タイトルの「おしお事件」とは
以前に世間を賑わせた「押尾」学氏の事件ではない。
我が家に起こった「お塩」にまつわる事件の話である。
私と妻はそれほど喧嘩をする方ではない。
たまにお腹が減るとお互いにイライラして
何を食べるのか?とか
とても小さな事で喧嘩することはあっても
取っ組み合いや殴り合いの喧嘩をするような
暴力的な夫婦ではなく、実に平和的な夫婦だと思う。
しかし、私ががんを患い、一度喧嘩をした。
というか
今となっては、私が悪いことに
間違いないことに気づいているのだが
今日はその時のお話をしようと思う。
この投稿の前に食事療法のことを書いたが
がんを告知されてすぐに取り入れたのが
標準治療ではなく、この食事療法だった。
(治療計画を練っているところだったので
「やれることから始めよう」ということで
本やネットの情報を頼りに
すぐに始めたのが、食事療法だった)
しかも、その食事療法は
かなり厳格で今よりももっと制限の
キツイものを行っていた。
何故なら、本から得た知識によって
その食事療法によって
がんが住みづらい体になるから…
がんがそれによって消えていくかもしれないから…
と大きな希望を持っていたからである。
「何が何でもやったるねん」と
意気込んでいた。
私は、必死だった。
まだ死にたくないし、
がんをやっつけてやると…
(もちろん今もあきらめてませんよ やっつけること
そして、共存していくこと)
塩に関しても
ほぼ無塩に近づけようと
私はストイックなまでに制限を課していた。
さて、そんな大きな野望をもっていた
私なんですけど
ダイニングテーブルに座り
治療について、勉強をしていた
ある夕方のことである。
妻が私の後ろの方で
夜ご飯の準備をしている時のこと
そんな時だ
「ガリガリガリっ」
これは我が家のキッチンにある
岩塩の入ったボトルで塩を削る音だ
私はすかさず
「それ何?塩?」
と
言い放つ
(しかも、言い方が非常に悪かったと思う)
少し時間があっただろうか
妻はかなり怒った様子で
「そんなん言うんやったら
もうご飯作らへんっ」
と
………
せっかく食事を用意してくれているのに
下の子をおぶって長時間あやしながら
食事を準備していたのに
塩をちょっと削って入れただけなのに
(後で分かったのだが、大きな鍋のスープに
味見程度に入れただけのこと)
何も見ずに音だけで反応して
言い放たれた私の厳しい言葉に
非常に腹が立ったのだ。
そら、そうである。
塩をちょっと入れるぐらい
いいじゃないか
そこまで言われたら食事を準備する気も失せるし
何よりもその言い方はないんじゃないか
今となってはそう思う。
でも、私もその時は意地になっていた。
「塩を体に入れることは
がんを育てることだ」
それぐらいに塩を避けていたし
ガッチガチに頭がそっちにいっていた。
だから、私も
「悪いことを言ってないもぉん」
と意地になり
2階に逃げていく妻をほったらかしにした。
どれぐらい時間が経ってからだろうか
私は2階にいる妻のところにいった。
意地になっていた私も謝るわけでもなく
とりあえず向かった
そして、そんな私に妻は
「自分に焦点あてすぎやっ」
と言った。
私は今でもその言葉を
よく覚えている。
「あぁ、妻にも見離されたかな」
とも思った。
がんになったことで
自分のことばかり考えて
妻のこと、家族のこと、周りのこと
全然考えられていなかったな
と
非常に自分が情けなかった
その日の夜、家の周りを一人徘徊した
ちょっとした「吾輩なりの家出である」
とか思いつつ
「もう家に帰らないでおこうか」
とも思いながら
近くの琵琶湖まで歩いた…
ただ、2月の寒い夜
薄着でしかも裸足に突っ掛けで出たものだから
寒くてしょうがない
そうそうに家に戻ったのだ…
そのあたりの考えを変える早さも
私の良いところである
その夜は妻にゴメンとも言えず
お互いにその日は何も言わずに
私は下のリビングのソファで寝た。
でも寝付けなかった
今の思いを手紙にして書いておいた。
ごめん、言い過ぎた
と
そこまで言わなくてもよかったこと
病気のことで必死だったこと
ただ、今後も食事は大切だと思うから
どうかサポートをお願いしたい
と
そんなことを書いた
次の日の朝
それを妻は読んで
許してくれた
食事療法は厳格にすれば厳格にするほど
我慢や負担がかかることもあります。
もちろん、それによって病気が治るかもしれない
ただ、私の場合、やりすぎて
それが逆に負担になり
美味しいはずの食事が我慢の食事になり
体が欲しいと言っているのに
それすらも聞き入れない状態にもっていってたと思う。
しかも、それを続けたからかどうかは分からないが
心タンポナーデにもなってしまった。
それほど急成長しているがん細胞ではないようだが
どうやら悪さをしている。
何が原因かは分からない。
ただ、食事に関して、急に今までと違う食事に変えたことで
私は我慢していたのは事実だ
だから今は、当初よりは少しだけ緩めた
食事療法を行っている。
行いながら体の調子もみて、進めておこうと思う。
極端に無塩とか無糖とかの方向に走るのではなく
程々にバランスよく栄養をとることを大切にしたいなと
自分なりの食事、家族それぞれの食事があると思う
基本的には栄養バランスのとれた
出来るならばバリエーション豊かな
楽しい食事が出来たらと思います。
そんなことも教えてくれた
これが我が家のおしお事件である。
お塩の取り扱いにはくれぐれもご注意を…
次回に続く…
