6/9東京医科歯科大学で行われた「がんの基礎講座」
がんは遺伝子の異常で起こる
-がん遺伝子とがん抑制遺伝子-
の内容の続きを書きます。
前回までは、
DNA配列に変化を起こす現象について書きましたが
今日は、DNA配列に変化がないが、がん化を引き起こす
「エピジェネティクス異常」について書きます。
まず、余り聞き慣れない「エピジェネティクス」について
国立がんセンターのHPに記載文書によりますと、
私たちの体は皮膚、胃、肝臓など様々な組織から出来ており、
これらは別々の細胞で構成されている。
どの細胞も基本的には同じ遺伝情報を持っているのに、
別々の細胞になれるのは、使う遺伝子と
使わない遺伝子に目印をつけているからである。
エピジェネティクスとは、これらの目印を解明する学問である。
皮膚から胃ができないことに象徴されるように、
エピジェネティックな目印の特徴は、一旦つくと、
容易にははずれないということである。
細胞内のDNAは、ヒストンとよばれるタンパク質に
巻きついてできている。
エピジェネティックな目印には、DNAにつく目印(DNAメチル化
)と
ヒストンにつく目印(ヒストン修飾)の2つが知られている。
-がんセンターHPより引用-
DNAメチル化異常によりがんが発生することが分かっている。
原因としては、内因的なものとして加齢、
外因的なものとして喫煙、化学物質、ピロリ菌等
内因的でもあり外因的でもある、慢性炎症、ウィルス感染、性ホルモン
等が上げられている。
だからといって、我々に出来ることは・・・。
国立がんセンターの「エピゲノム解析チーム」では、
胃がん・食道がん・大腸がん・乳がん・前立腺がん・
神経芽細胞腫・悪性黒色腫 等
について、どのような遺伝子がDNAメチル化異常を受けるのかを
明らかにしてきた。
エピジェネティクス異常を直す薬も開発されている。
脱メチル化剤があって、これをメチル化陽性がんに投与すると、
遺伝子発現が回復する。
但し、人に対し実用化されているか、実験室段階かは、
先生に聞いていません。
次回は、「まとめ」と私の意見を記載したいと思います。
明日から「箱根」に遊びに行きますので、ちょっとお時間下さい。
ここで使用しました図は、
湯浅先生が作られたものを引用させていただきました。
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