先日YouTubeで見た蟷螂拳の技法がサバキ風で面白かった のをきっかけに、蟷螂拳(Tang Lang Quan)つながりで他の動画も見てみました。

思った以上に、「空手と一緒だなあ」と感じるものが多いですね。
個人的に「空手のあの型の分解ってこうなのでは?」と妄想していたものと、同じような用法があるのを見て、一人ウンウンと頷いていました。
その中から、内受け下段払いの用法を紹介します。

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空手の内受け下段払いは、↓の受け技。
片手で内受け、片手で下段払いを同時に繰り出す技で、多くの型において、二回繰り返される形で挿入されています。
内受け下段払い

以前は、「どうやって使うんだろ?」と思っていたのですが、
摩文仁賢和の「攻防拳法空手道入門」(1938年)の↓の図解を見てから、考えが変わったことは、先日書いたとおり

摩文仁賢和の分解
(「攻防拳法空手道入門」(1938年)より)

接近戦において、攻防一体のとても巧妙な手技ですよね。

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蟷螂拳の「内受け下段払い」風の技法は↓の動画で見ました。
まだ若い高校生か大学生くらいの蟷螂拳修行者?の技術指導の風景のようです。

Tang Lang Quan
http://www.youtube.com/watch?v=l8aLVl9uRS4&mode=related&search=

内受け下段払い1
はじめは、右前で右手を合わせた状態。
ブルース・リーの映画なんかでもよく見ますね。
空手で言えば、かつて沖縄で盛んだったという「掛け組手」でしょうか。
左のTシャツ君が指導側です。

内受け下段払い2
Tシャツ君(左)、送り足で踏み込みながら、
奥手(左)でタンクトップ君(右)の右手に下段払い。

内受け下段払い3
Tシャツ君(左)、左手での下段払いでタンクトップ君(右)
の右手を下ろすと、

内受け下段払い5
上体も相手に寄せて、右手で顎に裏拳。
攻防一体、まさに内受け下段払いの形です。

上記の摩文仁賢和の「攻防自在空手道入門」の挿絵と違うのは、
インサイドポジションからの受け&攻撃である点です。
アウトサイドポジションと異なり、このポジションは、
相手からの反撃がすぐさまやってきます。

蟷螂拳では、こうした相手の反撃に対して、
二度目の「内受け下段払い」が繰り出されます。

プラス
タンクトップ君(右)、Tシャツ君(左)の裏拳を左手で
押さえにかかります。
この左手は、ケースによってはTシャツ君の顎への
上段逆突きになることもありえますね。

内受け下段払い6
Tシャツ君(左)、このタンクトップ君(右)の掴み手に、
左手で内受けに行きます。

内受け下段払い7
Tシャツ君(左)、左手の内受けを掛け受けにして
タンクトップ君(右)の左手を押さえます。
右手のポジションはやや曖昧ですが、二度目の「内受け下段払い」の形です。この内受けは、タンクトップ君の左手が逆突きでも捌けそうですね。

この二度目の「内受け下段払い」で、Tシャツ君は、タンクトップ君のアウトサイドに入った形。ここからは色々な反撃が可能です。

内受け下段払い9
反撃その1:裏拳回し打ち。
無知でした。蟷螂拳にもあるんですね。

反撃2
反撃その2:裏拳回し脾臓打ち。

反撃3
反撃その3:肘打ち。

反撃4
反撃その4:振り打ち。

反撃5
反撃その5:手刀回し打ち。
極真空手の基本稽古?と思うくらい、フォームがそっくりですね。

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復習すると、今回の蟷螂拳動画の「内受け下段払い」は、
・1回目は、インサイドから前手を落として裏拳打ち。
・2回目は、相手の反撃を内受けして、アウトサイドを取り、
       下段払いの手をそのまま外に回して、
       回し打ち系の打撃で反撃。
というもの。

「内受け下段払い」を二回繰り返す技法で、二回繰り返すことに意味がある、という所が面白いですね。見ていて、空手の型で内受け下段払いを二回繰り返すのも、同じような用法を想定しているのだろうなあ、と思いました。

というか、フルコン空手の基本稽古をそのまま武術的に使ってみよう!と考えていたものって、この動画そのものの内容でした(笑)。手技の打撃を使う武術なら、このくらい誰でも考えているんですね・・・。

高校生か大学生の練習動画みたいですが、勉強になりました。

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今日は、休肝日ならぬ休筋日。
こなしたメニューは腹筋だけです。
腹筋(深め)60回
コツコツ。