「大日本サムライガール 2」 感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

大日本サムライガール 2 (星海社FICTIONS)/講談社
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「私、守銭奴なんです。お金が好きなんです!」
アステッドプロとの騒動を経て日本中の注目を集める存在となった日毬は、芸能界に復帰し、飛ぶ鳥を落とす勢いでトップスターへの階段を登り詰めていく。一方、颯斗はプロダクション拡大の次なる一手として、新人アイドルオーディションを開催する。普通のアイドルなんていらない――! そんなコンセプトのもとに殺到した多数のアイドル志願者の中、たった一人、異彩を放つ少女が現れるのだが――!?目的は政治の頂点、手段はアイドル――。至道流星の本気が迸る、“政治・経済・芸能”エンタテインメント、第2弾!!
 
日毬の逮捕、釈放からアイドルオーディション、ステッチライン株式会社の立て直しまで。今回の主役はなんといっても、ひまりプロダクションに新しく加入した朝霧千歳でしょう。
由佳里の提案から、ひまりプロダクションは新たなアイドル獲得のため、オーディションを開催することに。書類選考で絞り込んだ18人と面接。最後の面接者、朝霧千歳にどうしてもお金を稼ぎたい、受からなかったら自分の身体を売る、とまで言われ困る颯斗。結果、由佳里や日毬の同意も得られ、普通のアイドルは要らないという方針にも合致していたため、千歳を採用するのだった。
前作『羽月莉音の帝国』の柚先輩から唯一の取り柄を失くした感じのキャラ。やる気だけは余りあるほどに持っている、ただし常識も能力もてんで持ち合わせていない。コーヒーもまともに入れられないって大丈夫か(笑) いい子であることは確か。何も出来ないアイドルとか逆に新しいけどなんかアレ。
千歳がどうしてそんなにお金を稼ぐことにこだわるのか、その真相は経営が苦しい両親の会社を支えるため、そして何より自分を庇って事故に遭った兄の働き口を失わせないためだった。颯斗は会社の現状を知るためにと千歳の両親に挨拶へと向かう。ステッチライン株式会社を立て直すために必要な金額は借入金返済分の7000万円。途中苦しい場面もあったが、最終的にはアステッドプロの助けもあり無事に集めることが出来た、と。
それにしても囓った程度の知識で会社を立て直してしまう颯斗はすごいなあ。必要な分のお金を集めきったことももちろんだけど。プロダクション経営も卒なくこなしている所を見るに、スペックがすごく高い気がする。颯斗はなんでも出来ちゃうのかー。
千歳のレギュラー決定とステッチラインの再生を祝っての祝賀会は大いに盛り上がったのでした。めでたしめでたし。すごくいい話だった。
千歳の加入と共に日毬の姉、凪紗もマネージャーの仕事を手伝うようになり、ずいぶん賑やかになった印象。ステッチライン絡みで経済っぽい内容が出て来て、個人的には嬉しかったり。
10月に3巻発売とか刊行ペースめっちゃ早いと思うのですが。次巻で政権奪取に向けて本格指導とのことなので、期待が高まる…!