第二十三話





まどかと仲直りして1年間。




またバレンタインがきた。





あたしはもぅ迷わなかった。





翔太にも、とおるにもチョコをあげたけど、






本人たちももぅ気づいていた。





二人とも決まってこういった。




「ありがとう。義理だけど。がんばってね」





そぅ。





がんばってねって??




誰にあげるって??





「山ーーーー!!」






そぅ叫ぶと山は振り向く。





まってました!というくらいに。






チョコを渡した。





喜んでくれた。




お返しが楽しみになった。





あたしはただ好きだという気持ちを





直接伝える気はなかったし、




小学生だったから付き合うとかそんなこと考えもしなかった。





でもあの日あたしの人生の針が狂った。





それはホワイトデーのお返しの日だった。





あたしは待ち合わせの場所にいた。




ひとがめったにこない公園。





あたしの「誰にも見られたくない!」というわがままな希望に






山がこたえてわざわざここで待ち合わせてくれたのだ。






「あっ…」





あたしは小さく声を出した。





山が来た。




自転車をとめてあたしのほうに近寄ってきた。





あたしは帰って誰もいないほうが




緊張するから失敗したなぁ…




と思った。





山が深呼吸している。





「はい…」




「ありがとぅ…」





結構な沈黙だった。




ううん。




10秒くらいだったかもしれない。





そのときだった。




「あの…話があるんだけど。」





あたしはいつもの会話のように聞いていた。





「何??」




山の表情は真剣だった。






第二十二話





「まどか…??なんで…」





まどかはうつむいていた。




なんで??




なんで今謝った??





確かに謝るようなことはした。





でもっ…




なんで??





まどか「あの…今までごめんっ!!」




まどかはひたすら頭を下げた。




あたしは憎い一方、まどかが




かわいそうになって助けた。




あやね「顔を上げて、なんであたしに謝ったの?」





まどかは今にも泣き出しそうな感じで





話し始めた。





まどか「昨日…電話かかってきた。


     翔太・とおる…

   

     山からも…」





あたしはどきっとした…





まさかっ!!






まどか「そんでみんなおんなじようなことをいってきた。


     あやねは愛されてるよ。


     あたしなんて誰もだめだよね…


     嫉妬がここまでくると思わなかった。


     あたし性格悪いから…


     あやね、ほんとごめん」







まどかは話し続けた。





すると教室のドアが急に開いて、出てきた。






その3人が。





まどかはひたすら謝った。





「ごめん…ごめんなさい、ごめんなさい…」




小さい、消えそうな声で。





何度も、何度も…




それから少しして5人で話した。





あたしとまどかは仲直りした。




でも…





あたしたちはもぅ遊ぶことはなかった。





時はどんどん過ぎていったけど




まどかとの距離は縮まらず





気まずい雰囲気ばかりが残っていった。






そのうちお互いをあまりきにしなくなり、





あっというまに1年間がたった。


第二十一話





学校に着いて、





下駄箱で靴履き替えて、





教室に入って、





そんなあたりまえのことを







今日もまた、くりかえしていた。





いつものように…





教室に入ろうとしたんだ。






そしたらっ…





「あっ…」




まどかが一人ぽつんと教室の隅でそわそわしていた。





きまずいなぁ…




あたし、たまたま早く着たい気分だったから…





早くなんて来なきゃよかった。





あたしは無言で席に着いた。





手が少し震える…





とつぜんまどかが話しかけてきた。





「あっ…あゃね…」





声が少し小さかった。





それでもあたしにはそんなこと考える余裕はなかった。





ただ、怖くて怖くて、





振り返るのだけで精一杯だった。





あたしが振り返るとまどかは気をつけの格好で





こっちを向いていた。





「あやねっ!!あやねっ…!!」





なにっ??



なにが起きるの???????




返事もできずにまどかを見つめていた。






「ごっ…」




ご…??




「ごめんなさぃっ!!!!」







へ…?




あたし…今まどかに謝られたの?