1月14日 アンデルセン童話・月の見ていた話二十六夜 | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  


こんばんわ。
 わたしは、高い空の上にいる月です。
 タ方から朝になるまで、いろんな国のいろんなところをながめます。
 では、ゆうべ見た事を、話してあげましょう。

 夜明けの事です。
 大きな町のどの煙突(えんとつ)も、まだ煙(けむり)をはいていません。
 だってまだ、みんな眠っている時間ですもの。
 でもわたしはただ一つ、おきている煙突を見つけました。
 ただし煙突から出てきたのは煙ではなく、とびきり元気のいい男の子の口笛(くちぶえ)でした。
 煙突からピョコンと男の子が顔を出した時、わたしは思わずふき出してしまいましたよ。
 だって、おでこと鼻の頭と右のほっぺが、すすでまっ黒なんですもの。
 でもそんな事は気にしない様子で、男の子は煙突のふちに両手をかけると、いきなり大きな声で叫びました。
「ばんざーい!」
 この子は、煙突掃除屋(えんとつそうじや)さんだったのです。
 男の子は生まれて初めて、煙突の中をてっぺんまで登ってきたのです。
 その時ちょうど、太陽が東の空に姿を現わしました。
 男の子は、明るくなった町を見わたして言いました。
「町が、おいらを見てる!」
 そして、わたしを見あげて言いました。
「お月さんも、おいらを見てる!」
 それから、
「お日さまも、おいらを見てる! ばんざーい!」
 ほうきをクルクルふりまわしながら、とってもうれしそうでしたよ。

おしまい
ペタしてね