先日あった物理サークルの報告です。
例によって、ぼく個人の趣味で書いていますので、当日の実験すべてを網羅しているわけではありません。完全版は、いずれ更新される愛知物理サークルの公式ウェブサイトの例会報告を御覧ください。
一番おもしろいと思ったのは、山本さんが会の終わりがけにやったマリオットの実験。ぼくはこの実験のことを知らなかったので、非常に興味深く思いました。
山本さんのオリジナルではないということだったので、ネットで検索してみたら、名古屋市科学館の学芸員の方が監修した実験がまっさきに出てきました。おおむね、山本さんのやった実験と同じものでした。
エドム・マリオットは1620年生まれのフランスの物理学者で、「ボイルの法則」をボイルとは独立に15年遅れて発見した人。ボイルは1627年生まれなので、ボイルより年上ですね。フランスでは、ボイルの法則は「マリオットの法則」と呼ぶそうです。ボイルはイギリスの王立協会の会員ですが、マリオットはパリ科学協会の初期のメンバーでした。
ボイルはざっくりと「気体の体積と圧力は反比例する」ことを見つけました。しかし、マリオットはより厳密に条件を調べています。温度が変化するとき体積が変化するので、「気体の体積と圧力が反比例するのは、温度が一定のとき」ということを見つけています。現在「ボイルの法則」と呼ばれているのは、マリオットの発見した内容ですので、ボイルの法則はマリオットの法則と呼ぶほうが妥当のような気がします。
ただ、残した業績はボイルのほうが巨大。なにしろ、錬金術(アル・ケミスト)を化学(ケミスト)に変えた人ですからね。
なお、マリオットは目の盲点を発見した人としても知られているそうです。
サークルでの実験動画はYouTube「いきわく!物理」にアップしましたので、興味のある方は御覧ください。
紙を2枚重ねして丸め、パイプにした楽器。プラスチック製のものが理科教材として売られていますが、これは手作り。紙なら誰にでもできるのですが・・・
サークルで演奏会を開いたら・・・
・・・とても聞けたものではありませんでした笑
みんな、音痴なのかなんなのか・・・
動画に撮ってありますが、YouTubeにあげるかどうか、迷っています。まあ、うまく行かない場合もウソ無しでアップするというのが、ぼくのチャンネルの方針ですので、たぶんアップすることになると思います。
こちらは、スギさんのクントの実験の発表。スピーカーもアンプもハンドスピーカーを改造したもの。共鳴すると、ビンの中の発泡スチロールの粉が立ち上がります。
振動数を上げると定常波が変わり、粉の立ち上がる場所が変わります。
画像では音が伝わらないので省略しますが、ビンの中に水素を入れて、共鳴する振動数が変わることも実験。水素中だと音速がかなり速くなるので、同じ波長の定常波ができる振動数も大きくなります。
こちらはその進化系。スマホの音を出すアプリの信号をブルートゥースのスピーカーで受け、その信号をアンプに通してハンドスピーカーのスピーカーで出すというもの。
ブルートゥーススピーカーはクントの実験に使えるパワーがないので、改造して端子を作り、やはり改造したアンプに繋ぎ、それでハンドスピーカーを鳴らすという仕組み。
いろんな音色でもクントの実験ができました。
誰かが「ブルートゥースで飛ばさなくても、スマホからアンプにコードで直結すればいいのでは」との指摘がありました。今のスマホは昔のような簡単な端子がないので、専用のコードを購入しないと難しいのですが、「ブルートゥーススピーカーを使うより安く済むのでは」という指摘もありました。
これも動画をアップする予定です。
こちらは、向陽高校科学部の人たちの発表。羽ばたき飛行機を作っているが、飛行が安定しないので助言を、というお話。
いろいろみんながいいたいことをいいました。ぼくも、重心の位置について、ちょっと理論的なことも含めて助言。ダ・ヴィンチが失敗したものをやるというのがいいなあ、と思いました。
他にもいろいろな発表がありましたが、ぼく的にはあまり惹かれなかったので、割愛します。物理サークルの公式ウェブの例会報告を御覧ください。
関連動画
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