「も女会の不適切な日常1」 感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

も女会の不適切な日常1 (ファミ通文庫)/エンターブレイン
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海冬レイジ×赤坂アカの強力タッグがファミ通文庫で実現!!
部活名:「もっと学園生活を豊かにする善男善女の会 部」 
目的:青春を謳歌すること! 
メンバー:(1)ちだね先輩。僕の愛しの青春☆ヴァカ。
      (2)繭。化学実験厨。ちだね先輩の寵愛を独占。僕嫉妬。
      (3)ユーリ。僕の従妹で義妹。暴力女。
      (4)雛子。エア参加。ガチ百合。
      (5)僕、花輪廻。女子扱いされるけどお願いヤメテ。
そんな「も女会」の活動はヘンテコでドタバタだけど、それなりに平穏だった。
あの頃は、そう思っていた。
あの少女【アイ・ド・ラ】に出会うまで、僕らの日常が本当は”不適切”だったなんて、知らなかったから――。

ジャンル的にはタイムトラベルもの…でいいのかな。
生徒総数二千人を超えるマンモス校、私立エスニカ学園。そこには様々な生徒達が在籍している。『もっと学園生活を豊かにする善男善女の会 部』のメンバーは青春を謳歌すべく、今日も部活動を行っていた。
も女会の部員は全部で五名。みんなを振り回す青春バカのちだね先輩、化学大好き実験厨の繭、金的女王と噂され、やたらとすぐ手が出るユーリ、ストーカー気質で対人恐怖症気味の雛子。そして本作の主人公、女顔女体型で髪は長髪のリンネ(花輪廻)。
彼らはバレンタインというイベントの当日を迎え、それぞれの想いを抱えていた。しかし、その後続くはずだったいつもの日常は、突然訪れた繭の死によって大きく崩れていく。
序盤で平和な学園ラブコメと思わせといての、このシリアス(ホラー)展開…引き込まれるなあ。先述の通りキャラもみんな個性的且つ魅力的だし、キャラ同士の掛け合いも非常に楽しい。
ちだね先輩のボケやユーリの罵倒に対し、リンネがツッコミをしたり反撃をしたり。本当に役割分担がしっかりしていて無駄がないと思いました。あまりにも完璧すぎる構図に鳥肌。


死後に目覚めたリンネ、そして目の前に現れた自身をアイ・ド・ラと名乗る少女。
彼女曰くこの世界はアッパーグラスと呼ばれており、リンネは世界を改変し得る力“ネオ・オルガノン”を得た。さらに自分達は四次元に存在していると言う。
時間と空間を移動出来ることを知ったリンネは、繭の命を救う為に過去へと時間を遡るのだが……。
主人公が友達を救おうとして時間を遡る所と何回やってもそれが叶わない所はシュタゲっぽい、すごい死ぬ(殺される)所はかまいたちっぽい。
アイはリンネに対してブタブタ言いすぎ(笑) いや、それも面白かったけども。
繭を助けようとして繭に殺され、さらにはちだね先輩に殺されても諦めないリンネはなんて強いやつなんだ…! 君は男らしくてかっこいいよ!
視点切り替えによる物語の構成がとにかく上手くて、終盤は特にワクワクが止まらなかった。いやぁ、見事に騙されましたね。まさかあんな過去があったとは……。
このシリアスとラブコメの絶妙なバランス、中々真似出来ない気がするなあ。この作品がハマりすぎて、すっかり冬海先生のファンになっちゃいました。
ハッピーエンドになる未来が見えないのは僕だけでしょうか……。
取り戻したのは不適切な日常。事件の真相がものすごく気になる。アイを押し出した敵とは一体? 二巻も読むのが楽しみです。