”「桜を見る会」で露見・・ジャパンライフと政官界、30年来の腐れ縁” | hamitellsのブログ

hamitellsのブログ

ブログの説明を入力します。

ジャパンライフはまさに日本の政治家の命を握っているのですね。

なかなか根深い問題のようです。

 

 

 

第104回国会 衆議院 予算委員会 第7号 昭和61年2月10日

  • 034 福川伸次

    ○福川政府委員 今御指摘のように、一般的に行政指導を行います場合には相手方と理解と協力の上に、その上に立って社会的な公正を実現するように相手方に説得をして、そしてそれの効果を期待をする、こういうことでやっておるわけでございます。今御指摘のように、この豊田商事にかかわりますこの商法の問題に関しましてはいろいろ関係の法令がございます。出資法あるいは刑法等いろいろございまして、したがいまして政府部内におきましても関係六省庁においてその対応を考え、今後の再発防止の施策について検討を行っているところでございます。

  • 035 松浦利尚

    ○松浦委員 総理もぜひ御記憶いただきたいと思うのですが、そういう文書を出しておられたのですが、実は豊田商事事件に対しましては六月の十九日に内容証明郵便物で代表取締役社長あてに、石川洋という人ですが、要するに事態をさらに深刻化させないため、新規の勧誘及び契約締結を停止されたいという文書を出しておられるのですね、六月の十九日に。
     ところが、これは物価問題特別委員会の会議録でございますが、山下説明員によりますと、「私どもから豊田商事に対しまして」「六月十九日付でございました。」要するに、「ペーパー商法をやめるようにという申し入れを実際にやりました」、しかし、「その時点で豊田商事は既にやめておったというふうに理解しております。」こう言うのです。やめておるものにこういうようなものをどういう意味で出すのか。こういうことが仮にできるとすれば、もっと早く出しておれば、もっと早くこういう通知をしておれば、お年寄りの皆さん方の被害は救済されたかもしれない、結果論だけれども。
     通産大臣、どう思いますか。こういう答弁書を出しておきながら、現実にこうやっておるのです。何で早く出さないのですか。しかも向こう、相手側が中止しておるのに出したって何の意味も持たない紙切れです、相手にとっては。被害は大きくなるばかりで……。これはもう、いいです、これは一つの例ですから。通産大臣、元気のいい通産大臣、どうでしょうか。

  • 036 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 事実やめておったところに出しても意味のないことですから、もっと早く出せばよかった、本当にそう思います。

  • 037 松浦利尚

    ○松浦委員 ですから総理、今通産大臣が言われて、それでみんな笑われた。しかし、この被害者のお年寄りの人たちは笑えないのですよね。明らかに行政の怠慢じゃないですか。笑い事で済まされませんよ。そういう意味で、被害者がおるにかかわらず政府の手で救済できない。方法は、今渡辺通産大臣が言われたように、早くこういうものについてはキャッチをして指導してもらう、やめさせる、そういうことをしないと被害者は次々に出てくると思うのです。
     そこで、私がきょうなぜこの悪徳商法を取り上げたかといいますと、悪徳商法といわれたら必ず政治家の名前が付随するのですよ。これは我々国会議員として恥ずべきことです。西田健康産業問題にしてもあるいは中江グループ事件にいたしましても政治家の名前がちらほら出る。これはもう明らかに国民から見れば、国会議員というのは何しているのだと。国会議員の名前がそういうところで出てきた、そういうのを一番具体的にあらわすのが、私は今問題になっておるジャパンライフだと思うのです。
     商工委員会商工委員会の流通問題小委員会あるいは物価問題特別委員会、こういったところでこの問題は取り上げられました。私も物価問題特別委員会で、この元会長であります山口隆祥、この人がジェッカーをやったときに国会に参考人として来ていただきまして厳しく指摘をいたしましたが、この人がこのジャパンライフはつくり上げたのであります。
     それで、もう時間がわずかしかありませんから私から申し上げておきますが、この山口さんという人は五十九年の八月三日に脱税で判決を受けておられるのです、このジャパンライフを始めてから。
     それで、科学技術庁にお尋ねをさしていただきますが、ライフサイエンス振興財団というものに対して認可を与えられました、科学技術庁は。提出されたのが十二月の十六日であります。そして認可されたのが二十一日、その間わずか五日であります。しかもそのうち一日は日曜日であります。しかもこのライフサイエンス振興財団の謄本をとってみますと、これは明らかにジャパンライフの山口隆祥氏たちが関与しておる。こんなに簡単に財団法人の認可が科学技術庁では行われるのでしょうか。しかも、河野長官はなられたばかりで恐縮ですが、ここにはちゃんと理事のところには脱税で判決を受けた山口隆祥という名前が記載されておる、振興財団に。日曜日を除けばたった四日、何でこんな簡単におりたのか、教えてください。

