第十七話




「あやねーー!!朝よーちょっと何時だと思ってんのよ」





う~ん…





ママの声でお目覚め…





まだ眠いのにー




いいじゃん!!





今日学校やすみなんだからー!!




あーさみー




土曜日…あ!!





今日…





そぅ、今日はまどかと前にチョコを作る約束をしていた日。




あーぁ…




友チョコたって…誰にあげよう…




時計を見るともぅ12時だった。




あらー…こんな寝てたのか!!





あやね「おはよー」





リビングに行くとママが何かしていた。




母「ちょっとー、もーすぐバレンタインでしょ??


今日作っちゃわないと…」





あやね「そっかぁ…まって!!ちょっと着替えてくるよ!!」





母「誰に上げるか考えてるのー??」




遠くからママの声がした。




あやね「考えてるよーーー!!」




叫び返した。




着替えてリビングへ戻った。




母「これから材料かいに行かなくっちゃ」




てっきりそろってるのかと…




あやね「わかった!!」




そういうと家を出て、車で5分ほどのスーパーへ。




バレンタイン特集をやっていた。




あやね「ママーなに買うの??」




母「えっとねー型はあるから…あとは飾りとかかな??」




あやね「わかった」





どれがいいか考え始めるあたし。




見てて思ったけど、やっぱりこれだけ近いと




ほとんど売れちゃってチョコとか残ってないなー…





チョコはみごと完売だった。




と、いうよりは、




ただ高いチョコが売り残っている。





でもそれもほとんど売れている。




さすがだ…





と思いつつも、あたしはかざりつけを選んでいた。




母「ママちょっとほかの見てくるから考えといて!!」




誰にあげようかな…




まぁ…パパは抜いて、うーん。




あ!!



とおるは絶対でしょー??




悩んでいると母が買い物を終えて戻ってきた。





母「決めた??」




あやね「うん…いちおうコレにしよっかなぁ…」





なぜか自然に手が動いて撮ったものは





ピンクと白の小さなチョコだった。





母「あ!!!!」




あたしはビックリして振り向いた。




あやね「どしたの?!?!??!?!」




母「チョコ売り切れだ…」





あやね「え…チョコも買ってないなんてきいてないよ…」




すると自然に二人が視線を向けた先は




あの高いチョコ…




母「コレ…高いわね…」




今考えると別のお店に行けばいいのだが、面倒くさくてか





とくにそういう考えは思いつかなかった。





母「ま、いっかぁ…でもこれだと、あやねはパパいれて


  3人くらいにしかあげられないわよ」





あやね「いいよ…高いけど、おいしそうだしっ…」





高いから1つしか買わない、ということだ。




帰りの車では誰に上げようかと迷っていた。





パパ、とおる…





あとひとりがどうしてもきめられない…




どうしよう…

第十六話





あたしは山の目をじっと見つめた。









山は顔を赤くして後ろを向いてしまった。











山「あやねと二人で話したかったんだよ」









あやね「えっ…」










山「俺さ…あやねを助けたいんだよ。なんか最近変だろっ!!



翔太には教えたんだろ!!俺も…あやねの特別になりたいんだよ。」




期待と少し違う答えが返ってきて





ちょっと動揺してしまった。






山「翔太だけじゃない。俺も…俺もあやねの見方だからっ!!」




嬉しかった。




最近あたし涙腺くるってる。




また涙を流してしまった。




あやね「ごめんっ…ありがとう……」




山も頭をなでてくれた。





翔太の軽いのとはちがって泣き止むまで




ずっと…




ずーーーっと…なででくれていた。




だから、早く泣き止みたかったんだけど





涙が止まらなかった。




翔太とのつらい過去を振り返ってるときの涙とは違い




今は暖かさに守られて泣いているようだった。




うれし泣きというやつだ。





どのくらい時間が過ぎたか…




あたしは泣きつかれていた。




泣きつかれて泣きやんだようなもんだ。




あやね「山…」




なんだか急に恥ずかしくなってきた。






山にはすべて話した。





山はそんなあたしを理解してくれた。




あやね「ありがとう」





と言って、席を立つと、あたしはスタスタと教室のドアのほうへ向かった。





そしてドアの前で止まると、





あやね「ばいばい!!」





振り向いて挨拶をした。





山は「笑顔で手を振ってくれた。」






その日あたしはそのまま家に帰った。





なぜか翔太でなくって、山の言葉で安心できて





グッスリ眠れた。




山っ…




ありがとう…






第十五話





あやね「山・・・どーしたの??」





ビックリしながらあたしは山に話しかけた。






山はなんにもいわない。





どうやら息を切らしていてしゃべれない様子。





あやね「どうしたの??大丈夫??隣…座る??」






そういうと山はゆっくり動き始めてあたしの席の隣まで来た。






山「…ね」





あやね「え……??」





山「あやねっ!!」




名前で呼ばれた…





男子で一番に呼んでくれたのは翔太だった。





二番目は山。




以外にいやな気持ちにはならなかった。




むしろなんだか嬉しかった。





山「朝っ…」






あやね「朝??」





山「今日さ…朝っ…何やってたの??」





あやね「あさ~???」





あたしは頭をフル回転して早く思い出そうとした。






朝…




あ…




朝は翔太と…




でもコレだけはいいたくなかった。




山「朝…なにしてた??」




あやね「あっ…朝は普通に登校したよっ!!」





山「しょーたー??」




あやね「!!!!!」





なんでばれてんの?!




あたしはビックリして立ち上がってしまった。



あやね「なんで…しってんの??」





山「見ちゃったんだ…俺…」




あやね「・・・」





山「俺…俺もあやねのこと心配なんだよっ」





あやね「ありがとう」





山「俺にも教えてくれないかな…翔太にも聞いたんだけど

  

  詳しくは教えてくれないんだよ。


  あの翔太がっ…。」





翔太はものすごーく口が軽いやつだった。




正直あの約束を交わしたときは





すこししんぱいだったけど…





言わないでくれたんだ。





優しいね。





翔太…





でもコレ…山にも言っていいのかな。




まどかは…まどかは山を。




山「お願いっ!!教えてくれよ。俺なんでもするから。」





あたしは少しずつ心のどこかがほぐれた気持ちになった。




そーだっ…




あやね「まって!!あたしもその前にききたいことがあるんだけど…」





山「何??」





あやね「なんで教室にあたしがいるってわかったの??」





山「先生が朝言ってったじゃん!!」





あやね「あっ…そっか…じゃあなんで走ってきたの?しかも今の時間に!!


テスト中にもこれたじゃん!!なんで??


なんでテストが終わってからきたの??」






山「そっ…それはぁ…」




あたしはその答えに少し期待してしまった。



前に翔太の言ったことをまた思い出してしまったから。