フローとストックを区別する両建処理。 | 連結会計よもやま話

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公認会計士試験や日商簿記検定で難解と言われる連結会計その他について色々と書き綴って行きます。
長年培ったノウハウの公開を通じて皆さんのレベルアップのお手伝いをさせて頂きたいと考えております。

皆様、おはようございます。

今回は従来の連結会計の説明とは異なるアプローチで

より分かり易く迫ってみました。

内容的には12月17日(日)のスペースの改良版となります。

 

最初に連結会計は商品売買との対比が分かり易いので、

手始めに商品売買の総記法と分記法で考えてみます。

総記法の場合、極力簡潔に記帳を済ます目的で

分記法の商品販売益a/cを商品a/cに置き換える為、

前T/Bの商品a/cに財政状態と経営成績が累積され、

意味不明の状態に陥っています。

従って、決算整理で商品a/cと商品販売益a/cに分離し、

財政状態(ストック)と経営成績(フロー)を両建表示します。

image

なお、元データはコチラです。

【商品売買】
[01]商品売買取引:記帳方法まとめ①
[02]商品売買取引:記帳方法まとめ②

 

では、下記問題で連結仕訳を考えてみます。

 

連結仕訳については下1枚目の対比表で考えてみます。

現行の資本連結(左)は精算表への必要最小限の記入なので

親会社持分のフローとストックが表示されません。

詳しくは利益剰余金当期首残高10,000(S社財務諸表項目)

非支配株主に帰属する当期純利益2,000(連結財務諸表項目)

のれん償却額1,000(連結財務諸表項目)という性格の異なる

個別財務諸表項目の消去連結財務諸表項目の計上

第2年度 利益剰余金当期首残高13,000に累積されています。

このように全く性格の異なる項目が累積された結果、

利益剰余金当期首残高13,000が単独で意味を為さない。

これは冒頭の総記法と同様です。

そこで先ず資本連結を一巡仕訳として完成させる為(右)、

当期純利益8,000当期純利益8,000 を両建で仕訳します。

これで個別財務諸表項目の消去一巡が完結すると共に、

親会社株主に帰属する当期純利益5,000の計算も完了します。

次に連結第2年度開始仕訳で第1年度の処理を引き継ぐ為、

個別項目連結項目を利益剰余金当期首残高に累積せず、

利益剰余金当期首残高18,000利益剰余金当期首残高5,000 

という形で両建表示を行います。

以上の両建処理で連結第1年度は親会社持分のフロー、

連結第2年度は親会社持分のストックが認識されます

一方、商品売買ではフローとストックを区別する為、

両建処理としての分記法が用いられる訳です。

 

 

なお、以上の処理の概観を示しておきます。

最後により詳細なデータはコチラとなります。

連結会計の新資料

 

これからも皆様に有意義な情報を提供して参ります。

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