俺の妹がこんなに可愛いわけがない (12)
やれやれ……俺が長々と語ってきたこの物語にも、そろそろ終わりが見えてきたようだ。まあんなこと言っても、物語ってのはたいがいラスト付近が一番キツいもんで、俺の高校生活最後の数ヶ月は、そりゃもう大変なことになる。まさしくクライマックスってやつだ。そんなの、平穏を愛する俺の人生にはいらねーのにな。けど、まあ、やってみるさ。地に足つけない、嵐のような人生も、なってみりゃあ面白い。手ぇ抜くのはもったいないし――俺が始めた物語には、俺自身がケリを付けるべきだろう。
……ここまで付き合ってくれて、ありがとうな。
―――――――――――――――――――――――――――――――
完結することでここまで話題になるなんてすごいよなぁ。俺妹の人気ってのを改めて感じた。見開き絵見た時点でちょっと感動しちゃったのはここだけの秘密。
あやせ、黒猫、加奈子に麻奈実。それぞれの想いと向き合い決着をつけるべく、京介は足を踏み出す。果たして京介が選んだ選択肢とは……?
みんな見ていて胸が締め付けられる、そんな幕引きだったように思う。その中であって特に印象に残ったのは、やっぱあやせかなあ。
告白から引っ張ってただけあって、どうなるんだ?とワクワクしながら読み進めて。相変わらずの罵倒は健在で安心すると共に、もうそれも終わりなんだな……と寂しさもありつつ。
当初と違って信頼感というか、夫婦であるかのような仲睦まじい空気を感じた。
京介とあやせの買い物。買い物先で会ったフェイトさんに半ば押し付けられる形で預けられた赤ちゃん。今ちょうどちびっ子達の世話をしているから、なんかタイムリーだなぁと思ったりも(笑) 例のえっちぃハプニングには正直にやけた。
別れた後も京介を後押しする黒猫の健気さたるやね……(涙) 照れ隠しのためか厨二病な台詞が増えたりするのがまた可愛かった。
桐乃への告白、からのクリスマスデート。ロマンチックで素敵だった。
いちゃいちゃしてないだろ?とか白々しすぎるぜ! 爆発しろ!
卒業式を終えた京介と桐乃の前に麻奈実が姿を現す。「兄妹で付き合うなんて、気持ち悪いよ」と現実をつきつける麻奈実。そこからの殴り合い掴みあいの喧嘩は涙なしには読むことの出来ないものでした。
麻奈実の厳しい言葉も京介を好きであるが故。そんな彼女が最後に泣きながら想いを伝える場面には非常に心打たれました。
社会も法律も兄妹での恋愛を許さないのは分かっている。それでも妹が、桐乃が好きなのだと、いくつもの告白を断ってまで宣言する京介、すげぇかっこよかったよ。
兄妹に始まり兄妹に終わる。ハートフルでちょっぴり切ない、そんな素敵な恋物語でした。最後まで本当に面白かった! 伏見先生、お疲れ様でした……!