  • 038 内田勇夫

    ○内田(勇)政府委員 お答え申し上げます。
     ライフサイエンス振興財団の設立許可申請は、先生御指摘のとおり昭和五十八年十二月十六日内閣総理大臣あて行われておりまして、科学技術庁において申請内容を審査し、申請より五日後の十二月二十一日付をもって民法三十四条の規定に基づきまして許可を与えたということでございます。
     審査に当たりましては、民法の規定は当然でございますが、さらに公益法人監督事務連絡協議会の定めました「公益法人設立許可審査基準等に関する申し合せ」に従いまして厳重に審査いたしまして、これを許可いたしたということでございます。
     なお、設立許可申請から五日ではないかという先生の御指摘でございますが、公益法人の設立に当たりましては、通常、事前にその内容の検討を行うということといたしておりまして、本財団につきましては、設立のための事務を担当しておりました辻会計事務所というところから十月七日に非公式の書類の提出を受けまして、その内容を徴した上で十分検討を行い、正式の許可申請を受理したということでございます。

  • 039 松浦利尚

    ○松浦委員 これは総理、先ほどは江藤大臣を就任さしていただきまして、本当、お礼申し上げるのですが、これから申し上げることは少し耳が痛いと思うのですよ。
     それで、私は総理がそのことを知っておられたかどうか知りません。恐らく総理大臣は御存じなかったと思うのですが、実は十二月の三日に選挙が公示されたのですよ。そうして十二月十八日が投票日です。そうすると、十二月八日の日に健康産業政治連盟というところから、中曽根総理が関与しておられるか、どういう形かわかりませんが、五つの政治団体に二百万ずつ、一千万円献金が出されておるわけです。十二月七日に書類が出されておるのですよ。今言ったのだ、十二月七日。言わなければまだよかった。七日に書類が出されて、八日に献金があった。しかも、山口隆祥という人が入っておる。そして、総務庁の行政監察局「公益法人設立許可審査基準等に関する申し合せ」四十七年三月の二十三日。次のようなものは設立を許可してはならぬ。「後援会等特定個人の精神的、経済的支援を目的とするもの。」はいかぬのだという、こういう申し合わせがあるのですよ。よく精査をしたのだったら、今のような事態にはならぬはずだと思うのですが、総理大臣、こういうことは恐らく御記憶ないと思うのですが、そういうことが現実としてあるのです。どう思われますか。

  • 040 中曽根康弘

    ○中曽根内閣総理大臣 その件については、後で報告を受けまして、知っております。たしか新聞にそのことも出まして、秘書からいろいろ報告を聞いたわけでございます。それは全く、政治資金として届け出も行われており、かつ、そういう善意の政治資金として受け付けたということでございまして、その財団云々と全く関係ありません。私はそういう申請があることももちろん知らず、そういうことに関与したことも一切ございません。しかし、そういうような方が入っておるというところから多少なりともそういうことがあったということは甚だ遺憾でございます。ただ、政治連盟というもの、それとはまるきり別の存在ではないか、そう思うのでございます。

  • 041 松浦利尚

    ○松浦委員 ここに私は健政連関係書類を持ってきておるのです。これはジャパンライフがつくった健康政治連盟のファイルです。それで、この山口さんという人はこのジャパンライフというものを常に会合の中で何と言っておったか。あのジェッカーで私がやられたのは政治家と結びつきがなかったからだ、だから健康政治連盟をつくって金を出せ、十万、五万、三万ずつ出しなさい、こう言って、演説を打って歩いた人なんですよ。それで、この健康産業政治連盟の届け出、これは自治省に出ておると思うのでありますが、この中にジャパンライフの関係者が専任理事として五名出ておる。会長は山口隆祥であります。ですから、健康政治連盟と関係ないと、こう言われるけれども、この健康政治連盟というのはまさしくジャパンライフの政治団体、しかもこのライフサイエンス振興財団というのも、これも自分の商売を、人狩りを有利にするためにつくり出した振興財団なんです。総理大臣は御存じないと言われたけれども、実質的にはそうなんですね。
     安倍外務大臣、これは書いてあるからしようがないですね。ここに五十九年度の事業報告がたっと書いてあるのです、五十九年一月一日から十二月三十一日まで。その中に前山口労働大臣、それから安倍外務大臣、それと山口隆祥会長とともにニューヨークを九月の二十二日に表敬訪問をしておると書いてある。これは事実ですか。そういうこと御記憶ですか、外務大臣。

