これまで機体概要および外装品の種類・コンフィギュレーションが中心に据えられていた「大解剖シリーズ」、今回はインテリアに特化させる初の試みです。

 

この記事は以前投稿した「スカイマーク737-800 BSIの3仕様比較」を、在来キャビンも交えて増強・再整理したものです。

元来は友人向けに作ったものをほぼ転載しているので文章を常態から敬体に変換する作業はあまりのめんどくささに省略してしまっていますが、容赦願いたい次第であります。

また若干整理分類を名乗るくせして詰めが甘い所もありますが、個人の努力の上限として甘くみてください。あくまで「参考」にとどめてもらえると(誠に勝手ながら)幸いなのであります。

そもそも全機全席全機内装備品についてこの目で確認記録分析(可能なら時間的要素も加味した分類)するのがスジですが、そちらは未完の状態であり、限定的な現物検証によって原則検証され、また差異の発生経緯については原則として周辺事情の考慮から最も自然な解釈と考えられる勝手な推測であることも留意願いたい所です。

スカイマークの738に関しては外装品もやや特集する価値があると感じているのでこの記事に付け足すのか別記事にするのか、またぬぼーっと考えて気が向いたら足すことにします。

 

↓旧記事↓

 

<改訂・編集・修正履歴>

まだ改訂はありません。

 

 

 INDEX 

 

I.         整理の目的

II.        整理の手法

III.       機材運用上の分類

IV.       内装分類+キャビンインテリアライティングオペレーション

V.        総括

 

 I. 整理の目的 

スカイマークは1999年に767で羽田=福岡を開設したことに端を発するエアラインである。機材は767-300ERを中心に一時期767-200も1機加えて運用、2006年の神戸空港開港に合わせて737-800の導入がスタートした。

2014年のA330導入、2015年の経営破綻に伴い少々機材の整理があったものの、2025年現在で28機が運用中である。これらは全て同じ仕様というわけではなく各所に差異が生まれている。今回はこれらを内装品の観点から整理し、またインテリアライトの運用についても一部触れていく。今回の整理は完全に独自のものであることは冒頭に付記した通りである。

とりわけ今回はまずは内装に絞って整理する。

 
 II. 整理の手法 

現物を原則に、写真・文献・インターネット上の資料を参照する。特に差が発生した原因など根拠が取りづらいもので検証が難しいものは、その記述は推定またはそれに準ずる程度である。

画像では、特記のないものは作者が自ら撮影したものである。


 III.  機材運用上の分類 

スカイマークは2025年2月時点では国内線のみを運航しているが、直近は成田=サイパン線などの国際線を就航させていた。また神戸空港の国際化に伴って国際定期便の運用が復活する可能性は大いにある。少なくとも定期で運用実績のある成田=サイパンではETOPS取得機が専用で運用されていた。これらは内際兼用機であるから「国際線専用機」ではなく「国際線対応機」というのがより正確である。本稿では「ETOPS機」として表記する。

 

 IV. 内装分類 

この章ではシートなどスカイマーク全体のキャビン仕様を整理していく。

スカイマークのキャビンは「おおまかに」以下のように分類することができる。

まず大まかにBSIか否かという観点から二分できる。BSIとはBoeing Sky Interior(ボーイングスカイインテリア)の略称で、より機内空間の改善を目指したキャビン仕様である。スカイマークではJA73NFからこのBSI仕様を採用しており、それ以前の機体は非BSIまたは在来キャビンと称してさらにその分類を行う。なお海外ではオーバーヘッドビンのタイプのみBSI仕様のものを使った形態があるが、日本においては採用されていない。

 

 

VI-1  在来キャビン在来×紺シート(非ETOPS)

まずは在来キャビン(非BSI)から見ていく。このうち最も初期の仕様である「在来×紺シート(非ETOPS)」から探検してみる。

機内概観。この仕様はJA737N,Q,R,Tが該当する。

日本では数多の737-800が飛び交うが、多数を占める全日空・日航では(全日空を飛ぶ4機を除いて)在来型のみで、そのほかのエアラインではBSIが多勢を占めている。

