「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。6」 感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。6 (ガガガ文庫)/小学館
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慣れない役割、ぎこちない関係。
文化祭。面倒な仕事をスルーする方法は……呼ばれても返事をしない、面倒くさそうな気持ちを顔に出す!?  ぼっちのスキルをフル活用して文化祭の準備から逃げる気満々の八幡。しかし、HRをサボっている間に、文化祭の実行委員にさせられてしまう。新学期が始まってからの八幡は、どこか調子がおかしい。クラスでも、部活でも……。雪乃への疑問は消えないまま、そしてそれを問わないまま……前に進まず、後戻りも出来ない二人、雪ノ下雪乃と比企谷八幡。決して近づかない不変の距離感に変化は訪れるのか。好評シリーズ第6弾。
 
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千葉県民でもないのに千葉のことに詳しくなれる。そう、俺ガイルならね!(キリッ
 
季節は秋を迎え、総武高校にも文化祭の時期がやってくる。ある日のLHRにて行われた文化祭の役割決め。前日からの寝不足と気怠さでそれをサボった八幡は、勝手に文化祭実行委員にさせられてしまう。八幡は抗議するも平塚先生によって封殺。
放課後に行われた女子の実行委員決め。誰もやりたがる者はおらず、話し合いは一向に進まない。そこで、リーダーシップがあるとして推薦されたのがスクールカースト2番手所属、相模南。自分には無理だと拒絶の意を表しつつも、葉山の頼みは満更でもないらしく、実行委員を務めることを決めるのだった。
 
海老名さんの存在感ぱねぇ…これが腐女子の実力か…! 2Fの出し物である演劇では、脚本書いたり諸々仕切ったりと大活躍。空気も読めるし、基本いい人なんだよなぁ。腐ってさえいなければ(笑)
 
文化祭……ぼっちには苦痛でしかない、でおなじみのあのイベントですよね^^
なんであいつらは文化祭ごときでそんなはしゃげるの?とリアルに思っていたのが僕です。
文化祭とか体育祭とか、まあそういうイベント事ってリア充のためのものだし。とにかくぼっちには居場所がない。
だから無駄に校内やら校庭やらうろうろするよね。あと何かしてるオーラを出したり用事がある雰囲気を出してみたり。基本的にうろうろするしかない。下手にクラスメイトとか知り合いと遭遇してしまった場合、「うわぁ…○○君また一人でいるよ…」とか思われるもんね。事前に逃げるのが吉。ソースは俺。
クラスの仕事とか役割があるときならまだいいんだけど。それ以外の時間の方が圧倒的に長いからさ。異様に時間経つの遅く感じたりする。
後夜祭は出ればいいだけだからまだいい。問題は打ち上げの方。一応あいつにも声かけとくか、的な情けの心で打ち上げに呼ばれたぼっちは参加すべきではない。なぜなら、打ち上げ先の会場はもっと居場所がないから。仲良い奴らが喋ってる中、隅の方で黙々となんか食べるくらいしかやることないし。
……高校時代のこと色々思い出して辛くなった死にたい。
 
今回は人間関係、もといスクールカーストに重点が置かれていた印象。
文化祭実行委員での集まりにて委員長に立候補した相模だったが、思ったように上手くはいかず。そして奉仕部へと依頼に来るのだが……
新キャラは三年、生徒会長の城廻めぐり。執行部の一員として、みんなをまとめ上げて引っ張っていく辺りはさすが。関係ないけどほんわかキャラっていいよね! 挿絵の笑顔にやられた、可愛い。
 
一番楽そうだから、と記録雑務の仕事を選んだのに、なんかもう色んな雑用を押し付けられていて、本当八幡残念…(笑) あとスローガン決めで思いっきり周りの人に引かれていて笑った。彼らしい主張なことで。
それにしても、雪乃の手腕には惚れ惚れしてしまうなあ。一人で数人分の仕事をこなすとか普通の人にはとても真似出来ないもん。
あそこまで優秀でも陽乃さんには追いつけない、そんな胸中の思い、悔しさみたいなものを節々から感じた。
そんな問題の陽乃さん。有志団体の枠でOGとして参加、もとい掻き回しに実行委員会へとやって来る。確かに手伝ってはいたけどなんかアレ。何考えてるかわからないところは相変わらずで。笑顔だと思ったら冷めた目になったり、急に変わる温度差がまた怖い。
雪乃と陽乃さんの間にはまだ八幡も知らない、深い事情があるのかな。もしそうなら、後々また掘り下げられることもあるでしょう。
 
川崎さんの名前が不安定でわろた。
そして、戸塚は相変わらず天使だなあ。僕も扉を開けて勢いよく外に出た瞬間戸塚にぶつかってしまって、不可抗力で抱きしめたい。それか道の曲がり角でぶつかって恋が生まれたい。
材木座の出番少なかったけどこのくらいでちょうどいいわ。「我も手伝おう」、「愛してるぜ!」の二人のやり取りがなんかよかった。すげぇ青春っぽいよ、その実友達でもないのに!
ところどころに挟んでくる社畜ネタや千葉ネタが今回も楽しかった。本筋が真面目なだけに、そこら辺でギャグというか面白い部分を入れてバランスをとっている感じ。
 
結局、相模は自己承認欲求を満たしたかったんだろうな、と。
あと触れていなかった葉山について。葉山は本当に友達想いのいいやつだと再認識した。八幡がある意味、一番信用していた相手なんじゃないかと思う。それ故にあの結果となった訳だから…… 詳しくは読んで確かめてね☆
 
自分が犠牲になることを厭わず、そのやり方で他者を、依頼人たちを動かしていく。そのやり方は確かにまちがっているかもしれない。他人に指摘されるまでもなく、「まちがった」やり方であることを本人も自覚している。それでもスタンスは変えない、自分の意志を貫く。そんな八幡がすごくかっこよく見えた。
特に終盤は読んでいて心が震え、鳥肌が立った。
「――ほら、誰も傷つかない世界の完成だ。」ここのフレーズが本当に胸に染みた。
あえてもう一度言おう。八幡お前かっこよすぎるだろ!
 
どこまでいっても彼らの関係はラブコメへと発展しない。それもそのはず。今、作中のこの時が、お互いを友達だと認め合う手前の段階なのだから。
折り返し地点ということで、ここから先、彼ら彼女らの関係がどう変化していくのか。非常に楽しみです。
 
ぽんかん神のイラストが巻を重ねる毎に進化している…! 今回、表紙のゆきのんになによりグッときた。冬服ええなぁ。見開きのライブシーンもキラキラ輝くみんなの姿が素敵でした。
それと何といっても、一番最後の挿絵ね。ネタバレになるので詳しくは言えないけど、本当に、ここまで読んできた読者なら心に来るものがあるんじゃないかと。
ぽんかん神、僕はあなたに一生ついていきます…!
 
アニメも2013年4月からTBS他にて放送決定! こちらもめちゃくちゃ楽しみです!