  • 042 安倍晋太郎

    ○安倍国務大臣 それは山口代議士がたくさんの人と一緒に、ちょうど私が国連に行っておったときに紹介といいますか表敬に連れてきたことは、確かにその中に今の山口隆祥氏ですか、おられたことは事実です。

  • 043 松浦利尚

    ○松浦委員 ちょうど外務大臣が国連総会に御出席、滞米中だと思うのですね。利用されたのか、それはわかりませんけれども、このジャパンライフというのは、実は健康政治連盟あるいは財団法人のライフサイエンス振興財団、こういったところをうまくミックスさせて人狩りというのですか、要するに品物を売るんではなくて、人を組織的に集めてマルチ的にずっと資金を吸収していくという仕組みなんですね。
     そしてもう一つあるんです。それはヘルスカウンセラー協会という任意団体を実はつくっておるのです。これは実は強制的に加入をさせられまして、日本ヘルスカウンセラー協会互助会というものに全部入るんです、会員が全部これに。そうすると、ここで使っておりますバッジですね、常任理事の人たちが使うバッジというのは国会議員と全く同じバッジなんですね。幸いなことに衆議院じゃなくて参議院なんですよ。(「幸いか」と呼ぶ者あり)いや幸いは幸いですよ。いや青い、紫色のバッジなんです。参議院の色と似ておるのです。それで、私の秘書が三回この総会に入ったわけです。そうしたらあなた、わからないな、参議院議員の顔を見たことがないがなと思って、私はここへ持ってきたのですが、どこか途中でなくしてしまったのですけれども、それは余り問題ではありませんが、ここはそういうふうに政治家を利用する、何か千葉県では——浜田先生には済みませんが、千葉県では県会議員のバッジが担保に入った、何か最近はそんなふうに要するに政治家というものに対する信用の度合いというのは非常に高いんですね。ですから盛んに政治家を利用する。
     そこで、ここでこれが実は売り歩いておるジャパンライフの冊子なんですね。これを今一々政治家の皆さん方の名前を申し上げると大変恐縮ですが、これを見ていただいたらだれが載っておるかすぐわかる。通産省の役人も載っていますよ。通産省の役人の方は、事前に私は通産当局には注意をしておきました。ここに政治家が記載されておる。大臣が書いてある。寄稿している、大臣が。私は、恐らく大臣の寄稿とかなんとかというのは、これは頼まれたから書いたということだと思うんです。しかし、その大臣のこういう寄稿が、あるいは国会議員の発言というものが全部こういうふうに使われるんですね。通産の役人も載っていますよ。余り見せると本人には悪いでしょうから。ここにも参議院議員の人が載っていますよ。あるいは「経営者月報」というのがありますね。これにはいろいろな大物の政治家がずらっと出ていますよ。大変失礼ですけれども、委員長さんも利用されましたですね。委員長さんの写真が載っているんだ。
     ですから、このジャパンライフというのをずっと見てまいりますと、極めて巧妙に国民の心理をうまくついて、そして巻き上げていく。今、大変に苦しんでおります、みんな。私は政治家というもののモラルが今問われておるんじゃないか。頼まれたから書く。しかも、中曽根さんには大変申しわけないけれども、中曽根さんが科学技術庁長官だったときの事務次官がこの振興財団の理事長にさせられておるのですね。私はそういった意味で、政治家というものがもっともっと、こうしたことを安易にすることがどれほどまじめな国民に影響を与えるか真剣に考えなければいかぬと思うのです。一人一人の名前を指摘してもいいのだけれども、そういう時間がないから私はやめたんです。総理大臣の見解を承りたいと思います。

