大きな自分の影を見て、強くなったつもりのオオカミ。
太陽が西に傾いたある夕方、荒れ野を一匹のオオカミがさまよっていました。
地面にその影が、長く長くうつっています。
それを見てオオカミは、
「こんなに大きな体をしたおれが、ライオンを怖がるなんて。このとおり、身長が30メートルもあるんだから、おれだって、簡単に百獣の王になれるさ」
オオカミがすっかりいい気になっているところへ、大きなライオンが飛びかかってきて、ガブリと噛みつきました。
オオカミは考えを変えて叫びました。
「うぬぼれが身を滅ぼすとは、この事だ」
おしまい