BSIの内装はそこに触れた折に記述する。

先述の大手2社を除いて11機という最も多くの在来型キャビンを有するのがスカイマークで、他にはソラシドに1機、JTAに2機が在籍するに留まっている。

照明は蛍光灯で構成されていて、天井には前方・中央にそれぞれ一つのラフトストウェージ(救命筏格納場所)が備えられている。

在来型キャビンにはレカロ製の紺色の座席が並び、重厚な雰囲気になっている。コンフィグはモノクラス178席。充電用コンセントは装備されておらず、電子機器を多用する人にとってはこの意味で「少しハズレ」かもしれない。

2025年時点で最前列は「フォワードシート」という名称で足元が広い座席として販売されていて、シートカバーを紺色から白色に変更することで目立つように工夫されている。

これは全機共通だが、通路には蓄光テープが引かれている。これはPhotoluminescence Stripと呼ばれるもので非常時(特に夜間)に非常口までの経路を示す役割がある。

シートポケットはテーブルの下にポケットが配される一般的な構造。

テーブルは手前に倒して使用する。また倒した後もさらに手前に引き出し、より自身の体に近づけられる設計になっている。

シートピッチは十分に確保されていて、一部、窓なし席が存在する(12列目)。

サイドウォールコンポーネントの設計が全般角ばっていて、キャビンのデザイン全体が「カド」のある印象を与える。

非常口席は2列が設けられ、ここを利用する乗客は運送約款によって非常時の援助を行うことが定められている。

紺シート機材(少なくとも確認したJA737Q、また友人によってJA737Rも同様であることが確認済)の場合、前方列の座席は固定式アームレストで、後列は一般座席と可動式アームレストを採用していて固定式アームレストの座席は最前方にも同じものが使用されている。例えば全日空では非常口席では全席固定式アームレストが採用されていて、この中にはテーブルが納められている。非常口席ではテーブルが撤去されているからである。スカイマークではテーブルは撤去されていない。

(写真提供:Nemuing7)

またドア上部にはハンドルがあるためサンシェードが上からではなく下から持ち上げる形をとっている。また通路確保の観点と推定されるが、窓側座席の肘掛けは途中で切られたデザインになっている。

 

<TOPIC・"Raft Stowage"の名称差異>

737におけるOverhead Raft Storageは一部でRaft Stowageとも表記されている。

例えば後述BSIではraft StowageにLightが取り付けられてCenter Overhead Stowage Lightと呼ばれている。しかしこれのメーカーであるRockwell CollinsのいうStowageはraft StowageではなくStowage Bin(俗にいうOverhead Bin)のことを指していて取付図でのRaft StowageはRaft Storageと呼ばれている。

対してFAAは2012年に737-800/900ERに対して発行したSB(SB737-25-1641)の図中でOverhead Stowageという言葉を用いていてその違いが判然としていない。

しかしメーカーが敢えて両者を併記した状態でStorageという言葉を使用していることから、ここではStorageを標準に使用する。

<TOPICここまで>

 

 

 

 

VI-2 在来キャビン×ベージュシート

1枚目はベースが在来キャビンなのでおおまかには先ほどと似たデザインになっている。しかし2枚目ETOPS機ではラフトストレージが2つに増やされているのが特徴的。

3機が存在するベージュのETOPSであるが、ETOPS×紺シートの組み合わせはわずか1機のみのため、搭乗するのは困難であろう。


また非BSIでは、オーバーヘッドビンはフタを上方に持ち上げるタイプを採用している。すべての棚を利用できるわけではなく、15,16列目にはインファント用ライフベスト、ELTや非常食糧が格納されている。棚を開放すると一部が区切られておかれているので誰でもその位置を知り、また外見を観察することはできる。手を伸ばして触れる位置にあるが、緊急時以外にこれはもちろん触れてはいけない。

ETOPS機の場合、センターのラフトストレージも2つが装備されている。ETOPSを取得するための要件として、2つ以上のラフト搭載が義務付けられていることが推定される。

JA737X,Z,NAが該当する非BSI+非ETOPS機ではラフトストレージが前方、中央にそれぞれ一つである。この点はシートが紺色であってもベージュであっても共通で、最初に挙げたキャビンのシートを紺色からベージュに変えただけ、と取れば簡単である。

 

 

 

VI-3 機内照明とその運用(在来キャビン)

機内照明は読書灯(PAX Reading Light)を除いて主に①Sidewall Light ②Ceiling Lightの二つで構成されていて、それぞれが独立して明るさが操作可能である。このほか非常脱出時には機内のEXITサインやオーバーヘッドビンにあるランプなどが点灯し乗客を非常口まで誘導するが通常運航では使用しない。

