第二十三話
まどかと仲直りして1年間。
またバレンタインがきた。
あたしはもぅ迷わなかった。
翔太にも、とおるにもチョコをあげたけど、
本人たちももぅ気づいていた。
二人とも決まってこういった。
「ありがとう。義理だけど。がんばってね」
そぅ。
がんばってねって??
誰にあげるって??
「山ーーーー!!」
そぅ叫ぶと山は振り向く。
まってました!というくらいに。
チョコを渡した。
喜んでくれた。
お返しが楽しみになった。
あたしはただ好きだという気持ちを
直接伝える気はなかったし、
小学生だったから付き合うとかそんなこと考えもしなかった。
でもあの日あたしの人生の針が狂った。
それはホワイトデーのお返しの日だった。
あたしは待ち合わせの場所にいた。
ひとがめったにこない公園。
あたしの「誰にも見られたくない!」というわがままな希望に
山がこたえてわざわざここで待ち合わせてくれたのだ。
「あっ…」
あたしは小さく声を出した。
山が来た。
自転車をとめてあたしのほうに近寄ってきた。
あたしは帰って誰もいないほうが
緊張するから失敗したなぁ…
と思った。
山が深呼吸している。
「はい…」
「ありがとぅ…」
結構な沈黙だった。
ううん。
10秒くらいだったかもしれない。
そのときだった。
「あの…話があるんだけど。」
あたしはいつもの会話のように聞いていた。
「何??」
山の表情は真剣だった。