く、まさにプロレベルだったと思う。 そして最後にもう一つコンパクト型で高得点だったのが、旭川農業高校Bチームの「”和”な日常~和らぎを与える縁側~」である。この作品は私の得点ではコンパクト部門2位だった。まさに和の縁側をコンパクトにデザインしたその完成度は見事で、花のデザインも素晴らしかった。すべての作品の中で和を意識したのはこの2作品だったが、その見せ方や使用した植物が全く違い、どちらも本当に素晴らしかった。私がなぜ新十津川に軍配を上げたかというと、花を使わずにグリーンのみにチャレンジしたその姿勢と、完成度だ。チャレンジするだけならだれでもできる。そのチャレンジを見事に美しく作りあげたこの作品にはとても感動した。 こうして私が初めて審査させて頂いた2024年度の、第15回北海道農業高校生ガーデニングコンテスト通称ガーデニング甲子園は幕を下ろしたのでありました。来年も審査するかどうかは分かりませんが、ぜひ皆さんも素晴らしい作品を見に行ってみてください。そうそう。今週末の11月3日日曜日はサッポロさとらんどにて高校生花いけバトルが開催されます。5分で完成させる高校生の花の作品は手に汗握る競技です。ぜひこちらも見学に来てください。