 

 OWE(Over Wing Exit=翼上非常口15,16列目)にはサインとは別に照明がウインドウ上に設けられていて、これはキャビンインテリアライトに類される。以下照明におけるOWEとはこの非常口またはこれに取り付けられたライトのことを指す。余談ながら最近ではOWEハンドル格納部に緊急時以外手を触れてはならないというシールが追加で貼り付けられるようになった。


またベージュシートでは非常口席窓側の肘掛けは完全に撤去された。

 

夜間の飛行では飛行フェーズに応じて照明の調節が行われる。

写真のようにサイドウォールとシーリング・OWEライトがフルで点灯するのは、以下のフェーズである。

・乗客搭乗中〜タキシング中(T/O前点検終了まで)

・降下中、FAによる機内点検実施の間

・着陸滑走終了後(滑走路から離脱している必要はない)

FAはタキシング中、シートベルトやオーバーヘッドビンの状況を点検するが、それが済むと滑走路に到達するまでの間にサイドウォールとOWEを消灯する。

この照明が適用されるフェーズは以下のとおり。

・タキシーアウト後、機内点検を終えて滑走路付近に到達するまで

・上昇中、着陸灯消灯とほぼ同時のタイミング

・水平飛行(シートベルトサイン消灯中)~降下開始(シートベルトサイン消灯中)

・着陸前機内点検終了〜着陸直前

 

離陸の準備が整うと4チャイムの後、シーリングライトもDIMに切り替えられる。

なお4チャイムは操縦席のCBN-NOTIFコンソールのBLT-SGNスイッチを切り替えることで鳴動するが、離陸時のチャイムではベルトサインは点灯したまま(若干の明滅はある)、着陸準備(ベルトサイン点灯)の4チャイムではサインがはっきり点滅する点で差異がある。

この時シーリングはOFFではなく一部点いたDIM状態である。純粋にこの形態は機内が著しく暗くなるが、大概乗客の携帯や読書灯で部分的に明るい場合がある。

この照明が適用されるのは

・離陸直前(4call)~着陸灯消灯(10,000ft到達?)まで

・着陸直前(ギアダウン前後)〜着陸滑走終了直前(誘導路から離脱のためブレーキを緩めたタイミングまたは駐機場への移動途中)

である。

各種照明形態への移行は通常の電気の消灯と似たような挙動である。

 

L1ドア付近にコントロールパネルがあり(上写真下方向黒い三つのツマミ)、ここで機内照明の調節を行っている。他にはENTERTAINMENTのスイッチ(スカイマークではIFEを提供していないためINOPシール貼付)、PC POWERのスイッチがある。紺シート機の場合は電源を装備していないのでこのスイッチにもINOPシールが貼られているか、もしくはスイッチそのものがないことが考えられる。 

 

余談だが、R1ドア付近には電源系統のコントロールパネルがある。もちろんだがこれらの乗務員用設備に乗客たる私たちは絶対に触らないようにしよう。

 

IV-4 その他機内設備(非BSI)

 

オーバーヘッドのパッセンジャーサービスユニット(PSU)は一般的な仕様で、こちらは非BSIであればシートの種を問わず共通である。

ベルトサインと禁煙サインのほか読書灯と送風口が2つ1セットで3人分配置されている。送風口はつまみを捻ることで風量を調整する。

その上にはコールボタンと読書灯スイッチがあるが、コールボタンは人数分ではなく2つしかないのも興味深い。

(一部端末にて写真非表示の不具合確認済)

非BSIキャビンでは壁面がライトグレーとグレーのストライプで装飾されている。遠くから見ると特に着色のないように見えるが実際はこのような模様が入っている。

 


VI-5 BSIキャビン(非ETOPS)

それではBSI(Boeing Sky Interior)仕様機に移行する。

BSIにはETOPSの取得有無で少々内装が異なるが、その相違点も非BSIとほぼ同じなので特段ややこしいことではない。

BSIキャビンの標準形態。BSI自体がより機内空間を広く見せるのがコンセプトであるから、この写真一枚でもその要素を感じ取ることができる。例えばオーバーヘッドビンは開く方向が在来キャビンとは完全に逆転していて、棚そのものが扉も兼ねるようになっている。

