「聖断罪ドロシー01 絶対魔王少女は従わない」 感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

聖断罪ドロシー01 絶対魔王少女は従わない (角川スニーカー文庫)/角川書店(角川グループパブリッシング)
¥630
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帝国に攻め込まれ、滅んだレベルデッド魔王国。間一髪逃げ出した王女のドロシーは、護衛の魔法使いカルアと共に、追っ手をかわしながら逃避行を続けていた。しかし、身を隠さねばならないはずのドロシーは、各地で目にする帝国によって苦しむ民を見過ごせず、すぐに助けに入ってしまう正義感の持ち主だった! ついには「“絶対魔王”になって帝国を倒し、善政をしく!」と言いだし!? 魔王の血を引く聖なる少女の世直し旅が開幕!
 
バトルがあったり魔法が出て来たりで「王道ファンタジー」って感じでした。
ちなみに青先生の作品を読むのはこれが初めて。中々読みやすかったなぁ。
魔王の血を引く娘であるドロシーとその護衛役を任された魔法使いカルア。帝国に追われ、逃げながら旅をしていた二人は、道中立ち寄った浮民街にて、襲われそうになっている女の子を見つけ、助け出す。その女の子、メアリーから街の事情と子供が何人もいなくなっている、ということを聞かされる。
困っている人を放ってはおけないのがドロシーの性格。なんとしても助けたい。ドロシーのその頑固さに折れて、カルアも捕まった子供たちを助けるのを協力することに。
犯人たちのアジトを見つけるべく、それぞれ分かれて待ち伏せする。ドロシーは子供の悲鳴を聞き、いち早く駆けつけたものの、抵抗虚しく敵に捕まってしまう。

カルアとドロシー。二人の、ときには言い合ったり、ときには仲良く会話したりといった様は兄妹のようでなんとも微笑ましい。なんだかんだでお互いがお互いのことを大事に想っている、というのが最後まで読むと伝わってくる。
ドロシーを追う帝国軍側の二人、シズとアンナマリー。再生能力を備えているアンナマリーの方は特に強いなあ、と。人間を殺すことになんとも思わないあたり、残酷な色に染まりきった人間かと思いきや、意外と優しい面も持ち合わせていたり。その辺は彼女の背景が関わっている、とだけ言っておきます。
相方のシズ、おっとり系美人で天然入ってて巨乳とかやばい、僕の好みすぎる。髪の毛ロングだし。カルアもいるのに突然着替え出すシーンに興奮した。ぺろぺろ。
 
ドロシー救出へと向かうカルア。そこでまあ袖なしたち、アンナマリーたちとのバトルがあるわけで。
子供たちを誘拐した犯人である袖なしたちと、その親分であるジャック、愛芹が加わり三つ巴の展開へ。まあ色々あった結果、アンナマリーたちとカルアたちは手を結ぶことになるんだけど。
とにかくめんどくさそうにしていたとはいえ、終始カルアが頑張ってた印象。作中では魔法はアナログなものという認識らしいが、それを思わせない便利さ、強さを見せてくれた。
特にジャックたちとの戦いでは、アンナマリーでさえ苦戦した愛芹に一撃を与えるという快挙。あれは本当にギリギリの戦いだったなぁ。
ていうか普通の魔法が効かないとか妖精どんだけ強いんだよ…… さらに格上の妖精とか出てきたらやばそう。
 
句読点の入れ方は確かに独特だった。特に戦闘における描写、カルアの思考手順など、スピード感を感じた。作品の内容を考慮してこうしたのかしら?
トータルで見て、物語の出だしとしては良かったんじゃないかなあと思う。
今後の旅でドロシーは何を思い、どのような手段で絶対魔王を目指していくのか。気に入ったので続きをもう少し追っていこっと。
すぶりさんは今までよく知らなかったのですが、イラストが素晴らしかったです。女の子キャラがめっちゃかわえぇ…!