  • 044 中曽根康弘

    ○中曽根内閣総理大臣 政治倫理を我々は厳しく追求しなければならぬというときに、かりそめにもそういう誤解を受けるようなことは厳に慎まなければならないと思います。

  • 045 松浦利尚

    ○松浦委員 私は、せっかく政倫協というものもできた、何かロッキード問題が空白になったらもういいんじゃないか、私はやはり襟を正すところは正さなければいかぬ、こう思うのです。
     そして、これまた自民党総裁としての総理にお尋ねをさしていただいて、警鐘を鳴らしておきたいと思うのですが、実はこの日本ヘルスカウンセラー協会互助会の加入申し込みというのが出るんです、各人に。そうすると、それが登録をされるんですね。ところが、こういう通達がくるんです。自由国民会議。皆さんのところですよ。そして、「党友の方は、さまざまな特典がご利用いただけます。」こうして百貨店で五%割引とか、私はびっくりしましたね。自由国民会議の党友になったら、百貨店で五%割引してくれるとか、結婚式場、レストラン等の割引、レンタカーの割引、ホテル一〇%割引、日本交通公社のパック旅行割引、ゴルフ場二〇%割引、こういうのが書いてありますね。ところが、残念なことは、この党友名簿が、このカウンセラー協会の互助会名簿が自民党の皆さん方のところに、これは自民党全体か特定か、それはわかりません、こういうのを送ってきておるのですから、みんな。あなたは自民党の党友になりました。それでこういうのが出てくるんですね。これ、会員券でしょう、党友の。これですよね、会員券。ところが、皆様には御負担をおかけしませんと言っている。だから、党友費一万円、この人は取られておらないのにこれを送ってきたんです。だれが立てかえたんでしょうか。「日本ヘルスカウンセラー協会互助会の皆様へ」「ジャパンライフ株式会社代表取締役」と書いてあります。皆さん方は、「日頃より何かとご指導をいただいております参議院議員〇〇先生を応援するため、弊社といたしましても党員・党友の拡大に協力いたしたいと考えております。」「貴方様を自由国民会議の党友に推薦し、併せて入会していただきましたので、ご了解いただきますようお願い申し上げます。」これは明らかに、このジャパンライフという組織、それが全体的に自由民主党と一緒になって、自由民主党という与党の力をかりて伸びてきておるんじゃないでしょうか。そして、山口がいみじくも言ったそうです、助けてはくれなかったと。山口隆祥はさっさとジャパンライフをやめて、新しい株式会社流通経済研究所というものを設立してしまった。この人はもうおらないのです、ジャパンライフには。後に残された人たちは素人の人ばっかり。その素人の人たちが一生懸命残務処理みたいなことをしておるのですよ、今。
     こんなことをここで言うことは非常に申しわけないと思うけれども、余りにもひどい。被害に遭った国民は救われない。私は飛行機の中で新聞を読みました。週刊誌でしたか、書いてあった。こういうことがあるから法律なんかはつくらぬよ、幾ら取り締まる法律をつくってくれと言ってもつくるはずがない、こう書いてある、週刊誌に。よく眠るのは政治家だけだ。これはやはり私は、自由民主党という組織が利用されたのかどうか、それはわかりません。自由民主党が利用しようとしたのか、自民党が利用されたのか、あるいは特定のここに書いてある個人がこの組織を利用したのか、それはわからない。しかし、私は、お互いに政治家のモラルというのはもう一遍真剣に考えるときじゃないか。私は、自由民主党の総裁である中曽根さん、中曽根総理に御見解を承り、そして——それから先にお伺いいたしたいと思います。

  • 046 中曽根康弘

    ○中曽根内閣総理大臣 行き過ぎた組織活動がもしあるとすれば、それは大いに戒めなければならぬと思っております。それから、そのようないわゆる大衆を相手にして悪徳まがいの仕事をやるという者については十分注意を払って、そういうようなことが行われないように今後深く戒めていきたいと思います。

