放送大学面接授業『実験で学ぶ物理学』2024で、当日講座で用いたキーノート(Mac用のPowerPointのようなソフト)を公開します。これは、例年、受講生のみなさんとの約束で、講座の内容を復習できるようにするためのものです。
この講座は受講生のみなさんに、自然科学者の研究を疑似体験していただき、大いに頭を使い、議論を重ねていただくことが目的です。いわゆる「知識の教え込み」講座にはしていません。
そのため、当時の講座で使用したキーノート画面をメモる時間をできるだけなくす必要がありました。そこで、キーノートの内容は後日公開するという約束をして、当日2日間は、頭を使うことに専念しただいているのです。
さて、5年間続けてきた講座ですが、放送大学の規定で、今年で最後の講座となりました。
長く続けてきて、いいことも大変なこともありましたが、一番心に残ったのは、今年の参加者の中に、5年間応募し続けて今回ようやく抽選に当たったという方がいらっしゃった方。講座の参考書として紹介したぼくの『いきいき物理マンガで実験』『いきいき物理マンガで冒険』を2冊とも購入されていました。
参加者は放送大学の本部で抽選されるということですので、参加者の選定にぼくたちが関与することはできません。本当は、何度も応募されている方を優先していただくとよいのですが。
では、最後の講座公開を始めます。
例年と同様、何回かにわけます。
今年は、最後ということもあり、講座でお話した内容にも触れようと思っています。
2日間の講座内容です。
ざっくりと、1日目は19世紀までの物理学、2日目は20世紀からの物理学、と分けました。この方針を明確にしたのは、たしか2年目からのことです。その後、毎年、内容の改善を続け、今年はある程度の形ができたと思います。
まず、講師陣の紹介。これは、5年間、ほぼ変えていません。
こちらは、講座デザインの基本姿勢を示したものです。
「知識の教え込み」講座ではなく、「自然科学研究の疑似体験」講座であることを強調しています。他の講座にはない特徴でしょう。
講座で扱う物理学の分野は「電気磁気」に絞っています。全分野を扱うといろいろな実験を楽しむだけに終わり、「深く思考して真実を探求する」体験ができないと考えたからです。この5年間の受講者の方々の様子を拝見して、この方針は間違っていなかったと考えています。
科学史を知ることは、科学の探求の仕方を学ぶことにも直結します。とくに電磁気については、研究が本格的に始まって今のレベルに達するまで、300年も経っていません。
特に人類が電波を手に入れてから、まだ150年も経っていないのです。
1日目は19世紀までの電気と磁気の実験を歴史の順にしたがって体験していただくコースになっています。
静電気はとくに冬の時期にいろいろな場面で体験する現象ですが、物理研究の対象として体験する機会はなかなかありません。
また、静電気実験は電流実験と比べて扱いが難しく、学生実験として用意するのは結構大変なのです。
ですが、電気と磁気について歴史を追って疑似体験する場合、静電気と静磁気は避けては通れません。毎回、悪戦苦闘しながら、用意しています。
静電気の入口は派手な方がいいだろうと、例年、バンデグラフ高電圧静電発電機を使った演示実験から入っています。電磁気の場の理論を体験するのには、バンデグラフに紐の帽子をつけて実験するのが、もっともわかりやすいのです。
イラストは記念すべき実験本『いきいき物理わくわく実験1』から。
今回は、ヒロさん手作りの高性能バンデグラフを使い、紙吹雪実験のかわりにアルミカップを飛ばす実験を行いました。当日の動画ではありませんが、ここで行った実験と同じ動画をいくつか紹介しておきます。
場の様子を見る実験です。
こちらは、静電気も普通の過程に来ている電気も同じもので、静電気でも蛍光灯を光らせることができることを示す実験です。
アルミカップ飛ばし。短いですが、面白い。
こちらは拙著『いきいき物理マンガで冒険』より。ファラデーとマクスウェルの「場の理論」の解説です。
この二人の「場の理論」に関わるエピソードは感動的で、科学史にとっても重要です。このマンガ「歪んだ世界」では二人の関わりを16pのマンガにしましたが、機会があれば、もう少し深く紹介したいですね。
では、今回はここまで。
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