尻尾を切られたキツネが、仲間のキツネに言いました。
美しい尻尾が自慢のキツネが
ワナにはさまれて尻尾を切られてしまいました。
キツネは恥ずかしくて、もう生きていられないと思うほどでした。
「しかし、・・・待てよ」
と、キツネは考えました。
「もしも仲間のキツネが全部尻尾を切れば、おれのみっともない姿も目立たなくなる。・・・よし、みんなに尻尾を切るようにすすめてみよう」
こう決心したキツネは、仲間を全部集めて、
「きみたち、そんな長い尻尾なんて、見苦しくて重たいだけじゃないか。切ってしまった方が楽だぜ」
と、言いました。
すると、仲間の一匹が言いました。
「おいおい、そうやれば、きみが得するからそう言うんだろ」
「・・・・・・」
おしまい