  • 047 松浦利尚

    ○松浦委員 今、総理が言われたとおりだと思う。そして、総理に私は忠告を申し上げておきますが、私のようなチンピラが総理大臣に忠告するのはおかしいと思いますが、今度の政治連盟の届け出であります。総理、さっきしておられると言われましたね。この健康産業政治連盟が報告をしておる。報告しておるけれども、その主催者がわからない。ただし住所だけわかる。その住所は砂防会館二階となっていますよ。砂防会館二階は総理大臣のところです。しかも、そこにパーティー巻が売られておるのです、二回。金額は大きいです、四百七十四万と五百万。ところが、そういうパーティーがあった形跡がないのですね。私は、総理大臣が知らない間に、総理大臣が砂防会館の二階におるということを利用したのかもしれぬ、これは。ですから、私は、総理大臣を利用する方が、もし利用したとすれば、よほど大胆で頭のいい男だと思うのですが。

  • 048 中曽根康弘

    ○中曽根内閣総理大臣 私の事務所は四階にあるんで、二階には政策科学研究所がありまして、そこがパーティーをやった、それではないかと思うのであります。

  • 049 松浦利尚

    ○松浦委員 いや、二つそういうのがありますから、それは私の方で、全く届け出が住所だけになっておりましたので、私の誤解があれば訂正をさしていただきたいと思います。
     そこで、通産大臣、もうあと時間がありませんから余り詳しくお聞きできませんけれども、この山口隆祥という人が新しいこういう流通経済研究所をつくって、そしてジャパンライフの組織をそのまま持っていっておるのですね。そして通産大臣、何て言っているかといいますと、どういうことを研究しておるかというと、恐らく通産省は、新聞に発表されたんだから取り締まりを強化するような法律をつくるだろう、しかし、その法律はこういう法律になるだろう、ですから、その法律の先を勉強しろですね、その先を。ですから、こういう人たちは、もう通産なり何なりがやろうとしたときは後手に回って、できたときには先のことを考えておるのですね、頭がよ過ぎて悪知恵が働くというのか。ですから、こういう取り締まりにかかわっては、御承知のようにアメリカにはぴしっとした法律がありますね。そうすると、条例としては石川県に条例があります。ですから、石川県では豊田商事事件とかなんとかいうのは起こらなかった、条例があるから。地方自治体でもその条例をつくることで防ぐことができる。アメリカではそういう法律が一括してある。消費者が守られておる。国民が守られておる。そういう問題について、こういった取り締まりの法律というものについて現在作業中だと聞いておりますが、どういう方向で作業しておられるのか、今国会に間に合うのか、そういう点についてお聞かせいただきたい。(発言する者あり)今ちょっと不規則発言がありまして、余り詳しく言うとまたその先を考えるからということですから、余り条文にわたって詳しくは結構ですから、どういう状況か教えてください。

  • 050 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 私も詳しくは知らないのでありますが、今産業構造審議会の消費経済部会ですか、ある一部の部会で研究をいたしております。今国会に間に合うかどうか、私も今すぐに言われてもわかりませんが、極力勉強を進めていきたいと思っております。

  • 051 松浦利尚

    ○松浦委員 総理、きょうのNHKのテレビにもありましたように、いろいろな意味でのまがい商法、法律の網を抜ける、しかも警察が逮捕しても起訴が非常に難しい、公判維持ができない、そういう状況も現実にあちらこちらであるのですね。ですから、今通産大臣が言われましたけれども、こうした問題に対する総理の法作成上の問題等について御見解を承っておきたいと思います。

  • 052 中曽根康弘

    ○中曽根内閣総理大臣 アメリカにおける立法等もよく参考にいたしまして、今産構審の小委員会で立法の是非及びその内容について検討中でございますから、その成案、報告を得次第、我々は適切な措置をとりたいと思います。

