「ノーゲーム・ノーライフ2 ゲーマー兄妹が獣耳っ子の国に目をつけたようです」 感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

ノーゲーム・ノーライフ2 ゲーマー兄妹が獣耳っ子の国に目をつけたようです (MF文庫J)/メディアファクトリー

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ニートでヒキコモリ、だがネット上では都市伝説とまで囁かれる天才ゲーマー兄妹・空と白。“神”を名乗る少年に“ゲームで全てが決まる世界”に召喚された二人は、またたく間に人類種の王座につき、異界の知識で内政を固め次の獲物を狙っていた。『東部連合』――世界第三位の大国。獣人種……つまり獣耳少女の国。「よしそれだその楽園は俺のもんだ獣耳っ子達を征服しに行くぞッ! 今! なう!」「心が読める相手にどうやってゲームする気ですのよ! 落ち着きなさいな!!」ついに異種族とゲーム開始――!! “最も新しき神話”の人気ファンタジー第二弾!

 
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森精種の間者をゲームにて破り、人類種の王となった空と白。空が次なる対戦相手にと選んだのは、獣人種の国である東部連合。エルキアの勢力を大きくしつつ獣耳っ子たちも手に入れたい、という欲望にまみれた計画だったが、勝つために何より必要な他種族の情報がエルキアにはほとんど存在せず、足踏み。そこでステフから、他種族の情報は天翼種とのゲームに負けて奪われたと聞かされる。
ならば取り返すしかない、とでも言うかのように、空はその張本人の天翼種がいるという旧エルキア領地の図書館へ向かうことを決意する。「手始めに、天翼種を手に入れる」と宣言して――
 
こんなとこで止めるなよおおおおお!!!と叫びたくなったのはきっと僕だけじゃないはず。
位階序列六位の天翼種であるジブリールを相手に空白コンビが行ったゲームは“具現化しりとり”。水晶によってイメージしたものを具現化し、しりとりを行っていくというもの。敗北条件の一つに「続行不能と判断された場合」とあって、バトルでもするのかなーとわくわくしていたら本当にそんな感じだった。
具現化された水爆による一撃を受けても無傷なジブリール。そんな、普通の人間なら絶望しそうな状況でも空は動じない。圧倒的能力の差を見せつけられても物怖じせず、対戦相手に立ち向かっていくその姿は本当にかっこいい。
魔法が使えるわけでも、特殊な能力があるわけでも、超人的な身体能力があるわけでもない。そんな空白二人が自分の身一つで立ち向かい、敵を倒していく様は見ていて楽しいなぁと改めて感じた。
「相手が人間」という油断があったとはいえ、天翼種を打ち破った空はまさしく天才と言える。
無敗のゲーマー“『    』(空白)”の名に偽りなし。
 
獣人種である初瀬いのとその孫、いづな。二人とのやり取りでも空は仕掛けていったなぁ、と。先代エルキア国王の残した言葉を頼りに、ハッタリを交えつつ、東部連合のゲームについての秘密を明かしていく様はまさに爽快。空を相手に嘘や誤魔化しは通用しない、そのことをつくづく思い知らされる場面でもあった。
 
ステフは犬にさせられたりパンツを脱がされたりと散々だなぁ…(笑) まあ本人が挑んだのだから自業自得なんだけども。
なんというか、完全に賑やかしのアホの娘的な立ち位置になっているけど、ステフはそれでいいんじゃないかなー。ほら、みんながみんな天才だとお腹いっぱいになっちゃうじゃん? 一般人目線のキャラも一人くらい必要だと思うのですよ。
 
戦いに必要な情報は揃ったものの、空はあと一つピースが足りないと、ただ待つばかり。その後、突然何者かと会話した後に空が姿を消すシーンには驚きを隠せなかった。空が会話していた見えない存在とは一体? そして、謎の言葉を残して消えた空の思惑とは?
引きが上手すぎて辛い…! 3巻早く出てくださいマジで!
空白の勢いは増すばかり。さらに序列が上の相手が出てきたとき、二人はどう立ち向かっていくのか。この世界の創造主、テトの元へ辿り着くことが出来るのか。今後の展開がますます楽しみです。
榎宮さんの奥さんもイラストレーターさんでしたね、そういえば。上手いんだし、挿絵ももうやってもらえばいいんじゃないかな。その方が榎宮さんの負担が減ると思う。