やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7
修学旅行。それは恋愛とトラウマの多発地帯。
京都への修学旅行を前に、どこか浮き足立つクラスの雰囲気。文化祭以来、教室内でさらに微妙な立ち位置になった八幡だったが、最初から地位なんてないようなもんだしな、と我関せず。ところが、奉仕部に持ちかけられた意外な人物からの「恋の相談」。そこにはまた別の人物の思惑も重なって……。旅行は一気に波乱の予感。複雑な気持ちが渦巻き、答えを出せないまま八幡たちは京都へ。まちがっている青春模様は、まちがっているラブコメ=恋愛模様を生み出すのか。TVアニメ化を直前にさらに盛り上がりを見せるシリーズ第7弾。
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これはまたシリアスに落とし込んで来たなぁ、と。修学旅行というイベントを通じて、また奉仕部メンバーの密かな活動を受けて。各々の登場人物たちは何を思い、どのような本音を隠そうとするのか。八幡はどうやって問題を解決するのか。今回も見所はたくさんです。
スクールカースト上位組に所属するチャラ男、戸部翔が葉山たちを連れて奉仕部へと依頼にやって来る。内容は、海老名姫菜のことが好きなので上手くいくようにサポートをして欲しい、というもの。それを聞いた雪乃と八幡は「上手くいくとは思えない」と早くも諦めモードを漂わせる。しかし結衣はというと、思わぬ形でもたらされた恋バナに乗り気で、応援の意を表す。
一度目こそ引き返したものの、仕切り直しということで、後日改めて奉仕部の部室に訪れた戸部。彼の想いが本気なのだと分かり、渋々ながらも八幡たちはその恋に協力することを約束する。
総武高校の修学旅行先は京都で三泊四日。そう言えば自分も中学のとき京都行ったな~、と読みながら懐かしく思ったり。有名どころは何だかんだでやっぱ覚えているもの。完全な自由行動があるのは羨ましいな。
一日目、清水寺とその周辺で写真撮影。安定の撮影係=八幡。
胎内めぐりで暗闇の中を歩いてドキドキな展開があったりなかったり。
平塚先生に連れられ雪乃と八幡は夜の京都に繰り出す。目的は勿論ラーメン屋。天下一品、食べたことないからいつか行ってみたいな。完全に引いているゆきのんのビクビク感がなんか面白かった(笑)
二日目、太秦映画村から洛西。映画村では役者さんたちによる本格的なお化け屋敷を、八幡もみんなについていく形で入る。結衣と川崎さんに袖掴まれるとか両手に花じゃないですかー!
タクシー移動を経て仁和寺、龍安寺に行き石庭を眺める。
三日目は戸部と海老名さんがいい雰囲気になれそうな場所もピックアップしつつ、そこも含めて回っていく。伏見稲荷、東福寺、北野天満宮、嵐山。
行きの新幹線からグループ行動、部屋でのやり取りまで八幡を癒し続けた大天使戸塚。一緒にお風呂に入るというゲスい夢こそ結局叶わなかったが、今回の旅行で八幡はそれなりにいい思いが出来たんじゃないかしら。
材木座はまた突然現れては変な事言って、微妙な空気をもたらすという。だがそれがいい。当たり前のように部屋にやって来たり、ほんと八幡好きすぎるぞこいつ……
川なんとかさん、もとい川崎さん。修学旅行旅行中にちょくちょく登場してはいたもののあんまり印象には残ってな(ry
結衣に呼び出された海老名さんは竹林の道へとやってくる。海老名さんと相対した戸部は自らの想いを伝えようとした。しかし、そのとき思わぬ横槍が入り……?
今回は「失いたくないもの」と「それぞれの想い」がテーマ。
失ってしまったものは元に戻らない。今の関係が心地良い、大切だと思っているならば、それを失ってしまうかもしれない一歩は踏み出すべきではない。
そもそも失って後悔するなら手に入らない方がいい。これは八幡自身の思いが表れているように思う。
恋愛事が絡んできた場合は特にそう。それこそ告白なんてリスクだらけ。振った振られたの後でも上手くやっていける仲の人間なんてそうそういないんじゃなかろうか。だからこそ三浦や葉山がそうしたわけだし(前者は忠告によって、後者は自分という存在を絶妙に駆使して)
戸部が先の事を見越して告白に踏み切ったとは思えないけれど、その想いが、熱意が真剣だということは見ていて伝わってきた。それだけに、なんとも悲しいような虚しいような気分になった。
海老名さん、ただの腐女子だと思ってました。ほんとごめんなさい……
誰しも人には言えない、言わないことはある。表面上では明るく振舞っていても内面ではどう考えているかなんて分からないもんね。人間ってそういう生き物なんだから仕方がない。
今回の一件を通して改めて浮き彫りになった八幡の「まちがった」やり方。葉山だけでなく、雪乃や結衣もそれを糾弾する。
「変わらずにはいられない関係」「一番の大嘘付き」これらのワードから導き出される答えが今後の物語のキーになってくるのではないかと。
目を背けて逃げ続けることの出来ない想いが確かにあるのかな……なんて。
結衣は八幡の事をなにかと気にかけているし、雪乃は口ではああ言ってるけど今の関係性を気に入っている。いやほんと、ゆきのんは八幡を罵倒してるときが何より楽しそうで輝いてますよね…(笑)
昔のトラウマ云々もあれど、大切だからこそ踏み出す事はしない。でも、八幡自身に変化の兆しが見え始めているように僕には見える。
物語はいよいよ後半戦へと突入。まちがっているラブコメはまちがった恋模様を紡ぎ出すのか。続きがとても楽しみです。
……あ、今回千葉ネタ少なかった気がする。