先週3月11日(火)に一橋大学の守島先生の人材マネジメントセミナーを受講しました。
守島先生は、人事の潮流を適確に捉えて、5年後位先の方向性をわかりやすく説明してくれます。
今回も充実した内容でした。何回かに分けてアップしたいと思いますが、まずはサマリーのご紹介です。
「新しい人材マネジメントの方向とは~成果主義を超えて~」
一橋大学大学院商学研究科 守島 基博教授
■日本の人事マネジメントの5つの課題■
1.ポスト成果主義へ
2.職場の機能復活
3.戦略的人材ポートフォリオの考え方
4.職務中心主義への(少しの)移行
5.ワークライフバランス(人生を楽しむ仕組み)の構築
1.ポスト成果主義へ
処遇・評価制度の仕組みがある程度整った後、これから企業に求められるのは、チャレンジングな育成型業務を経験させることによる人材育成。このためには、配置が重要な鍵であり、HRは情報(誰が優秀なのか、ビジネスの現状)を把握することが必要。
2.職場の機能復活
現場のリーダー支援、具体的には、研修などを通じたリーダー力の底上げ、全てを現場任せにしない、フォロワー(自律的かつ協働的部下)を育成し、リーダーの負荷を減らすこと等。
3.戦略的人材ポートフォリオの考え方
何を中に残し、何を外に出すのか、そして誰が行うかということ。今後はコスト面だけでなく、業務内容・求められる能力・労働者特性・組織としての一体感等の様々な要素を考慮し、最適な人材の組み合わせが今後更に求められてゆく。
4.職務中心主義への(少しの)移行
個人の業務の切れ目がなく長時間労働につながっているため、この状況を改善するには、もう少し職務を明確化することが求められる。
5.ワークライフバランス(人生を楽しむ仕組み)の構築
仕事と家庭の両立という人事施策の枠を超えて、個の人生における選択を許すという人事戦略(価値観)と位置づける。今後モチベーションの土台として重要となるインフラであり、人材の多様化とも密接に係わってくる問題である。
(次回へと続く)