壁面をはじめ照明もLEDに統一されたこと、サイドウォールが白色に変更されたことから明るい印象を与えるキャビンに仕上がっている。なおこれ以降の機材は全てベージュシートを搭載しているためBSI仕様機に紺シートが組み合わさることはない。

 

インテリアにかかる主な配色は壁面を除いて共通で、紺色のカーペットが敷かれている。

いかに照明の変更、ビンの設計が機内の印象に影響を与えるかを窺い知ることができる。

ただし最後期3機についてはカーペットがグレイに変更され、機内の第一印象が大きく変わった。

 

壁面はざらざらした表面処理で、真っ白に塗られている。

模様は入らなくなったぶん、いくらか明るく見える。

 

以後BSIに特徴的な部分から観察する。

まずシーリングライトがより凝った間接照明になったため、全体的にソフトな印象を与えている。

四角だった窓フレームは丸みを帯びたものに変更され、さながら窓の形状が丸くなったかのような印象さえ受ける。もちろん実際の窓の大きさに変更はないが、大きくなったようにも感じられるデザインとなった。なお外から見てBSIは若干の内装の張り出しを見ることができる。

 

非常口席の肘掛けは最後期3機に限って紺シートと同程度に復活している↓。

BSIに限ったことではないがベージュのシートを搭載した機体は最新の3機を除いたすべてが座面下にコンセントを備え、窓側席に一つ、通路側席に2つが縦配置で装備されている(下写真座面下部に緑色のランプが点灯しているところ)。

最後期3機のシートはやや改良型が採用され、薄型背もたれの採用、シートポケットの増設、電源の移設が特徴的である。
またコンセントだけではなくUSBポートも増設された。

 

シートベルトのバックル部も設計が変更されたもの(上左写真。右は従来品)が使用されているが、既存の機体に対してレトロフィットが行われているかは全機の全座席を調査せねばならず、不明である。ただしこれまでに既存のBSIに対してこのモデルのシートベルト装備例は確認できていない。

 

VI-6 BSIキャビン(ETOPS)

国際線対応機材として8機が飛ぶETOPS機では基本のBSI仕様に沿いながら幾つか変更が加えられている。

スカイマークのETOPS機では在来キャビンの項目でも触れたとおり前方・中央に2つずつラフトストレージを備えているが、BSIでは在来キャビンと異なり間接照明型のシーリングライトを採用しているのでラフトストレージをインストールすると照明を遮ってしまうことになる。そのためラフトストレージに直接ライトを取り付けることでこの問題を解決した(Ceiling Overhead Storage=COS Light)。

ラフトストレージは18〜22列にかけて備えられているため、後方からは15-16列目のシーリングにあるEXITサインが十分に視認できない可能性がある。

そのためか、BSIの有無を問わずラフトストレージを備えた機体ではマウント部を大きくとったEXITサインが掲出されている(下左写真。右は従来)

 

<TOPIC・EXITサインインストール扱い>

EXITサインは右写真のバージョンが最もスタンダードだが、ラフトストレージの取り付けに対する各オペレーターの対応は様々。
日航におけるV40ではスカイマークに同じく視認性向上が理由と推定されるが、スカイマークとは異なり通路に対して中心から外した置き方(オフセットインストールまたは単にオフセットと勝手に呼んでいる)を採用している。またNUではラフトストレージを装備していないにも関わらず(!)左図のようなマウントを高くとったタイプを採用している。

要はシーリングのコンフィグによってサインのロケーションが規定されているというわけでもなくある程度はオペレーターの裁量ということがわかる。

↓資料:オフセットのEXITサイン(日航JA323J)

<TOPICここまで>

 

 

 

FWDのCOS Light。奥がL/R1ドア。COSの奥にはカマボコ型の間接照明があるが、これはCove Lightといい単純に客室前方を明るくする機能がある。これはETOPS機に限らず全てのBSIに装備されているので目にする機会は多い。Coveという単語は「入り江」を意味し、その形状から命名されたことが推定される。

最後期3機のCOSライトは埋め込み式になったぶんスマートな外見になった。

 

