日商簿記2級統一試験対策・総合問題① | 連結会計よもやま話

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公認会計士試験や日商簿記検定で難解と言われる連結会計その他について色々と書き綴って行きます。
長年培ったノウハウの公開を通じて皆さんのレベルアップのお手伝いをさせて頂きたいと考えております。

皆様。お疲れ様です。

 

日商簿記統一試験が迫って来ましたので、

連結会計の総合問題を作成しました。

連結会計が苦手で焦っておられるかもしれませんが、

この資料なら統一試験に十分間に合います。

特に、スーパー・タイムテーブルの白紙・ひな型に

沿って練習頂ければ、仕訳頼みの解法から脱却できます。

 

まず【連結会計:あるべきイメージ】です。

後述のあるべき仕訳や枝分かれ図、

スーパー・タイムテーブルの元となるイメージです。

連結会計をいくら学んでもスッキリしないのは、

水面下の親会社持分の動きを学べないからです。

更に、現行のカリキュラムでは、

親会社持分の存在すら知らないまま

応用論点でイキナリ親会社持分を扱うので、

連結会計への違和感が強くなるのは

致し方のないところです。

 

問題・答案用紙・解答・解説です。

資本連結一巡仕訳の対比表です。
まず、簿記会計の特性として、
減価償却の直接法と間接法に見られる様に
相殺消去がある処理は情報量が少なくなり(左)、
相殺消去がない処理は情報量が多くなります(右)。
結果、右側の仕訳には親会社持分が現れて来ます。
近年はより多くの情報提供が会計に求められている為、
実は相殺消去がない方向性が求められている次第です。

image

改めて、左の現行の仕訳は相殺消去により
金額が少ない為、情報量も少なくなり

親会社持分の処理・表示が出来ません。

結果、持分法をはじめ持分変動や企業結合、

本支店会計との整合性がありません。

一方、右のあるべき仕訳には整合性があります。

右のあるべき仕訳を図形にしたのが枝別れ図です。

枝分かれ図は連結会計の理解には役立ちますが、

成果連結を集約できないという欠点がある為、

枝分かれ図をタイムテーブルに書き換えます。

私は他の先生の下書も数多く見て来ましたが、

タイムテーブルと成果連結仕訳が別処理ばかりで

タイムテーブルの成果連結組み込み可能なメリットが

全く考慮されていないというのが率直な感想です。

具体的に、ダウンストリームの本問においては

親会社利益剰余金のフローに成果連結を足せば

仕訳や集計の手間がなく、圧倒的に速く計算できます。

最も難解とされる連結利益剰余金470,000千円が、

横フロー計算、縦ストック計算の双方で一致します。

唯一の注意点は商品(未実現利益)と貸倒引当金の

プラス・マイナスの符号を間違えないことです。

具体的なスーパー・タイムテーブルの記入法ですが、

子会社利益剰余金を転写後に正確か否か検算して下さい。

次に、のれんの償却期間・残り年数(連結年度)は要注意。

更に、未実現利益の指示が利益率か、付加利益率かに注意。

それ以外の注意点は+▲の記号で、後は流れ作業により

親会社株主に帰属する当期純利益304,000千円と

連結利益剰余金470,000千円が簡単に計算できます。

特に、横フロー計算と縦ストック計算の一致は心強い。

なお、本問は連結P/Ⅼと連結B/Sの作成問題なので、

実は当期首の計算で必要なのは成果連結だけ。

それ以外は必要ありません。

また、配点箇所の多い連結B/Sから

流れ作業で解き始めるのが最速・確実です。

因みに同じ問題を山ほど繰り返す必要はありません。

私は2級の段階から繰り返しを回避することで、

分量の多い上級資格の勉強を効率的に進める習慣を

早くから身に付けておくべきだと考えます。

 

最後に連結会計はストックとフローの計算が、

理路整然としたマトリックスになっています。

従って、3.利益剰余金(取得後剰余金)の計算は

繰り返し練習して下さい

(その意味で重要なのはラスト2枚の資料のみ)。

この体系を理解して、計算が自在に出来れば、

連結会計は非常に面白く、得点源に出来ます。

 

なお、アップストリームの問題はコチラです。

日商簿記2級統一試験対策・総合問題②

 

これからも皆様に有意義な情報を提供して参ります。

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