  • 053 松浦利尚

    ○松浦委員 今度は具体的にジャパンライフの商法について、ちょっと皆さんに御説明をしておきたいと思うのです。
     実は、ジャパンライフというのは人狩りでありまして、要するに人を集めてくればバックマージンでずっと自分の実入りがふえてくるという対応をしておるわけですけれども、その中で、これは大蔵省の方にはお見せをしたわけですが、小切手を——余り資料が多くてちょっとあちらこちらに入って、時間がないからわからなくなってきておるのですが、小切手の写し、コピーを、三百万なら三百万と書いたコピーを本人に、こういう小切手ですね。これは小切手じゃありません。これは小切手のコピーなんですね。それでこのコピーした小切手を本人に見せます。そうすると、本人はこれに対して領収証を書くのですね。だから私は不思議に思って本人たちに、何で現金でもないのに領収証を書くのだ、現金でもない紙切れのこんなコピーした小切手に。ところがそうしなければならない規則になっておる、こう言う。そしてこれに見合うものが、金額は変わりますよ、これは百売ったときにあなたの組織のバックマージンはこれだけですよ、こういう数字なんです。だから売れてみなければわからぬ。ところが実際に売れたら、バックマージンがまた今度は銀行口座に振り込まれてくるのですね。それに対してまた領収証を出すのだ。ですから、ここの領収証を調べてみますと、もうめちゃくちゃですよね。あなたのバックマージンの領収証は十二万七千六百円でしたけれども、四百六十二万二千六百四十円が正しいから訂正してくれ。ですから、前の領収証を出して、この領収証がまた出されるわけでしょう。あなたそんな金額をもらったのかと聞いたら、いやもらっておらぬ、それでおかしいからこの人はやめたというのですね。どうもおかしいからやめた。こういう操作がされておるのですが、これがもし経理士許されるとすれば、脱税みたいなことをやろうと思えば可能だ。領収証を集めておるわけですから。
     だから、その点については、ジャパンライフの会計というのは一遍精査をしてみる必要がある。私はそのものずばりそうだというふうに断定はいたしません。そういう疑いが持たれる。一遍ぜひチェックしてもらいたい。しかし、もう会長おらぬわけですからね。残されておる人たちがそこまで知っておるかどうかわからないですね。
     そしてまた、これもおかしな話ですが、記念品贈呈者名簿というのがありまして、健康政治連盟に加盟しておる人たちですよ。ここに本当の高島屋の領収証があります。これは高島屋の領収証です。これが金の延べ棒四百六万のものが会長に渡されておるのですね、記念品として。消費者、国民を苦しめ、苦しめ、そして金の延べ棒をもらう、こういう問題についても私はチェックをしてもらいたい。こういう点については今突然申し上げておりますが、この点についての大蔵省の見解をちょっと承っておきたいと思います。

  • 054 日向隆

    ○日向政府委員 私どもといたしましては日ごろからあらゆる機会を通じて有効な資料、情報の収集に努めまして、こうして集めました情報等、申告書等を総合的に判断いたしまして、課税上問題があると思われる場合には実地調査を行いまして適正に処理しているところでございます。ただいま委員が御指摘になりました事柄につきましても、貴重な資料、情報として私ども受けとめまして、今後とも適正な処理に努力してまいる所存でございます。

  • 055 松浦利尚

    ○松浦委員 あと一つお願いをいたしますが、実はこれには商社が入っておるのです。通産大臣、商社が。どういう形で商社が入っておるかというと、このジャパンライフの羽毛、それから布団の地、布切れですね、これを商社が扱う。そのかわりにアメリカから輸入した調理用の器具、さっきはヘルスカウンセラーでしたけれども、今度は料理カウンセラーというのをつくりまして、高いものを必要でないのに買わして回る。品物を売ることが目的じゃないですから、要するにバックマージンによる人狩りですから何でもいい。
     そして現実にこの商社を調べてみましたら、やはりこういう会社ですから結果的に商社がだまかされまして、結局商社自身がある程度欠損をしてでも撤収せざるを得ないという状況に来ておるということでした。商社の全体だとは言いませんけれども、商社全部と思われたらいけませんので、この際名前だけ申し上げておきますが、三菱商事アメリカンシェフェット、それから伊藤忠、伊藤忠は毛皮、こういったものをジャパンライフの組織を通じて売りまくる。値段はどうでもいい。ジャパンライフが羽毛布団でも四十万とつけるのですから。どんないい羽毛布団でも二十万、その倍。
     ですからそういった意味では、こういった悪徳商法と商社の結びつき、こういったものについても、一時狂乱物価のときに私も商社の代表を呼んで商社のモラルというものについて大分議論をしました。私はこの際、通産大臣から、こうした商社等についても、国民が犠牲になるようなことについては事前に調査をして、応援をしないように、こういったことについてはぜひ調査をして的確な指導をしていただきたい、こう思います。

  • 056 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 御趣旨はよくわかりますので、そういうような疑いの非常に濃厚な、マルチ式な商法をやるというようなことが非常に疑いの濃厚なようなものについては十分慎重におつき合いを願いたいというようなことは申し伝えたいと思います。