VI-7 スカイマーク内装的異端児JA73NR

CBN-LT/CONFで独特の形態を有するのがJA73NRである。

同機はBSI未取得ながらラフトストレージを前方・中央に各1つ(ETOPS取得機比-1)に備えている特殊なコンフィギュレーションになっている。

以前は同様の形態がJA73NHにも存在していたもののA330導入に伴う機材整理で退役しており、2025年2月現在JA73NRでしか見ることのできないスカイマークで最も希少性の高いBSI仕様機と言える。

 

VI-8 照明運用(BSI)

ここでは前項非BSIの照明運用にほぼ準じて運航フェーズごとの機内照明の運用を整理する。

傾向的にそうした運用が多い、という程度であり必ずしもそう規定されているわけではないことに留意されたい。

BSI仕様機ではLEDを活かして色の変化、変化のグラデーション化などの特徴が見られる。

ただし変化量は乗務員の裁量ではなくモニタータッチによって制御されている。

 

BSIのライティングコンフュギュレーションは以下の種類がある(訳は筆者)。

①Bording/Deplane=搭乗・降機

②Take-off/Landing=離着陸

③Cruise=巡航

④Night/Sleep=夜間飛行

⑤Meal/beverage=ミール・ドリンクサービス

⑥Sunset/Sunrise=サンセット・サンライズ

⑦White Bright=ホワイト

⑧white Medium=ホワイトミディアム

⑨OFF=消灯

 

一部の照明形態はその様子を以下列挙しておく。

↑Cruise選択時。個人的な経験に基づくと最も飛行中に適用される割合が多く感じる。

 

↑Meal/Beverage選択時。Sunset/sunriseはもう少しオレンジが強いらしい。筆者は当たったことがない。

このほか様々な形態があるが、どれがどれなのか判定することは難しい。しかし照明がどんなふうに変わっているか見て楽しむことができる。1時間前後のフライトであればこれだけで1フライト楽しめると言っても過言ではない。

 

なお非常時にはEXITサインを含めて点灯するようになっているが、通常運航では点灯しない。

BSIの機内照明はスイッチ(ツマミ)式からタッチモニタに変化を遂げた。

搭乗時は写真のようにシーリング・coveライトを写したトップページが特に印象的だが、ETOPS機であればこのあとすぐに実物のそこを見ればCOSライトが追加されている点は一目瞭然である。実際はこのコントロールパネルに幾つかの形態がボタン風に表示されていて、それぞれを選択することで照明を変更している。

 

VI-9 その他機内装備品(BSI特記事項限定)

オーバーヘッドのパッセンジャーサービスユニット(PSU)は装備する機能そのものは非BSI仕様機から大きく変更はない。

コールボタンは一つになり、色は青色に変更された。また位置も読書灯の隣からベルトサインの隣に変更された。これは読書灯とコールボタンの押し間違いを防ぐためである。

PSUに格納式モニターが装備されているオペレーターもあるが、スカイマークではどの機もモニターを装備していない。

 

<TOPIC・スカイマークBSIインテリア最大の謎、座席表示プレート文字カラー>
機内で使わない人はいないプレート。あの「通路側 19H J K 窓側」とか書いているあれである。
実はあのプレートはグレーとゴールドの二種類の色が存在する。

機体によってはどちらかに統一されているし、バラついていてもどの列がどの色かは機材によっても異なるし若干同じ列でもサイドウォールを参照して位置が異なる場合もある。基準、理由、全てが謎に包まれている。
ちなみにETOPSの取得有無はここには関連がないことまでは確認できている。

<TOPICここまで>
 

 

 V.総括 

低価格運賃が魅力的でかつ大手級の全国ネットワークが強みのスカイマーク。

その便利さゆえに好んで乗る人も多いのではないだろうか。

しかし観光地たる那覇・下地島・千歳、幹線の福岡・羽田では機材が単通路ゆえに窓側が取りづらいのが難点である。どの路線でも予約は窓側から埋まり最後にいつも残るのは真ん中席である。

景色が見えないことは一般的に退屈だろうが、ここをなんとか楽しむ方法が内装探求である。

長距離路線では特に眠るだけでやり過ごすのも難しい次第(目が醒めるフェーズもあるし窓側の人がトイレに立つことも…)、内装を楽しめたら優勝ではなかろうか。

ガバガバな探求ではあるが、空の旅の楽しみの一助となれば、あわよくばインテリア探求を理由にスカイマークを選ぶ人が出てきてくれたならば、これは1人のファンとして嬉しい限りである。