第二十話




とっさにチョコを隠した。








バレバレなのに…









自転車だからすぐにきた。









翔太「何してんの??」









あやね「しょっ…翔太こそ…何してたの??」









翔太「俺は…とおるん家いて、ほんと今さっきまでトシと遊んでたよ!!」










翔太はとおるの手を見て。








「あやね…チョコあげたの??」








あやね「う…ん…」







とおる「もう一個あったろ??お前誰に上げんの??」








二人の視線が痛い。








あたしのチョコを持つ手がギュッときつくなる。









ばかっ








とおるのばかーーーっ









翔太「行きなよ。いってきな!」





え…??




あたしはいきなりの言葉にビックリしたのと





感激のあまりウルウルきてしまった。





その言葉は一瞬で理解できた。





あやね「ごめんっ…ごめんねっっ…ありがとう」




なにもしゃべらないあたしの気持ちに気づいてくれたのか、





あたしの心をもう知ってしまったか。






どれかはわからないけど




でも…




でもあたしはやっぱり気持ちが変わらなかった。




ありがとう、ありがとう翔太。





翔太は優しいよ。




一生大好きだからっ。





あたしの足は必死に動いていた。




死ぬ気でもがいていた。





早く!!



はやくーーーっ!!





途中何があったかわからない。





信号なんて…





止まったっけ??





もぅなにも覚えていない。






どの道通ったっけ…




そんなことどーでもいい…





ただ…ただ早く…




早く…!!!!!







どれほど走ったか…




ものすごく時間が長く感じた。




気づいたら叫んでた。




「やまーーーーーーっっっっっ!!!」




周りが振り向いても関係ない。




今のあたしには関係なかった。





ビックリした山は、振り向く。




そして息切れしているあたしのもとに走ってきた。




ひいたかな??



大丈夫かな??




山「あやねーっ!!どうしたの??」




あやね「はぁっ…はーはー…やっ、山…」




息しか出てこない。




山「とりあえず…落ち着こう!!」




少し休んだら落ち着いた。





あやね「山!!はい!!」




あたしはグチャグチャになったチョコを渡した。





山「…え…??俺に…??」




あやね「山以外に誰がいんのよっ!!ばーか!!」




笑って舌を出すあたし。





山「あ…ありがとう。

  

  俺…俺なんかがもらっていいのかな??」




あやね「山じゃなきゃだめだよ。」






山「うれしい・・・ありがとう!!」




こうしてバレンタインは幕をとじた。




次の日の学校からはみんな普通に接してた。





翔太も、とおるも、もちろん山も。




それでね!!




あたしにとってすっごくうれしいことがおきたんだ。

第十九話





あっ…






どうしよう…





とりあえずとおる…





真っ白な頭の中に山の顔が浮かんだ。





なんで…??




翔太じゃないの??




わからない自分に混乱しながらとおるの家へ。





「とおるーーーーっっ!!」




名前を呼ぶとまだなかに友達が残ってたようで




3人ほど出てきた。





とおる「うっ…あやねーっ!!」





あやね「なんだよその顔…せっかくもってきてあげたのにーブー」





少々ブーイングをした。




出てきた男子がニヤニヤしてこっちを向いてる。




あたしはそんななか気にしないでチョコをあげた。




とおる「あ…ありがとう」




なんだかいつもと様子が違う。




あやね「ん…??ま、いーやっ!!じゃあ明日またほめてねー」





帰ろうとしたとき、




とおる「待って!!」





あやね「なに??お返しならホワイトデーだよ??」




とおる…?




じゃーねーとほかの男子が帰ってく…




とおる「6時って言ったじゃん!!なんでこんなはえんだよ」




あやね「え…??別にいーじゃん。だってちゃんと渡せたしっ」




とおる「だって…」




あやね「だってぇぇ??」




あたしはいつもの調子でふざけて下を向いた




とおるの顔をのぞきこんだ。





とおるはいつもと違って顔を背けた。





いつもは一緒にふざけてくれるのに…





あやね「とお…る??」





とおる「二人きりでもらいたかったんだよ」





あやね「…え??」




とおるははっとした様子でいつもの表情に戻った。





とおる「っていうか、二人だけで味見よーと思ってさっ!!」






あたしはなんだか納得してしまって





あやね「あ!!そーゆーこと!!ごめんねー」





そこにはほっとしてる自分がいた。





「あーやーねーーーーっ」




ふりむくと翔太が遠くから自転車で走ってくるのが見えた。





第十八話




結局ママの予想通りチョコは味見用をいれて4つだけしかできなかった。





3つラッピングを済ませて、





パパと、とおるにはカードを入れた。





あとひとつ…




ラッピングしただけ。




誰にあげるかは、やっぱり決められなかった。





とりあえず味見をママとしてみた。





「お…おいしー!!」





ハッピーアイスクリームだ。





あやね「やっぱ高いだけあるね。」





このチョコは本物だったらしい。




たまに高いだけでまずいのもあるし…





バレンタインは明日だ。






~~日曜日~~




ママ「あやねー」





あやね「はーい」





今日は珍しくママに起こされる前に起きていた。




目が覚めてしまったのだ。





返事が返ってきたことにママはビックリ。





母「珍しいわねーおはよっ」





あやね「おはよー」





あたしはすでに着替えてリビングへいった。




あやね「ご飯食べ終わったらとおるん家いってくるー」




テレビを見ながらママにそう話しかけた。




母「あ!!行く前にとおるの家に電話すればー??


いってからいなかったらいやでしょ!!」





あやね「そーだね!!」





あたしはいそいでご飯を食べて、とおるの家に電話した。




プルルルルル…




とおるの母「はいもしもし。山田です」




あやね「あ…杉田ですけど…」





とおる母「あ…とおるねーちょっとまってねー」





というと電話の向こうから





とおるーあやねちゃんだよー




と、叫ぶ声が聞こえてきた。




少しして、電話の奥でガサガサッっという音がした。





とおる「もしもしー??あやねー」





あやね「あーとおる??今日チョコいついけばいい??」




とおる「うーん…ごめん。今からちょっと遊ぶから


    6時ごろ家に来てもらってもいい??」





あやね「あー…わかった…じゃあ、あとでね!!」





とおる「はーい。ばいばーい」





ぶちっ…プープープー・・・





はぁー




なんだかいきなり暇になったような気がした。





あ…




まてよ?!




もしもとおるの家で遊ぶってことなら、





ちょっとくらい早めにいってもいいんじゃないのか??





勝手に解釈して5時半くらいに行こうと思った。





早く成功したチョコを渡して褒めてもらいたかったのだ。





とおるは料理が上手いので、




ほめて貰えるとうれしい…








そしていよいよ5時半くらいになったので




行くことにした。




近づくと案の定男子たちがとおるの家から





ゾロゾロでてくる。




あれっ…




あれは??




男子の集団のなかであたしは見つけちゃったんだ。





持ってきたチョコはとおるのもいれて2つ。





あやねの目に入ったのは




翔太と山だった。