  • 057 松浦利尚

    ○松浦委員 今私が申し上げましたように、この悪徳商法というのは取り締まっても取り締まってもできてくる。現実に、先ほど言いました山口隆祥という人はさっさと撤収して新たなものをつくる、その下部組織におった人たちは今度は違う品物をつくって自分たちでまたそういう組織をつくる。ですから、対応を誤るとさらにさらにこういったものが広がるということをぜひ御理解いただいて、これは通産大臣には恐縮でしたけれどもぜひ御協力をいただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。
     最後に、きょうは宮内庁からおいでをいただかなかったのですが、実は三笠宮寛仁親王殿下ですね。皇室もこういうふうに利用されているのです。ですから、ヘルスカウンセラーという言葉に関する限りこれは決して悪くないのですね。やろうとすること、この書いてある目的を見る限り問題でないかもしれない。しかし実際には、このようにして悪徳商法に利用される。私は、殿下自身も決してこんなものに利用されるとは思わずに第一回の日本ヘルスカウンセラー協会理事全国大会でお話しになったと思うのですね。こういう点についてもやはり宮内庁あたりを通じて御注意を申し上げていただけないだろうか。最近、天皇在位六十周年の問題をめぐりまして商魂たくましい皆さん方がこれを利用してどんどん商売を始めようとしておる、皇室を利用しようとする、そういったものについて総理の御見解を承っておきたいと思います。

  • 058 中曽根康弘

    ○中曽根内閣総理大臣 いやしくも公の地位にある者がそのような一部の人たちの利益のために利用されるようなことは厳に慎むべきであると思います。今いろいろお話を承りまして、実に巧妙に非常に知能的に物が進められつつあるものだということを聞いて実は驚いた次第でございますが、我々も大いに慎んでまいりたいと思います。

  • 059 松浦利尚

    ○松浦委員 最後に、これは通産大臣に申し上げるべきかあるいは官房長官にお願いをすべきかわかりませんけれども、実はこの悪徳商法につきましては、東京都の知事五十七年に政府に対して「訪問販売等に関する法律及び関係法令の改正について」という文書を公式に出しておられるのです。それから関東地方知事会議、ここも五十七年の十一月四日に、余りにも消費者紛争が激しい、消費者が困っておる、そういう意味で訪問販売法の規制対象を拡大してくれという陳情なんか出されたのですね。
     ところが、こういった陳情が来たにかかわらず対応が遅いのですよね。一番末端の知事というのは、自治体というのはすぐわかるのですね、自分のところの県民がこうなったという状況は。だから東京都の知事も関東の地方知事会議もお願いしたわけです。ところが、これがそのままこっちに置いてあるものだから、一部やれるところは若干なさったところも、クーリングオフの強化とか、クレジット契約との抱き合わせ販売とか、いろいろなことについては規制が加わったようですけれども、だがこれにしたってクレジットの契約で六%程度キックバックがあるのですよ、ジャパンライフには。ジャパンライフと契約しておるクレジット会社はキックバックが四%ないし六%渡されておる。そういった点についても知事会議が指摘をしておる。きのうですかおとといでしたか、地方自治に対して総理が少し言葉を滑らされましたけれども、こういう問題は決して行き過ぎじゃないのですね。そういう問題について、官房長官になるのでしょうか、ちょっと退屈しておられるようですから、官房長官答弁してください。

  • 060 後藤田正晴

    ○後藤田国務大臣 各地方団体から国に対していろいろな御要望、そのときどき我々承っておるわけでございますが、政府としましては、その都度関係省庁でそれなりの対応は当然やっていただいておるわけでございます。ただ、今御質問のマルチまがいの悪徳商法、これは最近相当はびこりつつありますから、これらについては先ほど総理から御答弁ございましたように産構審の答申等を受けて現在検討中でございまするので、御了解願いたいと思います。

  • 061 松浦利尚

    ○松浦委員 私の時間があと六分程度あるわけですが、最後に質問時間を若干残して、通産大臣を含めた総理以下皆さん、関係の閣僚にお願いをいたします。
     私が申し上げたことは冷厳な事実であります。私が空想で申し上げておるのじゃないのです。ここに資料がこれだけあります。これに中曽根内閣としてどう対応するのか、その点を本予算委員会中にお話し合いをいただきまして御報告をいただきたい、そのことを委員長に御要望申し上げて私の質問を終わりたいと思いますが、よろしいでしょうか。