室戸岬のつづき。
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海の駅とろむから、道路と線路の両方を走行できる
阿佐海岸鉄道のDMV(Dual Mode Vehicle)に乗る。
外観は少し変形したマイクロバス(種車はトヨタ・コースター)。
床下を見ると線路を走るための鉄車輪が隠れているのが分かる。
線路の保守作業などではトラックに車輪を付けた「軌陸車」が広く活躍しているが、
客を乗せて道路・線路の両モードを走るクルマは
日本ではここでしか走っていない。
元々は徳島県・海部と高知県・甲浦を純粋な鉄道路線(阿佐海岸鉄道阿佐東線)
が結んでいたのだが、2021年12月からDMVというスタイルに変わった。
世界的にも珍しく、「世界初のDMV」と紹介されることが多い。
しかし東洋経済の記事によれば、すでに海外で走行事例があるそうで、
運行会社の阿佐海岸鉄道のウェブサイトをよく見ると、
世界初「本格営業運行」という書き方をしている。
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出発。
海の駅とろむ出発時点で乗客は自分含めて3名だったが、
停車するごとに乗客が増え、ほぼ満員に。
マイクロバスのサイズだから定員は16名と少なく、
しかも海の駅とろむから出る便は土休日の1往復しかないからね。。
運の悪いことに、自分が座った(事前に予約していた)5Aという席は、
タイヤハウスの上に位置していたため足元が盛り上がっており、
体育座り(三角座り)に近い姿勢を1時間以上保持しなければならなかった。
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甲浦(かんのうら)駅。
道路から鉄道へモードチェンジ。
格納されていた鉄車輪が姿を現し、線路を走れるようになる。
2軸の車両なので、聞こえてくる線路のジョイント通過音は、
ガタンゴトン、ガタンゴトンではなく、タン、タン、タン、と軽快で小気味良い。
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途中、宍喰(ししくい)駅で下車。
DMV路線を乗りつぶすため、約1km離れた道の駅宍喰温泉まで歩いて、
別系統の便に乗り直す。
道の駅宍喰温泉の隣にはホテルリビエラ宍喰温泉という施設があり、
空いた時間で日帰り温泉に入った。
ホテルの目の前は海。大浴場から海を眺めることができた。
つづく。