「スカイ・ワールド」感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

スカイ・ワールド
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魔法と科学技術が同居し、島から島へと旅をするオンラインRPG『スカイ・ワールド』。その中に閉じ込められた凄腕のゲーマー・ジュンは、偶然助けた初心者のプレイヤー・かすみに弟子入りを志願されてしまい――

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その世界に来るまで彼、三木盛淳一朗は至って真面目、学業優秀でゲーム好きな普通の高校生だった。
MMOPRG「スカイワールド」のプレイヤーが突如失踪したとの情報をニュースで知る淳一朗。その後彼の前に現れたのは謎のゴスロリ少女、アリス。彼女の誘いを受け、ゲームの世界へ。次に目を覚ましたときには、見たことのない西洋風の世界が眼前に広がっていた。
三木盛淳一朗はプレイヤー「ジュン」としてスカイワールドの世界で過ごし、既に三ヶ月が経っていた。とある日のこと。クエストクリアのために奔走していたジュンはその道中、モンスターに襲われている少女、有香崎かすみを見つける。二体のモンスターに挟み撃ちにされている彼女が危険だと判断したジュンは助けに入る。

MMORPGというと、某作品の存在が大きいからねぇ。書きやすいテーマなのか、この手の作品は多くあるみたいだし、差別化を図る段階でハードルは高い気がする。
そんな中であって、本作の注目点と言えば、やはりスカイワールドというゲームの世界観であろう。頂点に第一軌道島・アイオーンがあり、その下に第二、第三……と島が続いていく。今回の舞台は第八軌道島・アルタリア島ね。果てしなく広がる大空は自分も飛び立っていきたくなるようでワクワクする。
様々なタイプ、武器、スキル、魔法が存在しているし、システム面に関してもすごく良く作り込まれていた印象。瀬尾さんの、MMOを初めとしたゲームに対する造詣の深さが感じられる。

女性だけで構成されたギルド・紅布騎士団。上の島から落ちてきたかすみはそこに拾われ、エリ達と共に過ごしていたのだという。仲間とはぐれてしまったかすみのために、ジュンは条件付きで第八軌道島・アルタリア島からの脱出に協力することを誓う。
てか、ほんと紅布騎士団は典型的なダメな集団だよなぁ…… リーダーはみんなで楽しくしていられる現状に満足しきっているし、他もなんとなくそれにならっているだけ。他人任せで向上心なんてあったもんじゃない。
馬鹿にされた恨みからジュンを襲うとかムカつくことこの上ない。 コテンパンに返り討ちにしてくれてスッキリしたわー。

ジュンはかすみの特訓を開始する。サポートは勿論エリ。
当面の目標は飛空艇を手に入れること。そのためには、飛空艇入手に必要なキーアイテムを所持しているレイド級モンスター、ヴェイル・ガーディアンを倒さなければいけない。一度下見をし、しっかり計画を練った上で三人はボスに挑む。
かすみの成長ぶりとエリの信頼が見えて良かった。

島でクエストを全て達成したジュンだからこそ手に入れることが出来た力、それが戦闘中の武器チェンジと複数の奥義。
努力に裏打ちされた強さ、すごくいいなぁ。
カイに慢心があったとはいえ、ジュンが不利な状況で負けてしまいそうなところからの逆転勝利。それにはかっこいい、と思わず唸ってしまった。

飛空艇を手に入れ、次なる島、第七軌道島ラオタイに足を踏み入れたジュンたち。
次なる冒険はどんな展開が待ち受けているのか、非常に楽しみです。
武藤さんのイラストが素晴らしすぎる……! 可愛いキャラだけでなくかっこいいキャラも描けちゃうなんて流石ですね!(キラキラした眼差しで)